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小説の周辺 文春文庫
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小説の周辺 文春文庫

藤沢周平【著】

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638

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1990/01/10
JAN 9784167192242

小説の周辺

¥638

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2026/03/12

日本を代表する歴史小説家藤沢周平のエッセイである。 個人的には彼の著書は『蝉しぐれ』しか読んでいないが、他にも読み進めたいとは思っている著者の一人である。 この著書は小説家藤沢周平としてではなく、一個人の藤沢周平という「一人の人間」として描かれているところが実に面白い。 我々の中...

日本を代表する歴史小説家藤沢周平のエッセイである。 個人的には彼の著書は『蝉しぐれ』しか読んでいないが、他にも読み進めたいとは思っている著者の一人である。 この著書は小説家藤沢周平としてではなく、一個人の藤沢周平という「一人の人間」として描かれているところが実に面白い。 我々の中で、小説家というものは一種独特の尊敬と畏怖を込めて「通常の人間ではない何かがあるのだろう」と勝手な思い込みがある。 しかしそれは勝手な思い込みであって、人間生活を営む上では、実に平凡で庶民的な部分を描きつつ、同時にまた鋭い視点で「小説家だなぁ~」と感嘆させる部分も見られる。 歯の痛みを耐えるために、薬を飲んでごまかしつつ、いよいよ耐えきれなくなって歯医者に掛け込んだ。 虫歯を抜くだけ抜いてもらったら、来てくださいという言葉を無視して、歯医者に行かなくなった。 そういった手前、歯医者を通り過ぎる時だけ、いそいそと申し訳なさそうに、足早に通り過ぎる。 こういうエピソードは、実に微笑ましく、凡人らしさを我々に伝え、一種の安心感を得る。 また、小説以外は、わりと奥さんに迷惑を掛けているようで、常識人から少し外れているというところを文中から感じさせる。 小説家の日常というものが、意外にも平凡であり、庶民感覚と、とても近いものであるというものを感じさせる素晴らしい書籍であった。 ところが、である。 私はそれをそのまま鵜呑みにして良いものではないと、勝手に深読みしている。 読み進めるに従い「ちょっと常識外れの著者が、奥さんの手によって無事に生きることができている」というような形で、少し ずっこけたように描くことで、多くの人からの嫉妬心を避け、賛同を得られるように作られているのではないかと考えてしまったのだ。 自分の小説家としての葛藤や苦しみもがきのようなものを書くよりも、 著者のずっこけた部分や、妻の素晴らしさのようなものを描くことの方が、一般的な受けは良いと思う。 小説の息抜きとして書かれているとは思われるが、やはり、その奥にある著者の狙いのようなものを感じ取ってしまい評価としては一つ下げている。 ただ、この下げたものは内容に対する否定ではない。 いつの間にか、著者の思い通りの感覚に自分がさせられているというところへの静かな反抗とでも、言うべきものだろうか。 そうしたことを含めても「小説家の日常」というものを垣間見れるような素晴らしい作品だったと感じる。

Posted by ブクログ

2010/06/21

時代小説の名手、藤沢周平氏のエッセイ集。歯痛の話から、NHKのど自慢を楽しみにしている話。大石内蔵助への人物評、自著完成後の感想、幼少期の故郷の風景・・・などなど。藤沢氏のひととなりが分かる著書はあまりないように思うので、貴重かもしれない。とくに興味を引かれたのは「間違い」の項。...

時代小説の名手、藤沢周平氏のエッセイ集。歯痛の話から、NHKのど自慢を楽しみにしている話。大石内蔵助への人物評、自著完成後の感想、幼少期の故郷の風景・・・などなど。藤沢氏のひととなりが分かる著書はあまりないように思うので、貴重かもしれない。とくに興味を引かれたのは「間違い」の項。江戸期の地名を勘違いしたまま一作品を書き終えてしまったことや、登場人物の没年を誤って死去後の動向を描いてしまった話、があって入念な取材を心がけていそうな藤沢氏でも時に間違いはあるものなんだと妙に安心してしまった。

Posted by ブクログ

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