1,800円以上の注文で送料無料

マドリッドの春の雨 角川文庫
  • 新品
  • 書籍
  • 文庫

マドリッドの春の雨 角川文庫

佐藤愛子【著】

追加する に追加する

マドリッドの春の雨 角川文庫

374

獲得ポイント3P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介 内容:マドリッドの春の雨.梅が散る.ひちふく.電話の中の皿の音.生き残りの記.訪ねてきた男.靴
販売会社/発売会社 角川書店
発売年月日 1989/01/20
JAN 9784041359273

マドリッドの春の雨

¥374

商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2016/01/29

以前読んだときは、表題作の「桜田さん」が誰のことか知らなかった。長編小説「幸福の絵」でも描かれるこの人が、プロ野球のスター選手・監督であった別当薫氏であることを知ったときは、なんというか「さすがだなあ」と思ったものだ。不倫スキャンダルを暴露した週刊誌の編集部に、単身抗議に乗り込ん...

以前読んだときは、表題作の「桜田さん」が誰のことか知らなかった。長編小説「幸福の絵」でも描かれるこの人が、プロ野球のスター選手・監督であった別当薫氏であることを知ったときは、なんというか「さすがだなあ」と思ったものだ。不倫スキャンダルを暴露した週刊誌の編集部に、単身抗議に乗り込んだという武勇伝も実に愛子先生らしい。 というようなゴシップ的興味とは関係なく、この表題作は絶品だと思う。自らの仕事と恋愛にかまけてきた母が、いつのまにか若さの輝きをまとうようになっている娘に気づく。嵐のような日々は過ぎ去りつつあり、やっと得た静けさは、胸を噛む悔恨とうら寂しさを伴っている。マドリードの街に降る雨の音が聞こえてきそうな、ひたひたと胸に迫る一篇だ。 三篇目「電話の中の皿の音」以降は、夫であった田畑氏のことを書いたものだ。一年ほど前に刊行された「晩鐘」で、「結局人の心はわからない」と書かれていた。そこに至るまでどれほどの葛藤があったのだろう。

Posted by ブクログ