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セーターになりたかった毛糸玉
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セーターになりたかった毛糸玉

津田直美【作・絵】

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セーターになりたかった毛糸玉

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ジー・シー
発売年月日 1986/11/10
JAN 9784915619120

セーターになりたかった毛糸玉

¥1,430

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2025/12/03

 タイトルの通り、十個の赤い毛糸玉はセーターになることを夢見ていたのだが、おばあさんが編み上げたそれが、まさかの九個目で完成してしまったため、最後の一個の毛糸玉だけが夢叶わずに取り残されてしまう。  ピクルスグリーン色の毛糸の編み地を描いた見返しの渋さもあって、文字数の多い大...

 タイトルの通り、十個の赤い毛糸玉はセーターになることを夢見ていたのだが、おばあさんが編み上げたそれが、まさかの九個目で完成してしまったため、最後の一個の毛糸玉だけが夢叶わずに取り残されてしまう。  ピクルスグリーン色の毛糸の編み地を描いた見返しの渋さもあって、文字数の多い大人向けの絵本と感じられた、津田直美さんによる本書は、1986年作ということもあって、当時の雰囲気を思わせるファンシーな可愛らしさに、どこか懐かしさが漂うキャラクターの表情と、色鉛筆による素朴なやさしさが滲む温かみのある絵が、時に残酷な程に辛さの伴う物語を癒やしてくれるのが特徴的。  気にならない点が無いと言えば嘘となり、それは、どの漢字に振り仮名を付けるのか、その基準が曖昧であることや、文章の方に黒鉛筆で描かれている三種類の毛糸玉のキャラクターの内、なぜか「青年毛糸」だけがその右ページに描かれたカラーの絵の中にいないことがあったが、それも物語の切ない内容に思わず自らの人生を重ね合わせてしまった方には、全く影響を及ぼさないのであろうと感じた程に、本書の魅力は生きたいように生きたくても、それができなくて苦しんでいる人たち(特に大人)に響く物語にあるのだと思う。  人生というものは常に自分の思い通りになるとは限らないし、当初思い描いていたものとは違うところに幸せを見出すことだってあるのかもしれない、そんなところまで本書は描きながら、それでも尚辿り着くことができない、そうしたもどかしさの伴う思いは何とかしたいという必死さを通り越し、やがて諦めや虚しさへと変わっていく、そんなリアル感があるからこそ最後の結末には思わず希望を見出してしまい、もう少し頑張ってみようと自らを鼓舞したくなる、本書はきっと報われない人生への応援歌のような絵本なのだろう。 《余談》  ここからは本書とは全く関係ないことなのですが、最近ちょっと気になったことがありまして、それは「児童書って、そんなに奥が深くない本なのでしょうか?」ということです。  もちろん、そこに込めた意味というのは、私が思い描いているものとは異なるのかもしれませんし、人それぞれに価値観の違いがあることも認識しておりますし、その方自身を否定するつもりは全くございません。ただ、悲しい気持ちになったというだけで。  しかも、このようなことは絵本も含めて、何故か児童書ばかりが言われることに疑問を感じまして、そこには暗に大人の読み物の方が子どものそれよりもランクが高いような印象を含ませた感があるのが、また悔しくて、私は、どの本のジャンルにもそれぞれにベクトルの方向が異なるだけで奥の深さというのはあると思いますし、そもそも未来の希望を担う子どもたちの心を育むために、あれこれと悩んでは作品を作り上げる児童文学作家や絵本作家たちが、そこにどれだけの気持ちを込めているのか想像したことがあるでしょうか? 随分児童書もなめられたものだという気持ちと共に、ただただ悲しくてやり切れません。

Posted by ブクログ