神の汚れた手(下) 文春文庫

曽野綾子【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 1986/08/01
• JAN: 9784167133184

商品レビュー

2010/05/28

せっかく生まれてきた…

[文庫ＯＦＦ]

せっかく生まれてきたのに、育てられなくて里子に出された赤ちゃんたち。幸せに育てられて良かった。命の尊厳を問う、素晴らしい小説。

2010/05/28

誰かが引き受けなきゃ…

[文庫ＯＦＦ]

誰かが引き受けなきゃならないのなら俺が引き受けて何が悪い。…読み始めたら途中ではやめられないので上巻と共に購入しておこう。切ないフィナーレ。

2019/06/10

長く小説を読むと、登場人物に感情移入する。物語の主人公は産婦人科医なので、そこには、人間ドラマを背負い、人生の一大イベントに臨む出来事が起こる。生むにしても、堕ろすにしても、それは決定的な一大事だ。命を扱うという事と、人生の一大イベントに関わるという事。産婦人科医とは、極めて重い職業なのかも知れない。そんな妊婦のプライバシーに極力関与しないために、患者の顔を覚えないように努めるドクター。しかし、気付くと、思い切り彼女たちの生活に足を踏み出し、感情を通わせているのだ。奇形児を生むとは？子を持てない心情とは？様々な症例を感じながら、日常とは異なる日常に感情を乗せながら読んでしまった。