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蓮と刀 どうして男は“男"をこわがるのか? 河出文庫
638円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 1986/07/04 |
JAN | 9784309401607 |
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蓮と刀
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蓮と刀
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
とても刺激的で知的で面白かった。自分が生まれる前にこんなモノを書ける人がいたなんて。 小説家としての橋本治はちょっと受け付けられなくて、ずっと離れていたのだけど、随筆の方には俄然興味が 湧きました。色々読んでみたい。 彼の言う"ぼっちゃん"の成れの果てが、今...
とても刺激的で知的で面白かった。自分が生まれる前にこんなモノを書ける人がいたなんて。 小説家としての橋本治はちょっと受け付けられなくて、ずっと離れていたのだけど、随筆の方には俄然興味が 湧きました。色々読んでみたい。 彼の言う"ぼっちゃん"の成れの果てが、今日本を振り回しているデカイ幼児たちなのだろうなと思って、笑えるやら悲しいやら。 現代ではLGBTQと言われる人たちがいるけれど、この知識でアップデートされた橋本治は、同じテーマでどんな文章を書くのだろう。読んでみたかったな。
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十九世紀というのは、哲学者が立証という形で根拠を必要とした時代なのね。立証を求める媒体がちがったから、生物学者になったり博物学者になったり心理学者になったりしただけの話。もっと極端な話をすれば、哲学者という私立探偵が安楽椅子探偵から行動派探偵に変ったというだけの話。
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『秘本世界生王子』(河出文庫)に収録された「ソドムのスーパーマーケット」の続編企画として書かれた作品で、現代日本の男たちのホモフォビアを批判し、同時に雑誌『さぶ』の読者交流瀾の自己紹介文に対しても鋭い批判の矢を放った本です。 本書は、フロイトの精神分析の根底にあったのが、彼自身...
『秘本世界生王子』(河出文庫)に収録された「ソドムのスーパーマーケット」の続編企画として書かれた作品で、現代日本の男たちのホモフォビアを批判し、同時に雑誌『さぶ』の読者交流瀾の自己紹介文に対しても鋭い批判の矢を放った本です。 本書は、フロイトの精神分析の根底にあったのが、彼自身の父親に対する「恐怖」(著者はこれを「恐怖」と言い換えることの欺瞞性を告発し、「おとうさんがこわい」と記しています)だったことを指摘するとともに、この問題がその後の精神分析家たちに引き継がれていったことを、エーリッヒ・フロムの『フロイトを超えて』の批判を通して解明します。さらに土居健郎の『「甘え」の構造』と土居が分析の対象とした夏目漱石の『こころ』を俎上に上げ、とくに『こころ』の「先生」と「私」に流れていた「同性愛的感情」(著者はこれを同性愛「的」と表現することの欺瞞性を告発し、「ホモ丸出し」と記しています)を浮き彫りにしていきます。同時に著者は、こうした分析を通して、現代日本の男性たちを「おじさん」と呼び、自分が一人立ちできずにいるという問題を自分の外側に預けて平気でいることを舌鋒鋭く批判します。他方で著者は、ゲイたちの自己意識のありようにも容赦のない批判を向け、「ホモほど寂しいものはない」と述べたうえで、寂しいセックス観をくつがえしつつ、「仲良くなること」は気持ちのいいことであり、もっと仲良くなりたいと思えば(男と)「寝ればいい」という結論を提出します。 著者自身が本書執筆時に知っていたのかどうかわかりませんが、フロイトの精神分析の根底に彼自身の父親に対する愛憎が存在したことは、現在では広く認識されています。そのため、著者の議論を威勢がいいだけの素人談義だと即断してしまう読者がいるのではないかと恐れるのですが、初期の著者の作品に特有の過激な文体の奥にある、ひととひととのコミュニケーションについてのラディカルな、しかし気づいてしまえばいたって当たり前の発想にこそ、読者は目を向けるべきなのだろうと考えます。
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