商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1986/04/10 |
JAN | 9784041305195 |
- 書籍
- 文庫
霊長類 南へ
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霊長類 南へ
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
昔、読んだことがあり、ふっと手に取ってみて、読みだしてみたらおもしろくって一気に読了してしまった。 こんな勢いで本を読み終えたのは本当に久しぶり。やっぱり筒井康隆の小説だねえ。 この本が、最初に出版されたのは、1969年10月、世界は冷戦下さながらであり、70年安保でざわ...
昔、読んだことがあり、ふっと手に取ってみて、読みだしてみたらおもしろくって一気に読了してしまった。 こんな勢いで本を読み終えたのは本当に久しぶり。やっぱり筒井康隆の小説だねえ。 この本が、最初に出版されたのは、1969年10月、世界は冷戦下さながらであり、70年安保でざわついていた時代だ。 米ソの対立の中、このころ力を伸ばしつつあった中国がもとで、最終核戦争が勃発、人類が滅亡してしまうというストーリー。それも何とも理不尽な形での核戦争の始まりという如何にも筒井康隆らしいきっかけ、案外世の中の大事なことっていうのがこういうつまらない、ナンセンスなことから始まるのかもしれないよという気にもさせられる。 核戦争が始まると人類が滅亡するまで、それほど時間がかからないということにも驚かされる。 この小説も、筒井康隆のいわゆる疑似イベントものと言えるもので特殊な状況の中に置かれた時に人はどう思考し、行動するのかというシミュレーションしたものである。 その時、人類はかくも醜く、感情をむき出しになるのか、「霊長類」ということは、人であることをやめて、もはや猿やゴリラなどど同じ次元の生き物になってしまうということなんだろうな。 もし、その時が起こればできるだけ人間として死んでいきたいなあとは思うが、どうだろうかな、自信はないなあ。本書では、人間として死んでいったのは、主人公たち3人だけだ。 一時、SF作家を中心に人類の滅亡をテーマにした小説というのがよく書かれていたが、今やあまり見受けないような気がする。社会情勢、国際情勢は、今の方が危険なところもあり、リアリティ感があるような気がするのだが、こういうテーマが書きつくされたということなのだろうか? 核戦争の恐怖感って、今の時代共有されているんだろうか。マスコミや政治家たちの発言に全く感じられないのだが・・・。 しかし、この小説、筒井康隆だから許してもらえる表現も多々あり、今、この内容を発表しようとするとコンプライアンス的に不適切ということになるんだろうな。 現代語訳「霊長類南へ」というのが将来できるんだろうか、それはそれで恐ろしい。
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「なんでや。なんで死なんならんねん。馬鹿で阿呆で、愛嬌があって、おっちょこちょいで、おもろい人間が、その人間が、なんで全部死んでしまいよるねん。そんな阿呆なこと、あるかいな」 おれたちは抱き合い、わあわあ叫んだ。 「こんなしょうもないこと、あってたまるか」 1969年に創刊された筒井康隆の中編SF。1970年には第1回星雲賞(日本長編作品部門)を受賞した。 ドタバタ騒ぎから偶発的に始まってしまった核戦争によって、人類が滅びゆく阿鼻叫喚の大惨事を、皮肉の利いた軽いノリで書かれている。 読んでいて気持ちが良い。 ———あらすじ(公式より)——— 毎読新聞の記者澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒していた。 珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終りがくるわけでもあるまいし」 その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に爆弾が落ちたのだ。 大統領はホットラインに手を伸ばした。 だが遅かった。爆弾はソ連にも落ち、それをアメリカの攻撃と思ったソ連はすでにミサイルを……。 ホテルを出た澱口と珠子は、凄じい混乱を第三京浜に見た。破滅を知った人類のとめどもない暴走が始ったのだ。 ———感想——— めちゃくちゃ面白い。 瀋陽ミサイル基地での軍人のモメ事から、ミサイル係がボタンを押してしまう。玉突きの核戦争が始まり、北半球の都市はほとんどが壊滅してしまうものの、東京は無事。 偏西風に乗ってやってくる放射能からどのように生き延びるか———人間のエゴにまみれた逃亡劇が最高すぎる。 高速道路はパニックで事故の嵐。要人を乗せたヘリコプターは国会議事堂に激突。羽田空港では飛行機にしがみつき逃げようとする群衆たち。 筒井節で綴られたドタバタ悲劇(喜劇?)が面白すぎて、何度も声に出して笑ってしまった。 無数の死に様を表現することで、澱口や亀井戸の生への執着が際立っているのもさすがでした。
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内容(「BOOK」データベースより) 毎読新聞の記者澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒していた。珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終りがくるわけでもあるまいし」その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に原爆が落ちたのだ。大統領はホットラインに手を伸ばした。だが遅か...
内容(「BOOK」データベースより) 毎読新聞の記者澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒していた。珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終りがくるわけでもあるまいし」その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に原爆が落ちたのだ。大統領はホットラインに手を伸ばした。だが遅かった。原爆はソ連にも落ち、それをアメリカの攻撃と思ったソ連はすでにミサイルを。ホテルを出た澱口と珠子は、凄じい混乱を第三京浜に見た。破滅を知った人類のとめどもない暴走が始ったのだ。
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