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銀の鼓動(1) マガジンKCShonen magazine comics
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銀の鼓動(1) マガジンKCShonen magazine comics

柳葉あきら(著者)

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銀の鼓動(1) マガジンKCShonen magazine comics

429

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2000/06/16
JAN 9784063128536

銀の鼓動(1)

¥429

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2011/07/31

 舞台は1907年の北京。機械好きの日本人の少年・空中征也は,友人のウルミンと共に北京‐パリラリーの開催を知ります。ラリー参加者の一人であるシオピーネ・ボルゲス(シッピオーネ・ボルゲーゼ公爵のことか)と知り合った征也は,北京に眠ると言われる「幻のメルセデス」の存在を聞かされます。...

 舞台は1907年の北京。機械好きの日本人の少年・空中征也は,友人のウルミンと共に北京‐パリラリーの開催を知ります。ラリー参加者の一人であるシオピーネ・ボルゲス(シッピオーネ・ボルゲーゼ公爵のことか)と知り合った征也は,北京に眠ると言われる「幻のメルセデス」の存在を聞かされます。自動車自体がほとんどない北京に,そんなものがあるはずがない……と思っていた誠也とウルミンは,ひょんなことからウルミンが世話になっている鍛冶屋の奥でその「幻のメルセデス」を発見してしまいます。  8気筒エンジンが限界だった当時にあって,そのメルセデスはV12気筒エンジンを搭載する化け物。「自動車の未来を変える」どころか未来からやって来たとしか思えない性能とデザインを持つそのメルセデス,実は鍛冶屋の親方が自分で作ったものなのでした。この親方,昔は皇帝・光緒帝に仕える技師で,国内改革に熱心だった皇帝の命を受けてドイツで自動車作りを学び,そのメルセデスを一人で作り上げたのです。しかし,帰国した彼を待っていたのは,西太后のクーデターにより極端に欧米の文化を拒否するようになった祖国でした。彼はひどい拷問を受けながらそのメルセデスを守りきり,官位を剥奪され一介の鍛冶屋に身を落とした後も大切に隠し持っていたのです。  この自動車を,もう一度動けるようにしよう──征也とウルミンの訴えに心を動かされた親方は,3人でメルセデスの修理に取り掛かります。そしてようやく修理が完了した時,どこからか情報を得た清国の官憲が「自動車を出せ!」と押し寄せてきてしまうのです…  この辺の流れが大好きなのです。光緒帝と西太后のくだりは史実そのまんまで,よく勉強しているなあと感心させられます。この時代にV12気筒エンジンは無理だべ,というツッコミも,マンガだからという理由で十分無視できます。  この後親方は官憲の手にかかって命を落とし,征也とウルミンはメルセデスをある女性に届けるためにラリーと行動を共にしてパリへと向かいます。  この辺の流れが非常に残念なのです。序盤のディテールの細かさが一転し,話がなんとも大雑把になってしまいます。一応,バルツィーニの紀行文などを下敷きにしてはいるようなのですが,ひとつひとつのエピソードがいまいち盛り上がりません。  そして,大雑把かつスピーディーに物語が進んでいった後,メルセデスはシベリア鉄道と正面衝突して大破。征也とウルミンはどうして助かったのか何の説明もないまま,徒歩でパリに到着。車は壊れましたが,エンブレムだけは親方の約束通りある女性のもとへ届けられます。このあたりの後先考えない展開に打ち切り感が色濃く出ています。もったいないなぁ。メルセデスの活躍をもっと見たかった。…と書いてふと気付きましたが,そもそもこの物語の中でメルセデスは活躍してたっけ?  初めて走り出したシーンではさすがに活躍(とてつもない加速で他の参加車をぶっちぎる)してますが,その後はどうもパッとしません。活躍はしてますが,メルセデスでなきゃできないような活躍ではありません。逆に,底なし沼に落ちたり銃弾で蜂の巣にされたり,挙句の果てにシベリア鉄道と正面衝突で,せっかくのV12気筒エンジンを生かしきっていません。そこがもったいないと感じる所以か。  いろいろダラダラ書きましたが,もったいないところも含めてこの作品は結構好きです。よくぞこのネタを見つけてきて,漫画化に挑戦したと思います。その意気やよし。

Posted by ブクログ

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