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ともぐい 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2026/07/29 |
| JAN | 9784101070513 |

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商品レビュー
4
26件のお客様レビュー
第170回直木賞受賞作。 明治後期の北海道を舞台に、猟師の熊爪は相棒の犬とともに山に入り、自然の中で獣を狩りながら生きています。自然で生きる逞しさや厳しい過酷な世界が、本作では圧倒的な筆力で描かれています。 本書を読んでまず驚かされたのは、その生々しさです。獲物を仕留め、肉を喰...
第170回直木賞受賞作。 明治後期の北海道を舞台に、猟師の熊爪は相棒の犬とともに山に入り、自然の中で獣を狩りながら生きています。自然で生きる逞しさや厳しい過酷な世界が、本作では圧倒的な筆力で描かれています。 本書を読んでまず驚かされたのは、その生々しさです。獲物を仕留め、肉を喰らい、また自らも喰われる側になり得る。文明や倫理観によって覆い隠されている「生きること」と「食べること」の本質が、剥き出しの形で突きつけられます。 しかし本作は単なる狩猟小説ではありません。人間と獣、人間と自然、そして人間同士の関係までもが複雑に絡み合い、「生きるとは何か」という根源的な問いへと読者を導いていきます。熊爪の姿を追ううちに、人間もまた自然の一部でしかないのだと思い知らされました。 美しい自然描写の一方で、物語には常に死の気配が漂っています。その緊張感はページをめくる手を止めさせず、ときに息苦しさすら覚えるほどでした。それでも目を背けることができないのは、この物語が人間という生き物の本質を真っ直ぐに見据えているからなのでしょう。 読み終えた後に残るのは爽快感ではなく、畏れにも似た感情です。命を奪うこと、命をつなぐこと、その循環の中で生きること。命の重みを、改めて考えさせられる一冊でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一読の価値あり。おすすめです! ヒトと自然の境界にある(異質な)者同士。ヒト側の境界にある陽子と自然側の境界にある熊爪。熊爪は陽子を通じてヒト側にいきかけ、陽子は熊爪を通じて自然側に行きかける。そして最後は陽子の熊爪の殺害という行為を通じてそれぞれが元の場所に戻る。 熊爪をヒト側に向かわせるきっかけになったのが自然からの拒絶(クマに対する敗北)だったのがまた示唆でもある。 同じ猟師と熊について描いた作品でも、邂逅の森はあくまでヒト側から境界と共生、対立まで描いていたという点で違いがある。
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直木賞 冒頭から続く、リアルな鹿の解体シーン。 作品全体を通して、血なまぐさい描写が続く。 これが女性の作家の作品だとは驚きだが、作者の河崎秋子さんは、もと羊飼いであり、動物の解体などは日常的に行っていたことだろう。 前に、河崎秋子さんのエッセイを読んだが、羊肉の出荷に際して、...
直木賞 冒頭から続く、リアルな鹿の解体シーン。 作品全体を通して、血なまぐさい描写が続く。 これが女性の作家の作品だとは驚きだが、作者の河崎秋子さんは、もと羊飼いであり、動物の解体などは日常的に行っていたことだろう。 前に、河崎秋子さんのエッセイを読んだが、羊肉の出荷に際して、特別に感情を揺さぶられることなく、プロとして冷静に処理をされていた。 それは、この小説の主人公、熊爪にも通じるところがある。 熊爪は生活のため、たまに白糠の町に降りるのだが、熊爪を忌避する町民がほとんどのところ、熊爪に親切にしてくれる人は、やはりどこか怪しい雰囲気を漂わせている。 怖くてなかなか手に取れなかったのだが、ようやく読めてよかった。直木賞が納得の筆力。
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