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百年の挽歌 原発、戦争、美しい村
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2026/01/26 |
| JAN | 9784087890242 |
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百年の挽歌 原発、戦争、美しい村
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商品レビュー
3.9
10件のお客様レビュー
原発事故後計画的避難区域に指定された直後自死した大久保文雄さんの102年の重さ、その親の世代からの開拓の歴史、そして遥か昔からそこにある土地そのものまでずしりと感じさせる1冊だった。文雄さんがなぜ自死を選んだか、何を喪ってしまったかは、すべてはそこにつながるからだ。筆者の共感力、...
原発事故後計画的避難区域に指定された直後自死した大久保文雄さんの102年の重さ、その親の世代からの開拓の歴史、そして遥か昔からそこにある土地そのものまでずしりと感じさせる1冊だった。文雄さんがなぜ自死を選んだか、何を喪ってしまったかは、すべてはそこにつながるからだ。筆者の共感力、人間性なくしては描けなかったと思う。 長い人生の中で東京に行くことすらなかった文雄さんが、硫黄島へ発つ前の弟に会いにおはぎを持って横須賀に会いに行った話にも胸が詰まる。
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2011年4月12日の未明、102歳の大久保文雄さんが、自宅で自らの命を絶った。生まれてから亡くなるまで暮らしていたのは福島県飯舘村。そこは東京電力が放射能事故を起こした福島第一原発の北西40キロに位置している、高原の穏やかな村。 亡くなった奥さんの思い出が残るタンスに、紐をか...
2011年4月12日の未明、102歳の大久保文雄さんが、自宅で自らの命を絶った。生まれてから亡くなるまで暮らしていたのは福島県飯舘村。そこは東京電力が放射能事故を起こした福島第一原発の北西40キロに位置している、高原の穏やかな村。 亡くなった奥さんの思い出が残るタンスに、紐をかけて。その紐は、文雄さん自ら薬局でもらうビニール袋を畳んで、編んで、作ったものだった。どんな気持ちで、と考えるとやるせない気になる。なぜ、そこまで追い込まれなければいけないのか。 亡くなる前日の4月11日、飯舘村が「計画的避難」の対象地域に指定され、文雄さんを含む住民6千人以上が村を離れるようにと発表があった。福島第一原発2号機から大量の放射性物質が大気中に放出された3月15日、夕方から雨が降り、飯舘村は汚染された。そして放射線量が危険なレベルまで上昇していることが判ったのだった。 裁判での東京電力の発言は、いくらなんでも酷すぎる。弁護士の仕業なのか?一審判決後に控訴しなかった点に救われたが。大久保美江子さんは、謝罪を求めて東京電力に対して損害賠償の訴えを起こしていた。
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古くからの希少な趣を残す農村の景観を持つ「日本で最も美しい村」のひとつに名を連ねていた福島県飯舘村。 2011年3月に発生した東日本大震災に伴う原発事故は、この美しい村の光景や、この地に生きてきた人々の運命を根底から変えてしまった。 放射性物質に汚染され、計画的避難指示が出された4月11日深夜、飯舘村で百年余を生きてきた大久保文雄が自ら命を絶った。 何が彼をそこまで追い詰めたのかを著者が渾身の取材で、曝いていく。 見えてきたのは、「国策」という名の巨大な影と、時代に翻弄される人々の姿、そして戦争の記憶。 阪神淡路大震災後、設置された政府の地震調査研究推進本部の長期評価に基づき、東京電力の子会社は2008年、福島第一原発に最大15.7mの津波が到来する可能性を試算していたが、東京電力は、それに合わせた津波対策をしていなかった。 また、タービン建屋の地下室に漫然と設置され、津波の濁流で水没した非常用発電装置や配電盤も、もっと別の堅牢な場所に設置すべきであった。 文雄の弟・久は、海軍に徴兵され、本土防衛のための捨て石として硫黄島に送られ、21歳の若さで命を散らした。 102歳の文雄を自死に追いやった背景には、原発事故で、手塩にかけて育ててきた田畑や長閑な里山から強制的に離別させられる深刻な悲嘆や絶望に加え、弟を戦地で死なせてしまった兄としての責任を痛感していたこともあったのではないか。 著書は、文雄の取った行動が、兄弟の運命を翻弄した重大な国策の過ちに対する怒りを満身に込めた抗議だったのではないかと推測する。 このルポルタージュでは、文雄の息子・一男の妻である美江子の取った行動にも焦点が当てられている。 一男は末期ガンのため、入院していたが、震災による緊急事態のため、新潟県の病院に転送されるが、美江子は、一男を励まし文雄に不安を与えないように、二人に対し病気の真相を封印、気丈に“女優”を演じ続ける。 美江子は、後に、温厚で優しく接してくれた文雄を愛おしみ、文雄の無念や悔しさを晴らすべく、東京電力などを相手に損害賠償を求める民事訴訟を起こし、勝訴する。 異常事態の中で、優しい義父や最愛の夫を亡くした寂しさや悔しさを乗り越え、勇気と粘り強さを貫いた美江子の生き様も、この本の価値を高める要素となっている。
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