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赤く染まる木々
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2025/12/03 |
| JAN | 9784152104847 |
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赤く染まる木々
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商品レビュー
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猟奇的な殺人事件で物語は始まる。白人の死体の横に黒人の死体があり、その手には切取られた白人の睾丸が握られている。収容された黒人の死体は所在不明になるが、次の殺人事件現場に現れる。同様の事件は南部を中心に拡がりを見せ、ホワイトハウスで要職者も殺害されるに至る。被害者は黒人や有色人...
猟奇的な殺人事件で物語は始まる。白人の死体の横に黒人の死体があり、その手には切取られた白人の睾丸が握られている。収容された黒人の死体は所在不明になるが、次の殺人事件現場に現れる。同様の事件は南部を中心に拡がりを見せ、ホワイトハウスで要職者も殺害されるに至る。被害者は黒人や有色人を蔑視する価値観を抱き続ける白人で、レッドネックやペッカーウッドと蔑称される階層だ。ホワイトハウスの要職者も例外ではなく、大統領もその系譜に含まれる。大統領の名前は出てこないが、ファーストレディーの名はメラニーだ。 この小説は現在のアメリカの差別と分断の状況が、新たなフェーズの出現ではなく、時代が単に継続しているだけと警鐘している。BLM(Black lives matter)と同様に。 そもそもタイトルの『赤く染まる木々』は黒人が白人にリンチされ木につるされた状態をで、ビリー・ホリデイが唄う『奇妙な果実』と通底する表現だ。黒人が虐げられ、リンチされた歴史を、人種を反転させて再現させてみせた物語だ。当時リンチされた黒人男性が言った『俺はもう死ぬ、しばらくの間。でもまた戻ってくる。おれたちはみな戻ってくる』が象徴する事件群だ。 事件の黒幕的な人物として、自分が生まれてから発生したリンチ事件を記録し続ける人物が登場する。そのおびただしい被害の記録を提示し、事実を直視するよう世の中の “あほう達” に警告している。史実を修正するな、犠牲を忘れるなと。
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アメリカの黒人差別をテーマにした作品、ではあるものの深刻さはあまりなく、シニカルなユーモアを交えた作品。ミステリー?よりも社会風刺的。 もしゾンビがいたら人種で選んで襲うなんてこともありますよねきっと。
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残虐な手口で男性が殺され、その場に残された見知らぬ男の遺体が、警察が引き上げたあとに消えてしまうという奇妙な事件から始まる。はじめは犯人探しのつもりで読み進めたが、物語はしだいに混沌としていき、登場人物の輪郭も曖昧になっていった。人の命が奪われているのに、いつしか「またか」とい...
残虐な手口で男性が殺され、その場に残された見知らぬ男の遺体が、警察が引き上げたあとに消えてしまうという奇妙な事件から始まる。はじめは犯人探しのつもりで読み進めたが、物語はしだいに混沌としていき、登場人物の輪郭も曖昧になっていった。人の命が奪われているのに、いつしか「またか」という気持ちになってしまう。その感覚こそ、かつてアメリカ南部で繰り返されたリンチや、それを見て見ぬふりしてきた歴史につながっているように思う。 特に印象に残ったのは、死体を集める会社の存在だ。荒唐無稽にも思えるが、「生きている時には注意を受けないのに、死体になるとなぜ注意を受けるのか」という皮肉には、鋭い痛みを感じた。生きているあいだの暴力には鈍感なのに、死んでからの扱いだけが問題にされる。その不気味さが、この作品の恐ろしさなのだと思う。 人種差別という重い問題を、この作品は混沌そのものによって描いているのだと感じた。ただ、個人的にはJamesや消失のほうが輪郭がつかみやすく、自分には好みに合っていた。
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