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厳島 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2025/09/29 |
| JAN | 9784101015545 |

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商品レビュー
4
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作品の面白さは、厳島の戦いを「合戦の記録」としてではなく、その背景や謀略まで掘り下げて描いている点にある。忍びや調略といった「見えない戦い」が鮮明に描かれ、戦いとは武力だけでなく、人心の掌握と情報戦で決まるものだと実感させられる。 毛利元就の凄みは、奇襲そのものじゃない。敵を厳島という不利な地形におびき寄せ、「攻めれば勝てる」と信じ込ませた前段階にこそある。まさに「戦う前に勝負を決める」孫子の兵法そのものだ。 陶晴賢が厳島に上陸したのも、罠と知らずに乗ったわけじゃない。元就が周到に仕込んだ情報工作と偽装内通によって、攻める価値があると確信させられた結果だ。さらに武断派には「大軍なら押し切れる」というおごりがあり、弘中隆兼の冷静な進言も退けられた。外から嵌められ、内側からも崩れていった。 元就はさらに、この作戦を見破れる唯一の知将・江良房栄を陶自身の手で排除させたとも言われている(諸説あり)。勝負は戦場に出る前に、すでに決まっていた。 一方、最も心を打たれるのは弘中隆兼の生き方だ。謀略を使いながらも、私欲のためには絶対に使わない。それは領民や家族、部下への深い思いやりと、仏の教えに根ざした価値観から来るものだ。 私欲がないから、視野が損得を超えて広がる。三本松の戦いの最中でも、これまでの労力や損失を脇に置き、「今下すべき決断」だけに集中して進言できた。それは上に立つ者の意思決定として最上のものだと思う。 そして冷静な判断力と、人間的な温かさが一体になっているところが隆兼の稀有さだ。何度進言を退けられても、最後まで勝機を探し続けた。知性と情の両方が宿った人物だった。 この作品は「勝者だけが正しいわけじゃない」と教えてくれる。敗者の中にこそ、より人間的で尊い生き方があるのかもしれない。 元就の調略には暗い影がつきまとう。それが彼が信長や秀吉ほどクローズアップされない理由かもしれない。でも、謀略・情報戦・人心掌握こそが戦いのリアルだと思う。華々しい武勇の裏に隠れた、見えない調略と情報戦の中にこそ「戦いとは何か」の本質があるんじゃないだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『尼子経久』からの、中国地方 鳴神響一さんが解説で、毛利元就と弘中隆兼の二者の視点からって書いてて、そうかと思った。元就には全然共感・共鳴出来ずに、弘中視点ばっかりで作品を読んでいた自分に気が付いた。
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陶晴賢にもスポットが当たっており、斎藤道三と同様に下剋上の悪いやつという単純な構図ではなかった 陶晴賢の優秀な武将を一人一人崩していく毛利元就が主人公ではなく、崩されていく武将達に気持ちが入っていく物語
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