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これからの時代を生き抜くための民俗学入門
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これからの時代を生き抜くための民俗学入門

島村恭則(著者)

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これからの時代を生き抜くための民俗学入門

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 辰巳出版
発売年月日 2025/09/09
JAN 9784777831975

これからの時代を生き抜くための民俗学入門

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商品レビュー

4.7

3件のお客様レビュー

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2026/05/18

民俗学のことを知りたいと思い手に取った本書。 入門系は個別具体の日常の事例と民俗学との関わりを羅列する形での内容が多いのに対し、本書はより体系的に民俗学を学ぶとはどういうことなのか? というスタートラインに立たせてくれるような内容である。そのため個別具体的な内容というよりは、これ...

民俗学のことを知りたいと思い手に取った本書。 入門系は個別具体の日常の事例と民俗学との関わりを羅列する形での内容が多いのに対し、本書はより体系的に民俗学を学ぶとはどういうことなのか? というスタートラインに立たせてくれるような内容である。そのため個別具体的な内容というよりは、これから民俗学の講義をする、最初のイントロダクション的な要素が強かった。 民俗学を1冊で楽しみたい人には向かないが、これから様々な本で民俗学を学びたい人にとっては、最も良い1冊でした。これを読み、すでに私も別の民俗学の研究や柳田國男さんの作品に手を出し始めました。

Posted by ブクログ

2026/02/08

これからの時代に必要な民俗学を解説した著書。 民俗学は、啓蒙主義や合理性などのドミナントな価値観に対し、各地域文化や人々の暮らしの固有性や、合理性では割り切れないものを研究対象とし、価値を相対化する役割や、過去や他地域と比較することで現在の自分たちの文化や暮らし(アイデンティテ...

これからの時代に必要な民俗学を解説した著書。 民俗学は、啓蒙主義や合理性などのドミナントな価値観に対し、各地域文化や人々の暮らしの固有性や、合理性では割り切れないものを研究対象とし、価値を相対化する役割や、過去や他地域と比較することで現在の自分たちの文化や暮らし(アイデンティティ)をより深く理解し、未来を考えることに役に立つ学問だと思う。 現在を史学することとして、例えばゴキブリという存在は、過去は隙間の多い日本家屋では、虫は家の中に居て当たり前の存在で、人が蚊帳の中に入り、それらを避ける暮らしであったが、気密性の高まった現代の家屋では居てはいけない存在となり、異物感を感じたり、殺虫剤を常備するという習慣に変化した。また、ゴキブリの駆除方法として、トイレに流すという家庭が多くなっているが、過去のたいまつの灯で虫をおびき寄せて、川に流す虫送りという風習における、秩序維持のための排除装置としての川が、水洗トイレに置き換わったという視点を民俗学は提示する。 日本における土木叩きでは、昔、土を深く掘ることは自然に無理に手を加えることになるため、タブーとされており、生活のために井戸などを掘る人は、軽蔑の対象となっていた。その文化的背景が存在することを示唆する。 結婚においても、昔の庶民は、村内の女性の元に男性が通い婚をし、子供を身ごもったら、嫁に迎えるという2段階の結婚プロセスであった。武家は、嫁入りからの結婚生活を始めるスタイルで、戦後はこのスタイルが主流になった。しかし、後者は性格も価値観もわからない中夫婦生活を営むというリスクがあり、不自然な形態であった。現代では、同棲生活を経てから、結婚に至る昔の庶民のスタイルが、形を変えて復活しつつある。 このように、現在の習慣と過去の習慣を紐づけることで、現在の習慣の過去からの影響や変遷が明らかになり、今の生活の理解度が上がる。 また、霊的なものを主体にした文化についての記述も面白い。 霊的なもとのとして、超自然的な力としての霊力、形象化された霊魂、を元にした生活風習や信仰が根付いている。ハレとケは、霊力によって営まれるケという状態と、霊力がなくなり、充填するためのハレ(張れ)のことであり、霊力の消費プロセスや枯渇をケガレ(気離れ)と呼んだ。 この霊力の消費と充填に基づき、お正月のお年玉(お年魂)やお歳暮、お中元などは、霊力を込めた贈答品を送り合う習慣であった。 正月に食べるお持ちや、海岸に打ち上げられた丸い石、子供の衣服に施された矢の形の背守りなどは、霊力の充填や霊力の脱離を抑制する目的で行われていた。 時間という言葉も、時はハレを表し、間はハレとハレの間のケを表しており、その二つで時間という言葉になっている。また、地名でも由比ガ浜は、結という自由参加の相互扶助的な漁場であったのに対し、田子の浦は、田子と呼ばれる労働力を元にした軍隊的漁の行われた場所を意味する。 また、宮本常一は、伝承に注目する民俗学的なことよりも、苦しい状況でも忍耐と工夫で生き抜く人々の生活自身に注目するようになる。その中には、農や漁に生きた人々の具体的な技能や自然知も含まれる。 川島秀一は、東日本大震災後の沿岸地域での海との隔離をを前提とした画一的な減災対策に対し、災害を受け入れ、漁師として海と暮らすあり方があったことを提示する。 六車由美は、介護の現場で、それぞれの人が持つ事情やワケを聞き取り、マニュアルでは拾上げられない物語を被介護者と紡ぎあげる。人間のせつなさとしょうもなさ。せつなさとは、ひとびとがそれぞれ生きる時代や地域や状況の中で、ひたむきに忍耐と工夫を嵩ね、一生懸命に日々の暗しを営んでいることへの感嘆と賛辞である。しょうもなさとは、そうした人々が差別や抑圧や暴力の被害者となり、また加害者や、無責任な傍観者になる。学んでもまたすぐに忘れてしまい、また同じ過ちを繰り返す。あざなえる縄のごとく立ち現れる。 資本主義、合理主義、啓蒙主義などのドミナントに対して、価値を相対化して、多様な視点を得るためだったり、日々の暮らしの中で知と知が結びつく知的探求心の満足が得られた里、過去を知ることで現在の習慣や暮らしの解像度が上がり、未来を考えやすくなったり、そのままにしていると失われる他者の記憶の器になることが、民俗学の魅力なのではと思った。

Posted by ブクログ

2026/01/05

「回遊」をキーワードに、民俗学という学問が持つ、ものの見方、考え方、あるいは研究の実践例について、分かりやすく解説した「深掘り」型の民俗学入門。 民俗学の沿革やその考え方などについて理解が深まり、民俗学の可能性や魅力を十分に感じることができた。とりわけ、第2章の「「霊的なもの」に...

「回遊」をキーワードに、民俗学という学問が持つ、ものの見方、考え方、あるいは研究の実践例について、分かりやすく解説した「深掘り」型の民俗学入門。 民俗学の沿革やその考え方などについて理解が深まり、民俗学の可能性や魅力を十分に感じることができた。とりわけ、第2章の「「霊的なもの」に学ぶ」は、勉強になった。

Posted by ブクログ

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