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チンギス紀(八) 杳冥 集英社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2025/05/20 |
| JAN | 9784087447729 |

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チンギス紀(八)
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商品レビュー
4.5
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大戦争だった7と打って変わって、8は戦が少なく登場人物一人一人を丁寧に描く回だった気がする。その分私も、一人一人と深く向き合えた。 敗走した3人のうち、タルグダイははるか南、今でいう台湾の対岸の場所でラシャーンと二人で暮らし始めていた。ラシャーンがいつか夢見たタルグダイに海を見せる事が、叶ったのはひとつのハッピーエンドだと思った。多分2人はもう出てこないだろう。テムジンが南から戻ったその時から、ずっとキャト氏の行く手を阻み続けたタルグダイ。かつては臆病な小物だったが、いつからか覚醒し、最後には勇猛果敢な武将になった。そんな彼が愛する妻とこのまま静かに余生を過ごしたとしても、誰も責める民はいないだろう。よく頑張った。 アインガは相変わらず強敵だが、今のところテムジンとの戦闘の意思は持っていない。草原の統一は、全部族を滅ぼすのが当たり前だと思っていたが、このまま戦う意思がなく内政に目を向けるなら、メルキト族は滅びずにひっそり生き続けるのかなと思った。 ジャムカだけは、相変わらずテムジンを倒すために動き続けていた。序盤、ジャムカが自らの老いを感じるシーンに衝撃を受けた。私の中で、彼はまだ13歳で、自領に侵入したメルキトの者を皆殺しにした血気盛んな若者だったので、それほどの時が立ったことに驚いた。チンギス紀では、意図してか意図せずか、年号を示す情報が全くない。だから、思ったより時が経ってるんだよね。また、ジャムカの息子マルガーシが、周囲の過保護を拒否し、たくましい戦士としてテムジンの前に立ちはだかりそうな気がした。盟友だったジャムカとテムジンの因縁は、ジャムカの息子マルガーシに引き継がれるのかもしれない。 また、ヌオやしょうげんきと言った古くからの仲間の死もあり、テムジンが様々なものを背負って進む様子を感じた。テムジンは人の心は無限だと知ってから、草原の長として相応しい人格に育ちつつあると感じた。ものではなく人を見ており、また周囲にはボオルチュやダイルのように冗談を言える関係性の部下もいる。トオリルカンのように裸の王様になることなく、国を大きくしているのは、リーダーの資質に富んでいることを示唆していると思う。 大きな盤面でいえば、ケレイトの裏切りを読み切ったテムジンが、あっけなくケレイトを滅ぼし併合させた。テムジン自身も語っていたように、今のテムジンは草原では抜きん出た力を持っており、際どい戦などなく邪魔するものを蹴散らすだけの戦いになりつつあり、特に今回はテムジンの強さが際立つ戦だった。テムジンにとってジャムカに次ぐ友と言えたジャカガンボが、最後まで報われることなく草原を放浪することを選んだのは少し悲しかった。 8は、全体的に戦よりも国力増強の方が重点的に描かれていて、何も無いところから国が出来上がる過程を見れて楽しい。生産、貿易、交通、教育、そして医療。いまやテムジンの行った様々な取り組みは、たしかに国を強くするのに役立っており、全てが花開けば金国にも負けない強大な帝国になることは間違いないと思った。 9の展開予想としては、ナイマンとの戦は何だかんだモンゴル族が勝つと思う。次で テムジン率いるモンゴル族は、ナイマンの併合まで果たすのではないか。そして、金国や西遼との覇権争いに移っていきそう。
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テムジン、トオリル・カン、ジャムカそれぞれ親子の物語が対照的で印象に残る。まさかのケレイト王国との戦いも実に呆気なく勝負がつき、モンゴル高原では最後の壁となりそうなナイマン王国と一気に戦闘モードへ。総大将カサルのお手並み拝見。
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「間に合わぬな」 「えっ」 「わしは、もう死ぬ。それが、はっきりとわかる。仕方がないな。赤牛の時から、殿をずっと見てきた。これ以上見たいというのは、傲慢であるか。いや違うな、贅沢というやつだ。分を過ぎた人生だった。だから死ぬのが惜しくなってはならんのだ」 蕭源基の眼が、ダイルにむ...
「間に合わぬな」 「えっ」 「わしは、もう死ぬ。それが、はっきりとわかる。仕方がないな。赤牛の時から、殿をずっと見てきた。これ以上見たいというのは、傲慢であるか。いや違うな、贅沢というやつだ。分を過ぎた人生だった。だから死ぬのが惜しくなってはならんのだ」 蕭源基の眼が、ダイルにむけられた。 「陰山で間違えるのではないぞ、ダイル。あそこから、新しいものがはじまる」 蕭源基の眼が、閉じられた。(353p) ⸺⸺赤牛とは、大同府にいた時の少年テムジンの名である。陰山とは、鉄鉱石の山をモンゴル族のものにするための作戦である。 人はいつか死ぬ。 敵として戦い亡くなる場合もあれば、天寿を全うし亡くなる場合もある。 今巻では、ケレイト王国のトオリル・カン、セングムは策士策に溺れ、好漢アルワン・ネクは斃れ、ジャムカの妻フフーは志半ばで死に、鉱山の王厳、鄧礼、テムジンの義父、馬匹隊長ヌオ、そしてテムジンに世界の広さと歴史を教えた蕭源基が杳冥として知れぬ鬼籍に入った。蓋し、大河物語は人生そのものを描く小説である。 クビライ・ノヤン テムジン麾下の将軍也 字は左箭、弓の達人也 右槍達人ジェルメ将軍 最初期より全戦に尽く ナイマン王国との初戦 ノヤン矢は数騎を串刺 具足貫き自尊心を射る モンゴル族版図拡大秋
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