フクシマ、能登、そしてこれから 震災後を生きる13人の物語

藍原寛子(著者)

• 販売会社／発売会社: 婦人之友社
• 発売年月日: 2025/03/05
• JAN: 9784829210741

商品レビュー

2025/05/20

震災後を生きる13人のインタビュー集である。
第1部　フクシマ　第2部　能登　となっている。

13人のうち，能登半島地震と珠洲原発反対運動について話しているのは，4人。輪島市の海女さん。珠洲原発建設予定地のお寺の住職・塚本さん。元中学校教師で歌人でもある砂山さん，そして元石川県議会議員の北野さん。海女さん以外は，わたしの知り合いでもある。

とにかく，いつ来るか予想できない，規模もどうなるか予想できない，どんな複合被害になるか予想できない，そんな地震大国に原発はいらないのである。

2025/04/22

・原発事故から14年が経っても、状況は改善していません
・ALPS処理汚染水の海洋放出
という。
「婦人之友」では全くなく、婦人之敵・福島之敵・日本之敵たる本でした。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/514385269.html

2025/03/19

　フクシマと能登。傷ついた故郷で、未来を見据える13人の眼差しと言葉が胸に刺さり、前向きな思考に勇気をもらえました。
　原発事故で世界言語になってしまった「フクシマ」と他方の能登地域。共通点は震災でも、根本的には"原発"に辿り着き、響き合う構成です。

　以前、今回の震源に近い珠洲市に原発誘致計画があり、住民の反対運動で計画が白紙撤回。既存の志賀原発(輪島市隣)も、福島原発事故を受け運転中止という２つの事実。まさに不幸中の幸いでしたね。
　それでも人は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のでしょうか？　原発の再稼働や増設へ向かうエネルギー政策は、止められないのでしょうか？　苦しいときに得た教訓を忘れてはいけないのでは？

　もう一つ印象的だったのが、映画館支配人の経験です。福島市のミニシアター「フォーラム福島」。何度も危機的状況を脱し、世界的映画監督のヴィム・ヴェンダースが震災直後に訪問。この交流がなければ、傑作映画『PERFECT DAYS』は生まれなかったでしょう。監督の言葉にどれだけ励まされたか…。「これは終わりではなく始まり。皆さんは義務を負い、原発事故を世界に伝える責任がある」

　フクシマは廃炉や帰還困難問題が続きますが、能登地方も忘れられずにどう復興していくか注視したいです。互いが「つながり」、持続可能な地方、強いては持続可能な日本にしなきゃいけませんね。