蔦屋重三郎のバズる力 「落ち目」をV字回復させ、10倍売り伸ばす方法

鈴木博毅(著者)

• 販売会社／発売会社: ビジネス社
• 発売年月日: 2025/02/19
• JAN: 9784828427065

商品レビュー

2025/05/06

江戸時代の芸術・文化を大衆化させた蔦屋重三郎の手腕についての戦略が書かれている。蔦屋重三郎の人間性を知る事例としては面白いが、他のビジネス書（マーケティング・イノベーション関係の書）にも書かれているようなことと似ていて、特に新しいものはない。また、タイトルにある「バズる」の部分をもう少し深ぼって欲しかったが、実質4ページくらいで少し拍子抜けだった。大河ドラマを見て蔦屋重三郎をもう少し知りたい、という人には良い本かもしれないが、ビジネスに活かすヒントを求めて読むには少し物足りなさを感じた。

2025/03/22

はじめに
- 本書では、江戸時代の有名な版元、蔦屋重三郎のビジネス戦略と成功の秘訣について解説している。
- 重三郎は、小さな書店から江戸の人気版元に成長し、多くのアーティストを支援した。
- 本書は、彼の商業的成功の理由を探る内容となっている。

成長の背景
- 重三郎は吉原の小さな害店の店主からスタートし、江戸の文芸界でプロデューサーとしての地位を確立した。
- 彼の成長には、江戸の文化的背景や顧客のニーズに対する洞察が重要な役割を果たした。
- 狂歌や戯作が流行する中で、彼はビジネスを拡大した。

「売り広げる力」
- 現代ビジネスにおいても顧客を広げる力は成功に欠かせない要素であり、重三郎の「売り広げる力」を分析することが重要。
- 彼は、すでに売れている商品を扱うことでリスクを低減し、ビジネスを拡大した。

商品開発のリスク管理
- 新商品開発において最も避けたいのは、売れないリスクである。
- 重三郎は「後発戦略」を採用し、他の成功事例を見てから商品を市場に投入することでリスクを低減した。
- 彼は多くの新商品を企画しながらも、失敗を最小限に抑えていた。

吉原との関係と文化の発展
- 吉原は重三郎のビジネスの出発点であり、この地における顧客の需要を的確に捉えた。
- 彼は遊女ガイドブックなどを出版し、吉原の文化を広める役割を果たした。

異分野との関係性
- 重三郎は、異なる分野の専門家との交流を通じて新しいビジネスチャンスを見出した。
- 平賀源内などの有名人に序文を書かせることで、商品やサービスの価値を高めた。

イノベーションと市場洞察
- 1783年には、狂歌のプームを促進する書籍を出版し、より広い市場をターゲットにした。
- 彼の戦略は、常に新しい市場に目を向け、顧客の反応を観察することに基づいていた。

結論
- 重三郎の成功は、リスク管理、顧客洞察、異分野との連携に基づくものであり、これらの要素が彼のビジネスを支えた。
- 今日のビジネスにも通じる教訓が多く、変化する市場に適応する力が重要であることを示している。