日本ファッションブランドの価値創造

江上美幸(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央経済社/中央経済グループパブ
• 発売年月日: 2025/02/06
• JAN: 9784502521812

商品レビュー

2025/06/09

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01438118

2025/03/27

1. 日本のアパレル市場の現状
- 1991年には15.3兆円だった市場規模が、2019年には11.0兆円に減少。
- 2021年には新型コロナウイルスの影響で8.6兆円にまで落ち込む。
- 今後の市場の回復は見込まれるが、少子高齢化による人口減少により縮小傾向が予想される。

2. ファッションブランドの競争環境
- 国内ファッションブランドは、特に外資系ブランドとの競争が激化している。
- 韓国や中国からの越境ECによる影響もあり、海外ブランドとの競争が増加している。

3. ユニクロと無印良品のグローバル展開
- ユニクロは1984年に広島で出店し、1998年のフリースキャンペーンで全国的に認知度を高める。
- 2022年には海外店舗が約1,800店に達し、中国市場での店舗数は897店に。
- 無印良品も中国での人気を獲得し、325店舗を展開。

4. D2Cブランドの台頭
- D2C（ダイレクト・トゥ・コンシューマー）ブランドが注目され、特にEC中心の販売が増加。
- 顧客経験の重視やオムニチャネル戦略の導入が進む。
- SNSを活用したブランドコミュニティの形成が進行中。

5. 価値創造に関する理論的考察
- 意味的価値には定型化されたものと進化的なものがあり、ファッション業界においてはこの違いが重要。
- 定型的意味的価値がコモデイティ化する一方で、進化的意味的価値を持つブランドが成長している。

6. 研究の限界と今後の課題
- D2Cブランドや日本のファッションブランドの受容性に関する研究はまだ少なく、更なる実証研究が求められる。
- 日本のファッションブランドがグローバル市場で成功するための戦略についての考察が必要。

7. 結論
- 日本のファッション業界は、内外の競争環境や消費者のニーズの変化に対する柔軟な対応が求められる。
- グローバル市場での受容性を高めるためには、特徴的なブランド価値の創造や新しいビジネスモデルの導入が重要である。