日本の新構想 生成AI時代を生き抜く6つの英智 小学館新書484

波頭亮(著者), 磯田道史(著者), 神保哲生(著者), 中島岳志(著者), 西川伸一(著者), 島田雅彦(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2025/01/31
• JAN: 9784098254842

商品レビュー

2025/03/06

p30 　日本　所属は幸せを呼ぶという考え方を洗い流さねば、日本の再生は進まない

血縁の基づく所属、学歴や社歴によるもの

価値は他人への貢献によって生み出される。他人には幸せを与えられず、価値を生み出していないのに、単に学校に所属していたり、会社や役所に所属するだけで、生活できるはずがない。自分が価値創出をしていないのに、一流企業に所属するだけで高給がとれたりするのはもう長くは続かない。しかし、良い集団に所属すれば、安心できる、暮らせる、という思想はいまだに日本人に深くある

p32 江戸時代の健全な競争を現代にも復活させる方策の一つは、BIといっしょに解雇規制を導入することである

p34 もし日本の生産性を上げようとするなら、人を孤立させず、社会の格差を縮める努力をする必要がある

p43 AIは身体性を持っていない点で体で体験する人間とはおおきく異なる。AIの登場による変化として、私は２つの点に注目している
AIの時代は、人間の実体験の価値が上がる可能性がある。もう一つは、生産手段を持つ価値が高まることだ

p47 五箇条の御誓文　各々がやりたいことがやれて、学会させないことが大切だ

p68 生成AIによりDNAを核とした生命情報集約

2020 googleが出したAlfafold　
一次元の情報であるDNAの情報を読み込ませると、そのアミノ酸の分子の３次元情報を予測することができる

Alfafold3 ある分子と他の分子を組み合わせた時の相互作用までわかるようになった

p71 AlfaMissense がん患者のゲノムを解析した結果が、必ずしも専門医でない開業医でもわかるレベルで説明される

p114 法人の利益額　1995年26兆円　2023年 107兆円と４倍になった
重大な問題行動とは２つある
ひとつはどのようにして利益を絞り出したのか、もう一つはその利益をどのように使ったのか

要するに、労働者の賃金を抑えて上げた利益の多くの部分を、企業は労働者への再分配や国内への投資に用いることなく外国の株主へ上納し続けている

p166 日本はリスクの個人化が進んだ国

公務員数　1000人中３０人台後半と少ない
地方の役所や自治体では職員の半数以上が非正規雇用というところがざらにある

p202 記者クラブは、政府側から見れば、情報統制をするためにこんなに便利な仕組みはない

p206 ネットで流通するおびただしい数の情報はほとんど全て、おおもとの情報は記者クラブから発せられたものであり、記者クラブが情報の元栓を握っているのだ

p2229 日本では事前通告されていない質問への首相の回答には意味がない

2025/03/06

1. 日本の再興に向けた歴史的思考
- 歴史の教訓: 日本の再興には歴史から学ぶ必要があるとの強調。
- 価値観の変化: 日本人の価値観や親分を探す傾向が現代の勤勉革命に影響を与えている。
- 知識・体験・技術の重視: 現代日本では「知識・体験・技術」を重視することが必要とされている。

2. 現代のAIと生命科学
- 生成AIの進展: 生命科学者が生成AIの進展に驚いている事例が紹介され、特に自然言語処理の進歩が注目されている。
- データ集約の方法: DNAを核とした情報集約と自然言語を核とした情報集約が提案されている。
- 未来の統合: 身体情報（DNA）と脳情報の統合が今後の研究課題とされている。

3. 日本の現在と未来の方向性
3.1 日本の現状
- 失われた30年: 経済成長の停滞を示すデータとそれに関連する経済政策が分析されている。
- 国民の意識: 経済政策への国民の期待と主権者の責任についての考察がなされる。

3.2 未来への具体策
- 新自由主義と再分配: 現代の経済政策の再評価と具体的な成長戦略の提案。
- 社会安定化政策: 介護産業への支援やベーシックインカムの導入が提案されている。

4. 世界の変化と日本の適応
- AI導入による変革: AIの導入が生産様式を変革し、圧倒的な生産性向上を促している。
- 社会構造の再構築: 権力構造やライフスタイルの変化に対する日本の適応が求められている。

5. 現代日本の政治思想
- 政治のポジショニング: 日本政治のリベラルと保守の対比、ボピュリズムの現状。
- 選挙制度改革: 中選挙区制の導入が提案され、政治の機能を向上させる方法が模索されている。

6. メディアの問題と未来
- メディアの構造問題: 日本のメディアの構造的な問題と、それが政治に与える影響についての考察。
- 報道の自由: 報道の自由度の低下とその背景にある政府との癒着が指摘されている。
- メディアの未来: 新しいメディアの役割と、民主主義の発展における重要性が強調されている。

7. 経済と社会の再生に向けた提言
- 人的投資の重要性: 経済成長のためには国内の人と資本への投資が重要であるとの強調。
- 孤立を避ける努力: 社会的格差を縮め、人を孤立させないための努力が必要とされている。

2025/02/23

最後の島田雅彦さんが、何を言いたいのか？全く分からなかったので、減点
磯田さん、波頭さんやメディアのパートが秀逸なだけに勿体なかった。