ヒポクラテスの告発 天然痘を根絶した蟻田功の遺言

木村盛世(著者)

• 販売会社／発売会社: 藤原書店
• 発売年月日: 2024/12/27
• JAN: 9784865784459

商品レビュー

2025/02/06

概要
本書は、日本の医療政策と感染症対策についての考察を行っており、特に結核やワクチン接種に関する科学的根拠の不足を指摘しています。また、疫学や結核ワクチンBCGの効果についても議論が展開されています。

医療政策の科学的根拠の欠如
- 日本の医療政策は「科学から程遠い」との主張がされています。特に結核対策において、科学的な手法を取り入れることがなされていないと述べられています。
- 結核は「終わった病気」ではなく、依然として日本社会において重要な健康問題であると強調されています。

結核の特性と感染経路
- 結核は古代から存在する感染症で、主に気道感染症であることが説明されています。特に、肺結核は人から人へ感染することが知られており、咳を伴う患者からの感染リスクが高いことが述べられています。
- 脊椎カリエスとして知られる肺外結核についても言及されており、特に子供に多く見られる疾患であることが説明されています。

ワクチン接種の問題点
- BCGワクチンの導入について、アメリカはその効果が不明であるため国策として採用しなかった一方で、日本では国策として導入されていることが指摘されています。
- BCGワクチンの効果は約50%と推定されており、効果の低さが問題視されています。

医療アクセスと過剰医療
- 日本の医療制度は、医療アクセスが非常に恵まれている一方で、過剰医療が問題視されています。特に、患者が抗生剤を求める傾向が強く、これが耐性菌の蔓延を招いているとされています。
- 医療機関が抗生剤を簡単に処方することが常態化しているため、医療の質が低下しているとの警鐘が鳴らされています。

感染症対策と公衆衛生
- 感染症に対する政策が科学に基づかない場合、国民の健康が脅かされるという懸念が示されています。特に、COVID-19に対する政策においても、科学的な根拠に基づく対応が必要であると強調されています。
- 集団免疫の概念や、感染症対策における国際的な協力の重要性についても触れられています。

結論
本書では、日本の医療政策や感染症対策の科学的根拠の欠如が、国民の健康に深刻な影響を及ぼしていることが強調されています。今後、より科学的根拠に基づいた医療政策の確立が求められています。