校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる

牟田都子(著者)

• 販売会社／発売会社: アノニマ・スタジオ/KTC中央出版
• 発売年月日: 2024/12/24
• JAN: 9784877588687
• 関連ワード: 牟田都子 / 社会・文化

商品レビュー

2025/09/20

［目次］
はじめに
１　マンガ　講談社校閲部
２　レシピ　レタスクラブ（KADOKAWA LifeDesign）
３　テレビ　タイトルアート
４　辞書　境田稔信
５　ウェブ　ヴェリタ
６　法律書　有斐閣法律編集局校閲部
７　スクール　日本エディタースクール
８　地図　平凡社地図出版
９　新聞　毎日新聞社校閲センター
10　商業印刷物　タクトシステム
11　雑誌　BRUTUS（マガジンハウス）
参考文献
より校正・校閲を知るためのブックリスト
おわりに

2025/09/14

一言で「校正」と言っても、最終的にどの媒体に文章を乗せるかによってスピード感がぜんぜん違う
辞書＞通常の本＞漫画、雑誌＞新聞＞テレビ、ネットメディア
それぞれに校正さんの意識の違いが見えて面白い

2025/08/19

校正→校正刷りと原稿を照合するなどして、文字や内容の誤りを正し、体裁を整える事
校閲→印刷物や原稿を読み、内容の誤りを正し、不足な点を補ったりする事

校正校閲というと、うすらぼんやりと、小説や雑誌、新聞などを思い浮かべる人が多いと思う。（私もそうだった。）しかし、あらゆる文章や文字が世に出るため、この２つは両輪として必要不可欠なのだ。出版社の校閲部で働いたのち、今はフリーで書籍の校正を請け負っている筆者が、いろいろな分野の同業者にインタビューしたのが、この本である。

新聞・雑誌以外に、マンガ、料理のレシピ、テレビの字幕、辞書、地図‥。よくよく考えればそうだろうなとわかるのだけど、ここにも校正校閲が⁈と、わりとびっくりする。本当に、言葉のあるところに校正校閲あり、という感じだ。
そして、媒体によって優先すべき事が違う。正確さが大事な辞書、スピード第一！のテレビ字幕、正確とスピード両方要求される新聞、作者の思いやこだわりも汲みとる必要があるマンガ‥。本当に様々で、同業他社に転職した人は大変そうだ。
書籍畑の著者は、同業者ならではの感想を抱くと同時に、私たち読者と同じ目線で驚いたりもするので、とても読みやい。

この仕事、幅広い知識や集中力がないと務まりそうにないけど、ある雑誌で校正をしている人は、知人が自費出版する本の校正も請け負うとか。その人曰く、「趣味でやる校正」‥！すごい‥！

でも考えてみたら、ブクログ利用者の私たちは、自分で自分の文章を校閲してるんだよな、と気づいた。SNSをやる人は、どんなに短い文章でも一度くらいは読み返すだろうし‥。
校閲は日常に潜んでいる！なんて考えたら、ちょっと楽しいかも。