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エマニエル夫人 新訳
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エマニエル夫人 新訳

エマニエル・アルサン(著者), 河村真紀子(訳者)

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エマニエル夫人 新訳

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 二見書房
発売年月日 2024/12/19
JAN 9784576241265

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2025/01/07

歴史に遺るエロティック文学の金字塔「エマニエル夫人」の新訳無削除完全版。帯に書かれたアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの賛辞に惹かれて読みました。 ストーリーとしては外交官の妻であるエマニエルが他の男性と、或いは同性の友人と情事を重ねていく単純なものだが、そこには「夫を裏切る...

歴史に遺るエロティック文学の金字塔「エマニエル夫人」の新訳無削除完全版。帯に書かれたアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの賛辞に惹かれて読みました。 ストーリーとしては外交官の妻であるエマニエルが他の男性と、或いは同性の友人と情事を重ねていく単純なものだが、そこには「夫を裏切る妻」という暗い背徳感は一切ない。多くの人と快楽を分け合い、楽しむことは寧ろ悦ばしいことなのだと楽天的に描かれている。 この作品が発表された時代を考えれば、人妻である女性が自らの意志で様々な相手と罪の意識に囚われることなく性を楽しむという設定はかなり衝撃的であり、革新的であったはず。 女性も男性と同じように性を楽しむ権利があり、女性は男性に選ばれる立場ではなく、女性もまた男性と同じように相手を選ぶ権利があること、そして女性は男性に所有され、隷属するものではないことを明確に打ち出している点は女性解放運動の思想としても読める。 エロティックな描写ばかりが注目されているが、本書の白眉は第5章のマリオとエマニエルの対話だろう。マリオはエロティシズムが本来、どうあるべきかを自身の思想を恰も教師のように開陳していく。彼の思想は人間は肉欲の奴隷に堕してはならない、官能の手先にならず、寧ろ官能を自在にコントロールし、思うままに駆使すること。躰の感覚だけでセックスをするのではなく、イマジネーションを大いに働かせて行うこと。官能を芸術までに高めて昇華すること。そのためには性の相手を独占せず、また相手の唯一の存在にならないこと。続く第6章では第5章でマリオがエマニエルに教えたことを実践してみせている。 考えてみれば、官能とは全て予感と期待なのだ。肉体的な感覚は結果であり、そこにマリオがいうところの芸術はない。予感と期待、イマジネーションは人間だけが有する性の要だ。それがなければ快楽を真に味わい尽くすことはできない。 「エマニエル夫人」は究極の官能の哲学なのだ。

Posted by ブクログ