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小窓の王
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小窓の王

原岳(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎メディアコンサルティング/幻冬舎
発売年月日 2024/12/03
JAN 9784344691599

小窓の王

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商品レビュー

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2024/12/23

山岳会の大先輩が出された山岳小説『小窓の王』読了しました! ちゃんと新宿紀伊國屋で並んでるの、見て買ってきましたよ! 本作は、年末年始の剱岳、小窓尾根に登る2パーティーの物語。 もうすぐ年末だし、同じように小窓尾根を登るパーテイーいるだろうから、その意味でも臨場感。気になってる...

山岳会の大先輩が出された山岳小説『小窓の王』読了しました! ちゃんと新宿紀伊國屋で並んでるの、見て買ってきましたよ! 本作は、年末年始の剱岳、小窓尾根に登る2パーティーの物語。 もうすぐ年末だし、同じように小窓尾根を登るパーテイーいるだろうから、その意味でも臨場感。気になってる人は、今すぐ読もう! 私自身は冬の剣は未経験ながら、小窓尾根の隣にある、池の谷は通過したことがある(春に)ので、情景もまま浮かびました。 この先は何書いてもネタバレになるので、まだの方はこの辺で本屋へGO! -------------- 以下、ネタバレ含む感想。 (著者が知り合いの作品ってなかなかないから、書くの緊張する…) まずは、山岳小説としてすごく面白かった!特に山に出てから、助かるまでは一気読みで、気づいたら2時を回ってた。そのうち小窓尾根、登ってみたい、というのが、1番の感想で収穫。 強つよクライマーとして登場する鬼島さんの記録、「エベレスト南西壁を単独登頂」ということは、「神々の山嶺」の羽生さんがもし成功してたら、という設定なのか。。?現実にはその記録出てないもんね? だとしたら、ちょっと登場人物がレジェンドすぎやしませんかね。。 そして小窓尾根に先に入っていた2人パーティー。冬の劔で、わかんもスコップもないって、それで尾根まで進めるもんなのか疑問。。トポも見てない様子だったし、山岳会に入ってるとはいえ、最近の事故のよくある例なのでは。いや、もう、この設定の段階で事故るだろこいつら、オーラがすごかった。 うちの山岳会なら、年末の小窓の計画書に、わかん、スコップ書いてなかったら、絶対ストップ入るよなぁ。 そしてこの事故に対する家族の反応。 現地で死に物狂いで努力をした人に向かって、冬山がどんなものか分からない人が、あーだこーだ、言うのは正直ムカついた。てか、そもそも事故ったのそっちの2人で、こっちは巻き込まれた側だし。 最適手を絶対に選べるとは限らないから、こうすればよかったのか、という思考と議論は大事だけど、ダメダメパーティーの2人がいなかったらそもそもこんな事故はなかった訳だから、この山行を実行したリーダーとその誘い乗った本人が悪いでしょ。ということを親にももっとわかって欲しい。専門的な部分には、部外者は口を出すべきではないと思う。 事故からビバークまで。 鬼島さん、ギラギラしてる山行歴の割に、あっけなかったなぁ。。これだけ悪運ある人なら、助かってほしかった。冬の劔はそれだけすごいってことなのか。 ルンゼと氷でなんとか戻ってきた尾根上。ヘリが来たけど、天候悪化で救出できず、というのが意外だった。 私の周りの事故では結構ギリギリのラインでも救出してるケースが多かったので、尾根上ならいけそうなのになぁ。。とか。これも劔の天気の急変はそれだけすごいってことなのか。 そして、ここからが本編の読みどころ。 2~3日ビバークを余儀なくされた2人は風を防げる場所を求めて、尾根を、登っていくのです。えー、、登るの。。。しかも、最終的に三の窓まで・・?? こないだの超軽量、爆風で視界0の1時間の八ヶ岳稜線登山道だって、ラッセルも登攀もなかったけど長く感じたのに、それを、どラッセルで、超悪天で、登攀まであって、しかも1週間分の荷物でやるのかぁ。読むだけで心が折れそうでした。笑 この判断は、実際どうなのかなぁと思ったけど。 最後に、ようやく三の窓に着いたあとも、 四六時中降り続ける雪の掻き出しとの戦いで、ほっとくとテント埋まっちゃうとは。。砂の女を思い出しちゃったよ。それより瞬間的にしんどいけど。やっぱ自然の脅威ってすげーって思ったし、これは雪山に入る時のリスクとして、改めて考えないといけないなと思いました。そんな雪があるとこなかなか行かないけど。 やっぱり山に対する感想が多くなっちゃうけど、 これは山をやってる人にしか書けない、本物の山岳小説でした。 地味な夢だけど、馬場島の指導センターに寄って、お茶出されてみたい。

Posted by ブクログ