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教員不足 誰が子どもを支えるのか 岩波新書2041
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2024/11/22 |
| JAN | 9784004320418 |

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教員不足
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商品レビュー
4.3
16件のお客様レビュー
【教員不足は四段階に整理できる】 正規が足りないのか。非正規(臨任)が足りないのか。常勤的非常勤講師とは何なのか。学校現場は穴をどう埋めるのか。 教員不足を語るなら、必読の1冊。
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学校の先生が不足しているというのはチラホラといろんな所で聞くけれど、具体的に多角的に定量的に総括的にまとまった情報を本書で初めて見て、根深さと残念さと不安を感じた。 ■教員数はどう決まるか 義務標準法などに基づき国が「基礎定数」や「加配定数」を決める。加配定数とは学校課題に応じ...
学校の先生が不足しているというのはチラホラといろんな所で聞くけれど、具体的に多角的に定量的に総括的にまとまった情報を本書で初めて見て、根深さと残念さと不安を感じた。 ■教員数はどう決まるか 義務標準法などに基づき国が「基礎定数」や「加配定数」を決める。加配定数とは学校課題に応じて年度毎に設定される。 →都道府県が教育予算や教員政策等をもとに「条例定数」を決める。 →どの学校のどの教科のどのポストの教員を何名配置するかの「予算定数」を決める。 →実際の「配当定数」が決定される。 ■いつ時点の不足か 三学期の不足数は一学期の2倍近いことも。 しかし定数調査は年度初めの数値。 ■どの地域の不足か 地域により大きく異なる。人口増加地域か減少地域か、地理的条件などにより、同じ都道府県内でも差がある。 ■どの種類の学校の不足か 割合でいうと、特別支援学級や中学校の不足感が強い。特別支援や専科など専門性が必要だと人員募集も難しい。 ■非正規教員 非正規の先生の任用区分は22種類も見つかる。種類の多さは採用の難しさを反映。 ■不足の原因 少子化、特別支援学級の増加、採用試験応募者の減少、産育休中の増加、病欠など
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結局政策が世界と逆行したんだよな…(アメリカを除く)。教職の特別さと尊さを見直さないと、学校は潰れてしまうよ。アメリカの例を見てとても怖くなった。ちゃんと給与を見直し、頭数を増やして、少し余るくらいの先生を配置してほしい。 p.103 教職の門的力量形成(profession...
結局政策が世界と逆行したんだよな…(アメリカを除く)。教職の特別さと尊さを見直さないと、学校は潰れてしまうよ。アメリカの例を見てとても怖くなった。ちゃんと給与を見直し、頭数を増やして、少し余るくらいの先生を配置してほしい。 p.103 教職の門的力量形成(professional develop- ment)に関する様々な研究では、教員の経験年数が専門職化に関わる重要な因子であることが明らかにされてきた。例えば、教職の国際比較研究で知られるアンディ・ハーグリーブスは、プロの教師として子どもの前でとっさに適切な意思決定や判断を行えるようになるためには、各国で共通しておよそ一万時間の経験(八~一〇年の勤務経験)が求められることを指摘し、それはスポーツや音楽などの領域でプロとして習熟するのに一万時間の練習量が必要であるとされる各種研究とも整合性があると指摘している(ハーグリーブス&フラン二〇二二)。経験年数の短い一〇年未満の教員が約五割を占め、そこへさらに非正規雇用教員が約三十人雇用されているX県の実態は、教職の専門性に負の影響を及ぼしている可能性を示唆している。さらに、非正規依存率の高まりとともに、教師の仕事が自由裁量労働にもとづく専門的な職 104 種から、時間によって労働管理される不安定な労働へと変化しつつあることもうかがえる。イギリスの労働経済学者ガイ・スタンディングは、「不安定な(プレカリウス)」と「労働者(プロレタリアート)」という語を組み合わせて「プレカリアート化」という造語でこの変化を表現し、鐘を鳴らしている(Standing 2014)。またアメリカのジェンダー問題を研究するマーギー・バーンズらは、プレカリアート化は一つの職業内で分断や階層化を引き起こすうえ、女性を一層不利な立場に追い込みやすいことを指摘している(Burns et al. 2019)。 教員不足の結果、いま日本の学校では、正規雇用教員と非正規雇用教員との分断が少しずつ進行し、専門職としての教職のあり方を変容させている可能性が高いといえるだろう。例えば、第1章でみた亜美先生のように、職員室で子どもの「ちょっといい姿」を話して共有したくなる先生と、「休み時間くらいほっといて」と夜のインスタ・ライブ配信のことを考えている先生との違いのように、である。 p.151 「子どもが好き」「専門的技術・知識がいかせる」である。子供と向き合い、子供が笑顔になるのを見届けたり、自分が大学で専門的に学んだ学問を教えたりして、、「精神的報酬(psychicrewards)」と呼ばれる人間的な喜びを感じられることが教職最大の魅力だった。 力だった。 p.160 中井の「食糧難とは「三日食べずにいること」ではなく、「手持ちのわずかな食糧をいつまで食いのばせばいいかわからないこと」である」という言葉は、胸に迫る。「食糧難」を「人員難」に置き換えれば、いま必死で学校現場の人員難を支えて踏ん張っている教員の心情とも、重なり合うものと言える。 p.227 総じて、教育や福祉や保健などが、なぜこれほどに軽視されるのかが大きな論点となる。 この点は、近年の持続可能な社会のあり方を模索する諸研究や、ケアの倫理に関する諸研究、フェミニズムやジェンダー研究の領域等で盛んに議論されてきた。私たちの社会では、デヴィッド・グレーバーが「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」(グレーバー 二〇二〇)と呼ぶような仕事が高収入を得られるのに対し、子育てや教育、看護や福祉などの人間をケアする仕事は、低い社会的地位に留め置かれてきた。 しかも、ケア労働の研究者ナンシー・フォーブレは、ケア労働を担う人々や、ケア労働に関わるセクターが、ケア労働を行うことで逆に、社会的・経済的に不利な立場に置かれることを、「ケア罰(care penalty)」という表現で指摘している(Folbre 2002)。 本 ロバート・パットナムが『われらの子どもー米国における機会格差の拡大』(パットナム 二〇一七) 数育社会学者の始谷職産が指摘するように、「よりましな不平等社会」を築いていくためには、誰もがきちんとした教育を受けられる機会を保障する政策や所得再配分政策が必要になるのである(苅谷二〇〇三)。
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