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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 太田出版 |
発売年月日 | 2024/10/29 |
JAN | 9784778319656 |
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商品レビュー
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過去に食したものに関するエッセイ構成なのかなと思いかけたが、帯にしっかり「憂鬱なグルメ小説」と書かれていた。たしかに食事を通したまわりの風景との奇妙な繋がりが描かれつつ、小説全体に鬱蒼とした空気感が漂い続けている。 こういう古き良き佇まいのお店は美味しいに違いないと思って入っ...
過去に食したものに関するエッセイ構成なのかなと思いかけたが、帯にしっかり「憂鬱なグルメ小説」と書かれていた。たしかに食事を通したまわりの風景との奇妙な繋がりが描かれつつ、小説全体に鬱蒼とした空気感が漂い続けている。 こういう古き良き佇まいのお店は美味しいに違いないと思って入ったら、佇まい通りの味だった、、など、記憶には美味しいものだけが残っているわけではないよなと思い返した。美味しい記憶の本と一緒に読まないとなかなか読み進める気にならないくらいは没入感があったような気がする。 ================= 誰とも競争しなくていいという環境は、どうしたって怠けが発生するものなのだと今、身をもって体感してしまった。(p.50) たとえ創作の世界であったとしても、生きているように振る舞う姿が反芻されると、その実存を見失う。忘れられることのない人間というのは、死んだことを記憶されるんじゃなくて、いつまでも生きているように錯覚させることにあるような気がした。(p.85) 適温になった油のなかに、ママは小さな生き物を逃すようにそっと鶏肉を放った。油はその瞬間から黄金色にしゅわしゅわと輝き、ぼくはそこから目が離せなくなった。そのうち、ぽん、と音がして、油がすこしだけはねる。熱い!思わず飛び退いたけれども、ママは腕にはねた油など気にも留めずに鶏肉を放流しつづける。熱くないの、と聞けば、「大人だからね」とまたにやりと笑う。いやいや、大人だって熱いだろう。答えになってないよと反論すれば、ママは今度はあっはっはと大声で笑い出した。いつもはつられて笑うことなんてないのに、今日はなんだかおかしくなって一緒に笑った。 ぼくも大人になったら、はねる油もいとわず、ひとりで揚げ物もできるようになるんだろうか。 それから、誰かのために前の晩から料理の下ごしらえをしておくことも。それが果たしてすごいことなのかとうかは、わからない。わからないけど、ただワンルームのマンションに充満するからあげの匂いが、もっと遠くまで届いたらいいのにと思った。(pp.178-179)
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美味しくない食べ物、の話。 読み進めて行くと、とあるアパートに住む住人たちがそれぞれのエピソードの主人公だった。 エピソードが、間接的に繋がってた。 東京のひとり暮らし、ふたり暮らし、など 日々代わり映えのないルーティーンと、都会の冷たさみたいなのが懐かしかった。 出てくる料...
美味しくない食べ物、の話。 読み進めて行くと、とあるアパートに住む住人たちがそれぞれのエピソードの主人公だった。 エピソードが、間接的に繋がってた。 東京のひとり暮らし、ふたり暮らし、など 日々代わり映えのないルーティーンと、都会の冷たさみたいなのが懐かしかった。 出てくる料理は確かに惹かれない。 そして各エピソードのあとにおまけで描かれている、謎のおじさんのレビューが面白かった。 読み返すことはないけど、読んで後悔もないみたいな感じ。
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