土方歳三、その実像

伊東成郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2024/08/22
• JAN: 9784309229294

商品レビュー

2024/12/18

歳三好きの歳三好きによる歳三好きのための歳三本。

それに尽きる。
かなり細かいというか、手紙とか手記みたいな史料にまめに当たっておられる。好きなもののためならの、オタク感丸出しでとってもいい。これでいいんだと思う。

だから、記述は相当偏っている。気がする。
資料に当たってそこから何を読むのかはまた別の話だし、特段、歴史について語りたいわけではない。

大好きな歳三について、歳三が好きな人と語り合いたいんだろう。

新撰組は、言われてるほど外で人を斬らなかった。
古高の有名が拷問は、永倉新八が言うてるだけで、ほんまかなあ。と。

史料が語らないことは、想像と浪漫で、筆者が語る。

会報かね。それはそれでいい感じ。

2024/10/28

項目が細分化され、その時々側面から見た歳三について考察されていて読みやすかった。

現代に伝わる彼の行動、人柄、様子については、どの書物も大した差異はないが、それぞれの考察がやはり面白い。この作者は、冷静に見ながらもかなり土方歳三に肩入れをしていて、想像の範疇を若干超えているような気もした。でも、それこそ歴史の醍醐味で、土方歳三に恋慕している身としてはありがたき文の数々でとても良い心地になりながら読み進めることができた。

最後の俳句、手紙についてはしっかり読んだことがなかった為、新しく彼を知ったような気がした。ただ、やはり私には俳句和歌の素養はないようで、良さがよくわからなかった。