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源氏供養 草子地宇治十帖 創元推理文庫
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源氏供養 草子地宇治十帖 創元推理文庫

森谷明子(著者)

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源氏供養 草子地宇治十帖 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2024/07/19
JAN 9784488482060

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2024/08/15

 デビュー作の『千年の黙』、『白の祝宴』、そして『望月のあと』と続いた平安王朝推理絵巻の完結編。ストーリー的には、第1巻の『千年の黙』のエピローグに繋がっている。  紫式部(香子)は既に出家し、宇治にある寺の庵で暮らしていた。そして、すぐ近くには藤原道長の別荘があり、その近辺で...

 デビュー作の『千年の黙』、『白の祝宴』、そして『望月のあと』と続いた平安王朝推理絵巻の完結編。ストーリー的には、第1巻の『千年の黙』のエピローグに繋がっている。  紫式部(香子)は既に出家し、宇治にある寺の庵で暮らしていた。そして、すぐ近くには藤原道長の別荘があり、その近辺で事件(?)が起こるのだが…    本作は香子が宇治十帖を書き上げる話と、彼女に以前仕えていた阿手木が遭遇した刀伊の入寇の話がメインとなっている。この時、阿手木は太宰府の権帥となった藤原隆家の家人源義清の妻として、九州へ共に赴いている。    本作では、源氏物語の中でも作者別人説が強い「匂宮」、「紅梅」と「竹河」の三帖についての作者なりの「解答」が示されており興味深い。また、以前の三作に登場したした人物も幾人かでてくる。しかし、これら三作にある彼ら彼女らのエピソードを読んでいないと分かりにくいと思える。三作を読むことをおすすめする。  また、香子の娘賢子も彰子太皇太后の女房として出仕しており、その後もかなりの出世をすることになる。その処世術の片鱗が伺えて面白い。

Posted by ブクログ

2024/07/24

『千年の黙』『白の祝宴』『望月のあと』に続く、シリーズの最新刊にして完結編 こちらのシリーズ作品を読むのは久しぶりですが、香子(紫式部)の万事控え目で悩みが多く、しかし周りの人への細やかな気遣いをし、己の書くものに情熱を密やかに燃やす姿が変わらずとても好ましいし、紫式部として想像...

『千年の黙』『白の祝宴』『望月のあと』に続く、シリーズの最新刊にして完結編 こちらのシリーズ作品を読むのは久しぶりですが、香子(紫式部)の万事控え目で悩みが多く、しかし周りの人への細やかな気遣いをし、己の書くものに情熱を密やかに燃やす姿が変わらずとても好ましいし、紫式部として想像する人柄にすごく馴染む造形が相変わらず好みです 1019年頃の、すでに出家をし宇治の庵で暮らす彼女が“宇治十帖”を書き上げるまでの話と、香子の元女房で太宰府の帥(長官)となった藤原隆家の家人の妻となっている阿手木から見た“刀伊の入寇”への防衛戦の物語 『小右記』に実際に記載されている文と宮中での出来事を合わせて語る藤原実資の幕間 源氏物語の本編と宇治への合間の章である“匂宮” “竹河” “橋姫” の別人執筆説への本書ならではの異説の提示 宇治の作中の大君と中君の姉妹が別の道をたどる物語や異母妹の浮舟の登場まで、香子が得た執筆の元となる事件なども、要素が実に多岐にわたり、そんな情報量の多さを端正に語って紡いでくれる巧みさに惚れ惚れします すでに『源氏物語』の作者として高名な名声を得ている香子だけど、物語が人に与える影響に幾度も悩み、それと同時に所詮は絵空事の読物などとるに足らない物である視点も示されるし、またこの時代の末法思想では、人の心を捉えて惑わす物語を書くことは罪深い行為であるとする価値観とも接することになる でも、物語の持つ力を、それを愛してやまない心を、何よりも“書きたい”っていう意志を抱いて綴るその姿がたまらなく素晴らしい 既出のこれまでの三作品を読んでいると嬉しい人物の再登場もあるし、何より源氏物語好きにはたまらない読み解きが平安時代の推理ものとして昇華されてるから凄く好きなシリーズです その一方、源氏物語と既刊三冊を読んでないと分かりにくいことは多々ある話なので人にオススメするのはハードルが高いです そしてガチのミステリマニアにしてみたらミステリ要素は弱めなところは頂けないと思われる でも『源氏物語』のファンからすると、こういうのが読みたかったんだよ! が凄く叶えられている作品シリーズだから大好きなんです 細かい話ですが、香子の娘の賢子がその名の通りの賢さと(おそらく実父似の)朗らかで仕事のできる宮廷人ぶりで微笑ましいし、シリーズを通じて時折ちょっとずつ登場する清少納言の消息も面白いです 香子と絶対に気が合わん感じがひしひしと伝わります その度にニヤニヤしてまう あと余談ですが、この本の前に読んだ作品でも、書いたものが現実にあったことや実在の人物を参照しているのではないか? と推測される(時に非難をうける)場面があったのですが、舞台も作風も年代すら飛び越えて、文章と現実の因果関係は切り離せないし相互に干渉しあうことも多々あるのだと改めて感じました

Posted by ブクログ

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