新プロジェクトX 挑戦者たち(1) 東京スカイツリー カメラ付き携帯 三陸鉄道復旧 明石海峡大橋 NHK出版新書723

NHK「新プロジェクトX」制作班(著者)

• 販売会社／発売会社: NHK出版
• 発売年月日: 2024/07/10
• JAN: 9784140887233

商品レビュー

2025/05/03

田口トモロヲさんの特別エッセイで、「誇り高き無名の人々」「普通にいい顔」と登場する人々のことを表現していて、映像ではなく本を通して改めて読んでみるとたしかにそうだったなと思えた。「大切なのは、出会った使命に全力を尽くすこと」と田口さんが番組を通して教わったとあるように、静かな全力な人々がたくさん登場した。

たとえば、スカイツリー工事の鉄骨屋が言う「鉄は生きています」という言葉が印象的だった。鉄を曲げる時の誤差をプラマイ6ミリ以下に抑えるという精密さは、この番組でたくさん語られてきた。鳶職が高い塔の上から見る雷の表現で「雷鳴と稲光は、真横から襲ってくる」といっている。これもとんでもない世界だ。
一方で、別々の会社が入り乱れる現場で、花見の宴がきっかけで雰囲気が柔らかくなる様子を見ていると、21世紀でも大きくは変わらないものもあるんだなと思える場面だった。

スカイツリーにしろ明石海峡大橋にしろ、着工中にそれぞれ東日本大震災・阪神淡路大震災に見舞われているし、三陸鉄道はその復興の話であったりする。地盤ごと橋の基礎が動いたり、塔の上で5メートルの横揺れに直面したりと、命の危険と隣り合わせの中でどのようにプロジェクトを進めていくのかということが、映像以上に臨場感がありながら読み込んでしまった。

三陸鉄道が震災後5日で一部区間再開したという話は「あまちゃん」でも出てきたりして聞いたことがあったが、その後の全面復旧の道のりの険しさはこの映像や本文を見ないと分からないことも多かった。「震災から1年、2年と過ぎ、「風化」という言葉が聞かれるようになった。しかし、三鉄の人たちは元の日常を取り戻すため、必死に戦い続けていた（p.161）」という話が頭に残る。

映像でのプロジェクトＸも面白いけれども、本で読むとまた違った臨場感があった。ドキュメント72時間もそうだけれども、無名の、しかしここで生きているという人たちの話を知ることができるような番組や本がもっとたくさん広まればよいのにと思う。

2025/01/08

スカイツリー、カメラ付き携帯、三陸鉄道復旧、明石海峡大橋の4本を収録。背水の陣で難課題に挑み、逆境においても自身の技術や信念を信じてやり切った職人達の姿を見て、胸が熱くなった。

子供の頃は、まだプロジェクトXの面白さは分からなかった。大人になり、仕事で様々な葛藤や苦挫折を経験してから見ると、「まだまだ自分も頑張れる」と励まされる気持ちになる。

2024/08/21

１東京スカイツリーをテレビで視聴したため購入しました
未知の経験してきた挑戦者たちの物語だからこそ勇気をもらえる