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スマホ片手に文学入門 検索で広がる解釈の楽しみ方
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 笠間書院 |
発売年月日 | 2024/06/25 |
JAN | 9784305710161 |
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スマホ片手に文学入門
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
筆者は河合塾などで現代文の講師を務めてきた人とのこと。 しかし、本書は問題を解くための読み方ではなく、あくまでも文学作品を解釈である。 背後にあるのは、デリダ的な手法。 そして、分析対象は以下の三作品。 ・芥川龍之介「ピアノ」 ・梶井基次郎「桜の樹の下には」 ・宮沢賢治「やまなし...
筆者は河合塾などで現代文の講師を務めてきた人とのこと。 しかし、本書は問題を解くための読み方ではなく、あくまでも文学作品を解釈である。 背後にあるのは、デリダ的な手法。 そして、分析対象は以下の三作品。 ・芥川龍之介「ピアノ」 ・梶井基次郎「桜の樹の下には」 ・宮沢賢治「やまなし」 「スマホ片手に」というのは、まずこれらの作品が青空文庫から取られていたり、本書の中で始終オンライン辞書を参照することからきている。 たしかに、いずれも戦前の作品だから、文化的背景などこまめに載っているのはありがたい。 細かいところでは、そうなの?と思う部分もある。 例えば、「桜の樹の下には」の最後、筆者は「俺」と「村人たち」の二項対立。 「俺」は狂気にとりつかれ、一方「村人たち」は常識的な世界に生きている…とあるのだけれど、「村人たち」は最後の一文に突然出現し、何の情報もない。 「常識的」と外部から張り付けたタグにより、二項対立がある、とするところでついていけなくなった。 その上で、その「二項対立が崩壊を予告されたもの」と言われてもなあ。 もともと二項対立でなかったとすれば、崩壊するも何も…と思えてしまったりする。 「やまなし」も、「教師の世界観を超えて、学びを続け、世界に対する認識を深めていってほしい」というメッセージを読みとっていくのも、ついていけなかったところ。 筆者の見解の妥当性が問題というよりも、もうこれは単にセンスの違いなのだろう。 自分にとってはそんなに教育的に読みたいとは思えず、生理的に受け入れられなかった。 文学研究って、そういうものなの?
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すごくいい本だった。スマホ時代の調べ学習の理想形の一つだと思う。調べるための調べではなく、解釈のために調べたことを利用していく。ただ、調べて「へー、そうなんだ」で終わるのではなく、あくまで、小説を解釈するために調べるという目的があるからこそ、「へー、そうなのか。ということは……」...
すごくいい本だった。スマホ時代の調べ学習の理想形の一つだと思う。調べるための調べではなく、解釈のために調べたことを利用していく。ただ、調べて「へー、そうなんだ」で終わるのではなく、あくまで、小説を解釈するために調べるという目的があるからこそ、「へー、そうなのか。ということは……」という風に、調べて終わりにならない。思考するための検索とは、こういうことだと思う。 ネットの情報には嘘が含まれていることがある、といった話は未だに聞くことがあるが、そういった中でも、出典が明確で信頼に値する情報はたくさんある。「コトバンク」や「ウィキペディア」といった手軽に検索ができて、使い所をきちんと理解しておけば、正確な情報を得られるツールをうまく使いながら解釈をしていくのは、本当にいい。真似したい。 本書の中で分析されているのは、芥川龍之介『ピアノ』、梶井基次郎『桜の樹の下には』、宮沢賢治『やまなし』のすぐに読める掌編三編(これも引用元は「青空文庫」、スマホですぐに検索できる)。スマホ検索で言葉を調べながら解釈をしていくのだが、分析の単位が細かい。とっても短い掌編だからこそ、一文一文を丁寧に検討していく。読み込むということが、いったいどういうことなのか、ものすごく端的に示してくれる。解釈自体も、二項対立の解釈コードを示していく手堅い分析で、本人が言うほど、異常な飛躍はないので、好き嫌いは分かれても、一つの解釈として納得できないみたいなことはないのではないかと思う。 文学すること、解釈することのイメージがあまり分からない人に読んでほしい。小説って、こんな感じに読めるんだということ、スマホってこういう使い方をすると、賢く使えるんだということ。そういうことがよく分かる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わたしが得たメッセージは。 読解とか面白くない、自分の思った通りに読ませてほしい、と思っていた小学校の自分に渡してあげたい本だった。気軽な気持ちで文学理論の世界を覗かせてくれた。 懐かしいクラムボンの解釈が第3章で出てくる。クラムボンは何か、という問いをクラスで話し合ったことを覚えている。しかし今読み直すと、あの頃はなんとなくで考えていた「クラムボン=泡」に説明ができるのだ。これはその後の国語の授業やそのほかの授業で、根拠を示しながら理由を述べることを学んだからだと思う。著者も解釈はゲームだがルールは根拠を示すことだと述べている。ゲームはルールがあるから面白い。理由をうまく言えなかったあの頃よりも解釈ゲームが楽しくなったのはそういうことだ。 とすると、スマホで調べながらでいいよ、というのは大変重要な指示だ。文学が面白くないのは、すなわち、読み解くコードに気付けないから、例えば「月の光」にどんな意味があるかわからないから、だとしたら。たくさん読む人の方が読むのが面白くなるというのはそうやって使えるコードが増えるからだ。では、1年に1回、読書感想文の課題でしか本を読まない人が自由自在に解釈を楽しめるかというと、それは難しいだろう。 「すべては作者の匙加減」では面白くないと著者は言う。でも、あまりに情報が多くて、自分にはよくわからないコードがあるように思えるから検索してみる。するとそこには誰かの考察がある。でもそこについたコメントが否定する。作者はそんなこと考えてないよ。作者の意図とはどうせ違うんだから。 そうではなくて、それはそれでひとつの解釈。たったひとつの正解なんてない。芥川は「秋雨」にそんな意味を込めていなかったかもしれないけど、「秋雨」にはたくさんの意味がある。無意識がその言葉を選ばせたのだとしたら。そうやって深読みすることが楽しくなれば、もちろん根拠を示しながら、その根拠は作者に寄ったものでもよいので、自分で色々考えてさらに文学は楽しくなるだろう。 というように、この本を読んだ自分は思うのだった。
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