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山伏ゲノム aiiku books
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 愛育出版 |
発売年月日 | 2024/05/07 |
JAN | 9784911091098 |
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山伏ゲノム
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商品レビュー
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者とは月イチの音楽セッションでお会いする間柄で、その際に発病から入院中の事などを簡単に伺っていた。中でも「そこにあるはずの無いものが見えた」という事には興味をそそられ、それらを書き記したという本書を拝読するのを楽しみにしていた。 私は この世は目に見えない霊的な存在に支えられている と思っており、著者には「どの様な霊が見えたのか?」と興味津々だったのだ。 しかしながら、著者が病室で見たものは 霊的存在 ではなく、奇妙な風景や家具、竹カンムリの付いた無数の漢字、或いは通常では有り得ない視座や視点、既に違う所に居る看護師がいつまでも「そこ」に居る様に見えた という時空の超越などであった。 想像していたものとは違う「幻覚」ではあったが、 大手術の後で幻覚を見る患者が多いという看護師の言葉。 澁澤龍彦さんという文筆家のエッセイにも 都内の病院で幻覚を見たという記述があったこと。 おそらく関東大震災の日と思われる日付の位牌が無数に並んでいたこと。 ICUを出た途端に幻覚が消えたこと。 など、とても興味深い内容が綴られていた。 またタケカンムリの漢字には違う意味で興味をそそられ、何か意味があるのでは?と思った。 私は中医学(漢方)を学んでいるが、漢方の生薬の名前には「草かんむり」の付くものが大変多いからだ。 茯苓、荊芥、茵蔯蒿、茴香等々、、 ところがタケカンムリにはオチがあった、、 「クワガタの角」だったのだ。 無数の漢字と同じだけのクワガタ虫がそこに居たかと思うと、幻覚とは言えゾッとさせられる。 私は普段から小説の様なものは読まないため著者の様々な比喩を用いた表現にも感心させらせた。 「餓鬼草子から出てきたゴブリンのように 私は意識と阿頼耶識のちょうど真ん中あたりにうごめいていた」 「ミハルカス遠き山々 ふもとから苦しき息を吐き登り来る老骨の車体」という表現や、看護師に言いたいことが伝わらない歯痒さを「全能の大人に対して言葉の無い赤ん坊が原始的に抵抗するように、、」と例えるなど、知識 見識 膨大なボキャブラリーが無ければ到底出来ない事のように思われた。 また文章全体に躍動感があり、著者の心情、、戸惑い、焦り、苛立ち、情けなさ、無力感、意欲などが随所から伝わって来るのも良かった。 そして本書の中で私が一番「凄い!」と思ったのは、平安時代の絵巻物「小法師の幻覚を生ずる男」の中に著者が病室の床に見たものと酷似したものが描かれていた!ということだ。 これは著者が退院後に図書館で見つけたものであるため、予備知識(記憶)があって平安時代に描かれたものと同じ幻覚を見た訳では無い。 また、その様な絵巻物を探し当てたことにも感服する。 著者とは今後も音楽セッション等でお付き合いさせて頂く事と思われる故、取り留めた「生命」の赴きに逆らうことなく あるがまま を全うし、心身ともに緩やかに健やかであって欲しい と願う。
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