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わたしは孤独な星のように
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わたしは孤独な星のように

池澤春菜(著者)

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わたしは孤独な星のように

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2024/05/09
JAN 9784152103284

わたしは孤独な星のように

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2024/06/11

池澤春菜「SFのSは、ステキのS+」に続く2冊目。初の小説集という。先に出典(初出一覧)を見たら、幾つかは既に読んでいる。最近偶然ではあるが、2回読むことでその作品の真価を再認識できることが判ったのでしっかりと読んでいきたい。久々に、作品を個別に語りたい。 「糸は赤い、糸は白い...

池澤春菜「SFのSは、ステキのS+」に続く2冊目。初の小説集という。先に出典(初出一覧)を見たら、幾つかは既に読んでいる。最近偶然ではあるが、2回読むことでその作品の真価を再認識できることが判ったのでしっかりと読んでいきたい。久々に、作品を個別に語りたい。 「糸は赤い、糸は白い」 ステキS+で既に読んでいる。本作品で池澤春菜の素晴らしさに感動し、次の作品を読みたくなった訳だからこの本を買うことは自然な事。今回読むのは2回目なのだが、当然のごとくこの作品の評価は最上級に推したい。所謂、GLSF作品なのだが、GLとSF(マイコパシー)のバランスが良い。最近GL作品を読む機会が多くなってきたので目が肥えてきたかも。この作品を冒頭に持ってきたことで、本書を手に取った読者は池澤春菜の推しになること間違いなし。 「祖母の揺籠」 本作品は2084年のSF(ハヤカワJA)で読んだはずなのだが、読んだ記憶が無い。たぶん2084年で私の心に刺さらなかったのかもしれない。同じジャンルである上田早夕里の「オーシャンクロニクル」シリーズと比べるとどうしても見劣りしてしまうからだ。私が上田作品を知らなければもう少し評価が上がったかもしれない。 「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」 とても面白い作品、宇宙に行くまでは。宇宙以降はSFで最近多くなっているドタバタへSFへと向かう。実に惜しい。最後を何とか打開して作品を締めることができれば良かったのだが。 「いつか土漠に雨の降る」 本作品はなかなかの秀逸な一品となった。基本的なファーストコンタクトものなのだが、視点・発想が優れている。とてもサイエンスな作品なので、とても作品にのめり込むことができた。ビスカチャの(美化した)イラストがあればいいのになぁと思った。読者に将来の方向性を考えさせる手法はなかなか心地良い。 「Yours is the Earth and everything that's in it」 これもWIREDで既に読んでいた作品。よくある同時並行ストーリーもの。2067年、2040年、2038年の三元建て。AIに関しては批判的な作品が多い中、本作品は数少ないハッピーエンド。終り良ければ全て良し。AIと人間との融和性に新たな一面を投げかけた作品と言える。 「宇宙の中心でIを叫んだワタシ」 「あるいは脂肪」の続編という立ち位置。「声俑」という新しい要素を加えてみたものの、基本路線が「脂肪」を引き継いでいるので、どうも作品にのめり込めない。実に面白い作品であることは間違いないのだが。惜しいな。 最後に、表題作である「わたしは孤独な星のように」 さすが表題作に位置するだけのことはある。池澤春菜がエクセレントなSF作家であることをものの見事に証明した作品だ。もうちょっと長ければ、より作品の良さが顕れてくると思うのだが。個人的にはなかなか上品なSF作品と言いたい。 今回の作品は、ゲンロン大森望SF創作講座がらみのものが多いが、もうちょっと様々な媒体に作品を投稿して武者修行をすれば、または思い切ってシリーズものに手を広げるか、積極的に御自分の作品を売り込めば大化けするのではと予想する。まあ、お忙しい方なのであれこれ多くを求めることは避けるが、少なくとも大森望から卒業して作品に磨きをかけて欲しい。

Posted by ブクログ

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