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ハイブリッド戦争 揺れる国際秩序
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 並木書房 |
発売年月日 | 2024/05/02 |
JAN | 9784890634477 |
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ハイブリッド戦争
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ハイブリッド戦争
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ハイブリッド戦争の最新状況を把握すべく手に取った。ハイブリッド戦争といえば、以前に読んだ廣瀬先生の本があるが、本書はロシアだけでなく、中国・イランといった権威主義国家も対象としており、より普遍的に分析した本といえるだろう。 筆者の書き振りは、時に大胆で、ややもすれば同業者(国際...
ハイブリッド戦争の最新状況を把握すべく手に取った。ハイブリッド戦争といえば、以前に読んだ廣瀬先生の本があるが、本書はロシアだけでなく、中国・イランといった権威主義国家も対象としており、より普遍的に分析した本といえるだろう。 筆者の書き振りは、時に大胆で、ややもすれば同業者(国際政治学者)の反感を買いかねない切れ味で(特に第4章第2節)ひやひやするのだが、あとがきを読むと、やはりという感じも。 筆者のロシアのハイブリッド戦争に関する分析は、最新状況も考慮されており、大変参考になったのだが、ドゥーギンの思想がどこまでロシア政権内部で真剣に捉えられているのかわからないところがあり、なおかつ核抑止理論に関しては国際政治学理論通りのところもあるので、なんともいえないところ。 また、ハマス・イスラエル情勢に関して、筆者は、イランによるハイブリッド戦争と断定し、情報戦でイスラエルが後手に回った要因として、国際社会に蔓延する根深いユダヤ陰謀論を指摘しているが、それはイスラエルの自業自得の側面もあり、あまり同意できない。 おわりのハイブリッド戦争に対する日本の対応に関しても、若干事実の羅列感があり、物足りなさを感じた。 以下、備考。 ・【p.17】ハイブリッド戦争は、武力攻撃(「戦争」「有事」)に至らない段階、すなわち「グレーゾーン」から「平時」における民主主義社会をターゲットにした権威主義諸国のさまざまな工作活動や国際秩序における現状変更の試みを意味する。 ・【p.43】露参謀本部軍事アカデミー副総裁スリプチェンコ「非接触戦争論」 ・【p.44】ドゥーギン「ネットワーク中心戦争論」。同氏によるところの「ネットワーク」とは、民族・宗教といった「自然のネットワーク」とNGOといった「人工のネットワーク」で構成され、米国はこれらネットワークを通じて露の政治体制の破壊を目論んでいると理解 ・【p.52】「コンピュータ・ネットワークに対する攻撃(CNA)」、「コンピュータ・ネットワークの搾取(CNE)」 ・【p.56】反射統制とは、「あらかじめ巧妙に作られた情報を敵対者に伝えて、当事者が望む意思決定を敵対者に自発的に行わせること」。露は多様な経路を通じて露のナラティブを拡散し、それが少なくとも一部の西側メディアに取り上げられることが重要。露のナラティブが様々な場で議論され、露の行動に同情的な世論を西側社会内部で形成 ・【p.58】偽情報の拡散に対してはファクトチェックで無力化可能だが、ナラティブが組み合わさると、事実を争うファクトチェックとは違う次元の対処が必要 ・【p.59】世論や意思決定を敵対勢力に有利な方向へ誘導する者は、「インフルエンス・エージェント」、中でも自覚がない者は「使える馬鹿」もしくは「デゥープス」 ・【p.67】GRU26165: 暗号解読とハッキング、サイバー諜報が専門。GRU74455: 諜報活動で得た機密情報や偽情報をSNS上で拡散する影響工作 ・【p.80〜】日本に対する情報戦協力容疑者: 鳩山、鈴木宗男、佐藤優、篠原常一郎、(手嶋龍一)、馬渕睦夫、副島隆彦、一水会、孫崎享、和田春樹、羽場久美子、伊勢崎賢治、田原総一郎 ・【p.87】ジョージ・ソロス陰謀論の起源は、外部勢力の干渉により天安門事件が起きたとしたい北京政府が、同時期に中国内で市民社会を形成する事業をしていたソロスをスケープゴートにした ・【p.89】「ちょっと何言っているか分からない」にはワロタ ・【p.95】日本においては民族派右翼や保守派の一部が露の「影響力の代理人」を演じていたり、商業右翼や保守、そして左翼の反米イデオロギーに基づく言論活動や「平和活動」が露のナラティブを拡散・強化している現状 ・【p.112】ハードパワーは、軍事力や経済力を背景に威嚇や報酬をちらつかせながら相手に影響を与える力。ソフトパワーは、魅力などを力の源泉に、他国を無理やり従わせるのではなく、自国が望む結果を他国も望むようにする力。シャープパワーは、情報などを意図的に操作したり偽情報を拡散したりして、対象国に深く入り込み、混乱を引き起こすことを狙ったもの(対象国のネガティブな印象を植え付けるのが狙い)。 ・【p.125】中国の「人類運命共同体」構想を習近平のマルクス生誕祭の発言を基に、ウェストファリア体制の打倒と中国主導による新たな秩序の構築と捉えるのは、若干飛躍があるような
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