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残らなかったものを想起する 「あの日」の災害アーカイブ論
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 堀之内出版 |
発売年月日 | 2024/03/11 |
JAN | 9784909237927 |
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
全てに賛意を示すわけではないが、非日常となってしまった契機のものごとをどう「想起」するようコンセプトを設定するかを様々な事例で明らかにしていて、意義の高い書籍だった。さまざまなアプローチから「アーカイブ」の「利活用」が存在しており、それも多層的にありうるわけであり……3.11に限...
全てに賛意を示すわけではないが、非日常となってしまった契機のものごとをどう「想起」するようコンセプトを設定するかを様々な事例で明らかにしていて、意義の高い書籍だった。さまざまなアプローチから「アーカイブ」の「利活用」が存在しており、それも多層的にありうるわけであり……3.11に限らず、さまざまな「ひと」のためのアーカイブを考え続けるのだろう、私も。
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「本書は、想起をめぐるアクションを「語り」、「写真」、「絵画」などのメディアごとにまずは並べてみることで、「残ったもの」から「残らなかったもの」を想起するという「災害アーカイブ」のねじれた試みをパフォーマティブに検討する企図のもとにつくられた(p.5)」 阪神・淡路大震災と東日...
「本書は、想起をめぐるアクションを「語り」、「写真」、「絵画」などのメディアごとにまずは並べてみることで、「残ったもの」から「残らなかったもの」を想起するという「災害アーカイブ」のねじれた試みをパフォーマティブに検討する企図のもとにつくられた(p.5)」 阪神・淡路大震災と東日本大震災のあと、多くの人々によってそれぞれの現場で、実に様々なメディアを用いて「災害アーカイブ」が構築された。それらは映像や計測データ、記録文書などの公文書として公式に記録保存=アーカイブされてきた形式のものとは異なるものもあるが、その実践を通じて、巨大で複雑な出来事である災害の実相を、それぞれに捉えているものだった。 実践者の切実さはどれも胸が詰まるばかりだが、私のよく知っているメディア領域の記事、たとえば復元模型や災害遺構についてのものについては、おおいに納得するところがあったし、知らない分野、とりわけラジオ放送記録を朗読するという「演劇」の記事などは、驚きつつ共感しつつ読んだ。 災害の現在をとらえ、未来に届けるための実践の方法はこの他にもあるのではないか、とおもわれた。願わくは「未災」の来たるべき当事者たちに、この実践の記録が届きますように。 編者の高森順子による『震災後のエスノグラフィ』も読もうと思う。
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