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死んでから俺にはいろんなことがあった
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2024/03/05 |
JAN | 9784863856035 |
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商品レビュー
3
4件のお客様レビュー
すべて1人称の視点で物語が進むため、主人公の混沌とした思考がそのまま自分の頭の中に入ってくるような、新鮮だが妙な感覚がありました。 自分の妻を良い女だと褒めたり、疑心暗鬼になって“クソ女”と頭の中でつぶやいたりする主人公の情緒不安定っぷりがもどかしかったです。 馴染みのない土...
すべて1人称の視点で物語が進むため、主人公の混沌とした思考がそのまま自分の頭の中に入ってくるような、新鮮だが妙な感覚がありました。 自分の妻を良い女だと褒めたり、疑心暗鬼になって“クソ女”と頭の中でつぶやいたりする主人公の情緒不安定っぷりがもどかしかったです。 馴染みのない土地に移住し、自分の家にすら帰れないという状況が彼をそうさせるのでしょうが、あまり感情移入はできませんでした。
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海外に行って「こんなことになったらどうしよう」と妄想する不安を事細かく書いてくれてる感じ。 文章もカジュアルで読みやすく、登場人物が謎の親近感を覚えさせるところがあり、さくさく読めてしまう。 奇妙に親しみやすい作品。
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作者はポルトガル人だが、アンゴラ生まれ、現在は東京在住。 誕生当時、アンゴラはポルトガル領。アンゴラ独立により、幼少時にポルトガルに「帰国」したという経歴である。 本作、ちょっとぎょっとするタイトルだが、この「死んで」は、「社会的な死」を意味する。 「くに」で何らかの不祥事を起...
作者はポルトガル人だが、アンゴラ生まれ、現在は東京在住。 誕生当時、アンゴラはポルトガル領。アンゴラ独立により、幼少時にポルトガルに「帰国」したという経歴である。 本作、ちょっとぎょっとするタイトルだが、この「死んで」は、「社会的な死」を意味する。 「くに」で何らかの不祥事を起こし、そこにいられなくなった主人公は、妻子を連れて「島」に不法入国した。けれども「島」では言葉が通じない。しっかり者の妻は何とか仕事を見つけるけれど、彼にはなかなか見つからない。頼みの綱は携帯電話。仕事なりなんなり、良い知らせがあるのを待っている。 ある日、「島」で買い物に出た一家は、地下鉄の故障で、まったく知らない場所で降ろされてしまう。 家に帰れない。 家に帰れなければ、妻は仕事にも行けない。 どうすりゃいいんだ。 不法入国者なので、警察にも頼れない。 一家は右往左往する。 物語の語り手は主人公=「俺」で、大半は「俺」のぐだぐだの愚痴である。 そもそも「くに」を出るきっかけになったのも彼のせいで、妻には頭が上がらない。 だけど、「俺」はよかれと思ってやったんだよー。「くに」でだってそうだ、「島」でだって、なんだってこうすりゃいいと思ってやってるのに、なんかうまくいかねぇんだ。 そんな男の脳内のつぶやきにつきあいながら、あらあらこの一家はどうなっちゃうの?と読者も一緒に彷徨う。 「異国」の地。言葉もわからない。仕事にもついていない彼は、「島」の人々にとってはいないも同然だ。けれど、彼は確かに生きていて、どうにかしようともがいている。 生活力があるとはいえないが、妻と子への愛は確かで、人並みに生きようという気持ちはあるのだ。 いささか笑ってしまうのだが、あまりの不運の連続に憤慨した彼は、ついに「神を殺す」。 いや、具体的に何かをするわけではない。ただ、彼の脳内の神を殺すのだ。 こんなに助けてくれない神様なんて、もう信じない。 ごまめの歯ぎしり的な復讐で、何だかちょっとおかしいけれど、でも一方でどこか共感もしてしまう。 さて、いろいろあった挙句に、一家は結局、警察に関わることになってしまうのだけれど。 物語の結末は読者の手に委ねられる。 しっかり者の妻がいつ彼を見限ってしまうのか、ハラハラしながら読み進めたけれど、さて、妻は彼とどこまで一緒にいてくれるのだろうか。 一家の行く先に幸福があるとよい。そこに「神」がいなくても。
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