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ツンドラの記憶 エスキモーに伝わる古事
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 閑人堂 |
| 発売年月日 | 2024/01/18 |
| JAN | 9784910149059 |

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商品レビュー
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梨木香歩さんの本から見つけた一冊。 北方民族は、動物と人間の区別がなく、動物と兄弟、または結婚したりすることもよく描かれる。 ここでも動物の皮をめくると人間が現れたり、人間と狐が半分ずつの顔をした、亡くなった叔父などが出てくる。 シャーマンは、言葉と補助霊の力を借りて、恐ろしい...
梨木香歩さんの本から見つけた一冊。 北方民族は、動物と人間の区別がなく、動物と兄弟、または結婚したりすることもよく描かれる。 ここでも動物の皮をめくると人間が現れたり、人間と狐が半分ずつの顔をした、亡くなった叔父などが出てくる。 シャーマンは、言葉と補助霊の力を借りて、恐ろしい自然や動物たちから身を守ることもできた。 意味のない世間話のような話もあるが、それでさえ、大切な記録になっている。 北方民族の持つ世界観は、常に現実的である。 極限の環境で生まれる物語は、動物を糧としても、その魂を敬い、丁寧に扱う。シロクマに対する、アイヌのカムイノミによく似た儀式も描かれている。 「魂」はイヌイット語で「イヌア」(ユピート語では「ユア」)という。アイヌ語の人間を意味する言葉と似ていなくもない。イヌアの宿る存在として、人も動物も、あらゆる生き物は対等であると考えている。魂を疎かにしないよう、タブーが作られ、それを犯せば生きていく糧も手に入らない。 北方に生きる人たちの世界観に、なぜか惹かれてしまう。 八木清さんは写真家で、実際に5月のユピートの村を訪ねている。(写真も素晴らしい!)何年のことかわからないが、おそらく最近のことだろう。そこで聞いた話がひとつ、あとがきに収められている。 この本の物語や聞き書きは、デンマークの人類学者で探検家だったクヌート・ラスムッセンの著書からの抜粋で、1921〜1924年頃の記録が最大の功績とされているから、もう随分前に語られた話なのだ。 八木さんは、エスキモーたちの言葉は今世紀中に消滅してしまうだろう、と述べている。 これはエスキモーに限らず、世界中の少数民族に当てはまることだ。 物語は、彼らの言葉の中でこそ生きる。失われたものは、取り返せない。
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各国、各民族の神話や民話を読むのが好きだ。エスキモーのものは読んだことがなかったので、楽しみに読む。語られるのは神話や民話というほどしっかりした構造を持った話ではなく、歌や詩に近い。挟み込まれたモノクロの写真と一緒に味わうと、暗くて冷たいツンドラをふわりと旅しているような気分にな...
各国、各民族の神話や民話を読むのが好きだ。エスキモーのものは読んだことがなかったので、楽しみに読む。語られるのは神話や民話というほどしっかりした構造を持った話ではなく、歌や詩に近い。挟み込まれたモノクロの写真と一緒に味わうと、暗くて冷たいツンドラをふわりと旅しているような気分になる。 収録されている話は、主にデンマークの人類学者であるクヌート・ラスムッセンの著作から選んだものらしい。オリジナルも読んでみたくなった。
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エスキモーに伝わる神話のような昔話のような物語を、現地の写真とともに味わう。 ここでいうエスキモーは、カラーリット(グリーンランド)、イヌイット(カナダ)、イヌビアット(アラスカ西部・北部)、ユピート(アラスカ南西部)の総称である。 ごく短い物語が15編。主に、デンマークの探検家...
エスキモーに伝わる神話のような昔話のような物語を、現地の写真とともに味わう。 ここでいうエスキモーは、カラーリット(グリーンランド)、イヌイット(カナダ)、イヌビアット(アラスカ西部・北部)、ユピート(アラスカ南西部)の総称である。 ごく短い物語が15編。主に、デンマークの探検家・人類学者、クヌート・ラスムッセンの著作から選ばれている。ラスムッセンはグリーンランドに生まれ、イヌイット語にも堪能であり、調査に訪れた先々で、イヌイットから「ホワイト・エスキモー」と呼ばれ信頼されていたという。20世紀初頭にグリーンランドやカナダ・アラスカのエスキモーの研究を行い、その基礎を築いた人物である。 物語は、世界の始まりや、人間と生き物の関係、精霊たちにまつわるものが多い。どこか謎めいて、詩のようでもある。 動物と人との距離が近く、関係も濃い。 アイヌ神話も思い出させるような手触りである。 大地とつながり、世界とつながり、ほかの生き物たちとつながり。それは理屈ではなく、肌感覚のつながりである。 「あとがきにかえて」で触れられているように、そんな神話とも伝承ともつかない物語は、実のところ、今でも生まれている。体験、あるいは空想なのかもしれないけれど、そこに暮らす人が確かに「見た」と思うエピソード。そうした物語のあるものは語り継がれ、あるものは忘れ去られていく。 残るものは、太古の誰かの「記憶」を後の世に伝えていく。 そんな不思議な、でもどこか懐かしい物語である。
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