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シン・経済学 貧困、格差および孤立の一般理論 帝京新書004
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 帝京大学出版会/星雲社 |
発売年月日 | 2023/12/11 |
JAN | 9784434331893 |
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シン・経済学 貧困、格差および孤立の一般理論
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著者の小島寛之は大学等の公的な機関を通してでなく、私的な形で宇沢弘文の薫陶を受けたという。本書では宇沢愛が溢れ、つまりは社会的共通資本を通じた公共経済学に関し、新たな視点や基本的な考えが記述される。更に、宇沢弘文の弟子である石川経夫に師事したエピソードも。私も宇沢派こそ経済学の向...
著者の小島寛之は大学等の公的な機関を通してでなく、私的な形で宇沢弘文の薫陶を受けたという。本書では宇沢愛が溢れ、つまりは社会的共通資本を通じた公共経済学に関し、新たな視点や基本的な考えが記述される。更に、宇沢弘文の弟子である石川経夫に師事したエピソードも。私も宇沢派こそ経済学の向かうべき方向性と考えるのでこの路線での論説を有り難く読む。 下記は胸を打たれる師弟エピソードだ。 ー ロールズ「正義論」を私が知ったのは、石川経夫氏の名著「所得と富」(同)を読んだのがきっかけでした。宇沢氏の弟子である石川氏は、私の修士論文の指導教官でした。石川氏を指導教官に私が選んだのは研究テーマが理由ではありません。石川氏は労働経済学を専門とし、主に所得分配についての実証研究を進めていました。数理経済学の研究を希望した私にとって、石川氏は指導者として適任ではなかったのです。 出身者ではない私には口頭試験は鬼門です。少し専門的な質問をされて答えに窮しました。試験官は三人で、一人は石川氏でした。他の二人から厳しい質問が続き、私は硬直しました。助け船を出してくれたのが石川氏でした。私が宇沢氏のことを書いたエッセイについて石川氏が唐突に質問したのです。そのエッセイは私が当時勤めていた学習塾のテキストに掲載したものでした。石川氏がそのエッセイを読んでいたことに私は驚しました。その場で理由を尋ねると「宇沢先生に読ませていただいたので」と柔らかな表情で答えました。エッセイは私が宇沢氏に郵送したものでした。石川氏のひと言をきっかけに私は気持ちを立て直すことができました。自分が経済学を知らないことは仕方のないことだ。宇沢氏に教わったこと、宇沢氏にもらったテーマを真摯に説明するしかない。そう覚悟を固められました。 ー 運良く大学院に合格した私は最初から石川氏に師事することを決めていました。修士論文の指導者申し込みのとき、私は監躇しました。石川氏が、心臓発作で倒れ、長く入院したからです。人格者である彼には指導を希望する大学院生が多くいました。彼の体を心配した私は本人に正直に相談しました。何人までなら指導できるか。全員が無理なら自分は辞退すると言った私に、「全員、お引き受けします。それが学者としての使命ですから」と答えました。そうして私は石川先生の指導を受けることになったのです。 経済学の基礎的な解説については、アダム・スミスから始まり、リカードやマルクスが継承した自然言語による論証。その後の「経済学の数学化」という変化、つまり、ワルラス、ジェボンズ、メンガー三人の経済学者が別々に「経済学の数学化」を持ち込んで、経済現象の分析に微積分を持ち込むような流れが語られる。 成熟経済では人々が消費に満ち足りているため、資産選好が消費選好に比べて大きくなり、消費の水準に限界が生じる。こうなると、消費需要が生産能力をフル稼働させる水準を満たさないので失業が発生。商品は売れず、失業者も発生するので、経済は継続的な物価下落(デフレーション)に。必然的に商品価格も賃金も低下せざるを得ない。 他にもシグナリング理論や対応原理の話。理解が深まり、かつ新たな視点を得た。 ー 反体制的とも言える視点を持つボウルスとギンタスの二人が主張する学校の機能は次のようなものでした。学校の教科成績はほとんど知能指数(IQ)とは無関係であり、教科成績は「学校への帰属意識」「我慢強さ」「秩序を重んじる」「外から動機付けられる」などの性向と強い相関を持つ。反対に、「創造的」「積極的」「独立心」とは負の相関を持つー。つまり、学校教育は従順さを評価し、またそれは企業の経営者が望ましいと考える従業員の性向とも一致する。これを「対応原理」と二人は呼びました。私が初めて読んだ経済学の専門書は同書でした。
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資本主義における市場取引の考えに重きをおく経済学や間違った形での経済学の数学化に対して、宇沢弘文氏が提唱した「社会的共通資本」を中心に筆者の見解が書かれている。 序盤では小野理論における資本主義の方程式にて長期不況の原因が論証されていた。一般的に説明される経済学では不況と好況に...
資本主義における市場取引の考えに重きをおく経済学や間違った形での経済学の数学化に対して、宇沢弘文氏が提唱した「社会的共通資本」を中心に筆者の見解が書かれている。 序盤では小野理論における資本主義の方程式にて長期不況の原因が論証されていた。一般的に説明される経済学では不況と好況にはサイクルがあり、不況は長期的には続かないと考えられてきた。しかし、そうなっていない日本経済の「失われた30年」を理解する一助となった。そして、小野理論と宇沢氏の考えのつながりを見事に伏線回収し、社会的共通資本の重要性がさらに感じられた。 中盤では社会的共通資本を提唱した宇沢氏の考えが中心に書かれていた。特に自動車の社会的費用や環境問題への定式化が印象に残っている。 まず、自動車の社会的費用であるが、宇沢氏は1台あたり200万円と試算されたが、この算出過程で「自動車の利用によって市民が何を失っているか」から問題を設定している。今までも自動車の社会的費用について考察されてきたが、物的損害や整備費用・交通事故の損害などから考えられてきた。それに対して、宇沢氏は人から理論から組み立ており、なんとも人間的で温かい心の持ち主であると感じた。 また、環境問題についてであるが宇沢氏は帰属価格(ラグランジュ乗数)を用いた微分方程式を用いて炭素税への提案をされていた。経済理論・数学・自然環境に関する科学の知識と鋭い思考があるからできたと思われ、宇沢氏の偉大さがわかった。 終盤には力学を模倣した経済学への提言や過去の最適化について筆者の考えが書かれていた。 筆者は力学ではなく、熱力学を模倣すべきであると提言された。本質的な考えとしては、マクロなスケールでの理論はミクロな理論の近似ではなく、マクロな理論自身の普遍的な構造から考えることがであると主張されているように捉えられた。 過去の最適化についても確率論的な発想から、宇沢氏の主張をより強固なものとし、一貫して社会的共通資本がカギになってることが実感された。 より良い社会を実現するためのヒントがこの本には書かれており、自身の今後の考えに取り入れていきたい。
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