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死刑執行のノート 集英社文庫
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死刑執行のノート 集英社文庫

ダニヤ・クカフカ(著者), 鈴木美朋(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2023/11/17
JAN 9784087607871

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死刑執行のノート

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商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2024/07/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

・あらすじ 4人の女性を殺害した死刑囚のアンセルパッカーの死刑執行12時間前から物語は始まる。 彼は密かに刑務官のショウナを抱き込み脱獄の計画をたてていた。 アンセルの死刑までのカウントダウンと彼と関わりを持った3人の女性の過去から現在まで。 ・感想 ミステリーだと思ってたからてっきりアンセルは冤罪で3人の女性視点からその事実が浮き彫りになる…的な作品かと思ったら全く違った。 アンセル視点では常に二人称代名詞が「あなた」となっていていて、それがこの物語は「別の世界線の私だったかも」という気持ちにさせられる良い効果をもたらしていたと思う。 絶対的な善人も悪人もなく、灰色の世界の中でこのアンセルの辿った道はあなたであった可能性もあるんだよ、と。 ままならない現実や状況に憤った際に「たられば」を夢想する事は誰でもある事だけど、彼の場合は他人や環境に自分に都合の良いように変わってほしいという妄想ばかりしてた印象がある。 もちろん自分を変えたい気持ちは持っていて、そうできない事に葛藤してたけど。 個人的には進むも逃げるも、選ぶもやめるも自分で決めて自分で選んだ方が正解だと思って生きる方が幸せに生きられると思ってるけど、アンセルのような悲惨な家庭環境で幼少期を過ごした人間にそこまで自己責任論を問うのは中々酷だよな。 アンセルの幼少期の環境に関しては「運が悪かった」としか言いようがないし…。 埋められない「愛」「拠り所」があったはずの隙間でなき続けてるパッカー赤ちゃんがブルーハウスを見つけた事で泣き止む描写はちょっと切なくなった。 でも「そうしない」選択肢もあったのに己の衝動を御しきれなかったんだからその責任は負わなければならない。 彼の母親であるラヴェンダー、幼馴染で刑事のソフィ、彼の妻の妹のヘイゼルの3人はそれぞれの人生でどうアンセルと関わり、彼に影響を与え、また影響されてきたかが描写されてるけどラヴェンダーとソフィの出した結論(一種の諦観)に共感した。 犯罪被害者やその家族の苦しみを置き去りにして、刺激的な事ばかりを面白おかしく題材として消費する事への警告と、どこか違う世界の出来事ではなく被害者にも加害者にもなり得る可能性はいつだってある事を書いた作品だった。

Posted by ブクログ

2024/07/04

解説まで読んで、なるほど、とは思えたものの、社会派のサスペンスとしては今ひとつパンチに欠ける内容だった。本書の持つメッセージは確かに重要ではあるし、とても誠実であると思えるが……。 二人称や三人称を使った文体も作者の考えを知るとなるほどとは思えるが、何か仕掛けがあるのではないかと...

解説まで読んで、なるほど、とは思えたものの、社会派のサスペンスとしては今ひとつパンチに欠ける内容だった。本書の持つメッセージは確かに重要ではあるし、とても誠実であると思えるが……。 二人称や三人称を使った文体も作者の考えを知るとなるほどとは思えるが、何か仕掛けがあるのではないかと思えて肩透かしだった。

Posted by ブクログ

2024/04/27

死刑囚と家族、命の物語… 少しだけ感情の扱いや選択を間違えてしまった人々の未来 #死刑執行のノート ■あらすじ 死刑囚であるアンセルは、間もなく執行の時を迎えていた。彼は刑務官と通じており、直前に脱走する計画をしていたのだが… 同時になぜ彼は死刑囚となってしまったのか、出生から...

死刑囚と家族、命の物語… 少しだけ感情の扱いや選択を間違えてしまった人々の未来 #死刑執行のノート ■あらすじ 死刑囚であるアンセルは、間もなく執行の時を迎えていた。彼は刑務官と通じており、直前に脱走する計画をしていたのだが… 同時になぜ彼は死刑囚となってしまったのか、出生から現在に至るまで、家族や様々な人との関わり合いを描いてゆく。果たして脱走は実現するのか、そして関係者たちにはどんな未来がやってくるのか。 ■きっと読みたくなるレビュー 家族や命を実直に描いた作品。心の奥底にある善悪の価値観と、欲望、不安、恐怖といった人間の裏側にある感情が、静かに書き記されています。 死刑囚なんて言うと自分には関係のない話と思いがちですが、作品内の登場人物は決して特別ではなく、どこにでもいる普通に人々。少しだけ感情の扱いや選択を間違えただけ。 読み進めるのにパワーがいる作品ではあります。しかし人間が生きるとはどういうことなのは、なぜ裁かれるような罪を犯してしまうのか、覆い隠された部分を知ることができるのです。 本作は筋書きよりも人の感情をつぶさに描いた純文テイストに進行してゆく。登場人物の苦しみや葛藤が丁寧かつ表現豊かに書かれていますので、じっくりと味わってもらえると思います。ひとりひとりのキャラクターがあまりに切なすぎるので、一言ずつコメントを寄せてみました。 〇ラヴェンダー(死刑囚の母親) つい彼女が悪いと思ってしまいがちだが、物語の最後まで読み進めてゆくと、彼女こそ救ってあげなければならない人だった。子を想う母の気持ち、愛情が痛々しく涙が止まらない。 〇サフィ(死刑囚の幼馴染であり、現在は刑事) 人生で失望することも多いですが、これほど辛いシーンもあまり見たことがない。ただ親友クリステンの存在が大きく、これからの人生の希望になってほしい。 〇ブルー(死刑囚の姪) 彼女がいたおかげで、死刑囚も読者も救われる。しっかりと現実を受け止め、人生に糧として学び、明るく生きてほしいです。 〇ヘイゼル(死刑囚の妻ジェニーの双子の妹) ずっと端から関わってきた女性、心の奥底からの叫びが聞こえてくるし、実は一番死刑囚の気持ちと近い人物かもしれない。姉とは別の人生を歩めて本当に良かった。 〇アンセル(死刑囚) 世の中には恵まれない環境で育った人はたくさんいる。それでも幸せな家庭を気づいたり、社会に貢献している人もいっぱいいるということを知って欲しい。ただ幼い頃の愛情不足、青年期における成長不足が犯罪に繋がってしまう。他人事だと思わずに、社会全体で支えなければなりません。 ■ぜっさん推しポイント 罪を犯せば罰が与えれれる。 世の中の秩序を保ち、すべての人々が幸せに安心で暮らすためであり、被害にあった人や家族にとって償いのひとつでもある。しかし亡くなった人は帰ってこないし、事件の関係者たちも辛くやりきれない思いが残るだけ。彼らは必死にその時その時を生きているだけで、幾分かの選択肢などないし、行為自体にも目的も善悪もないのだ。 果たして誰のための罰なのか。 ただ自分の人生に責任を持っていけなければならないという教訓が、しっかりと胸に刻まれる。人生にやり直しはきかないし、苦しみながら人生の終わりを迎えるのは絶対に嫌だからだ。

Posted by ブクログ

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