黒騎士辺境伯と捨てられオメガ ラルーナ文庫

葉山千世(著者), 木村タケトキ(イラスト)

• 販売会社／発売会社: 三交社
• 発売年月日: 2023/11/20
• JAN: 9784815532888

商品レビュー

2024/10/24

オメガバースという設定だけでなく、ギフトという当主能力を授かる世界。さらにオメガは弱い立場、差別的な目を向けられることも少なくない。

濡れ場…あり。
回数は少ないですし、スケベさもあまりなくさっくり終わります。
一冊完結。

フラウミュラー男爵家の息子ルディ。母は幼い頃死亡。父も流行病で死亡してしまう。
元々ルディが男爵家を継ぐ予定だったが、ルディがオメガであること、そして15歳を過ぎてもギフトを授からないことで、当主としてどうなのかと貴族院から物言いが。

ルディには婚約者がおり（ハルトマン伯爵家三男マルティン）結婚することでその夫が叙爵できることになっていた。また叔父グレゴールが結婚するまでルディの後見人になることで、男爵家を存続できる手筈だった。

しかし叔父グレゴールは強欲で、両親共に死亡している嫡男ルディを迫害。さらに男爵家の財産を散財のいいとこなし。ルディを使用人のように扱う。

さらには、ルディの婚約者であったマルティンを言いくるめグレゴールの娘サビーネの婚約者としてしまう。最低だ！！しかも極め付けは、「明日出ていけ」。おいおい、とんだクズ野郎だな。
サビーネなんて、「マルティンは私を愛してるって」だと？どんな神経してるんだか。

ルディは流石にクラッときたが、腹を決めて男爵家を出ることに。

オメガである自分を雇ってくれる場所もなく、ボロ服で歩いて、公園で野宿を覚悟したところ豪奢な馬車が通り過ぎて思いっきり泥水をかけられてしまう。

そこから降りてきたのが、ヒーローであるラフェド・クラウゼ辺境伯。それとシモン・ヘン・ヘルフルト侯爵。

申し訳ないことをしたと謝罪し、汚れを落とすよう屋敷に招かれる。それからシモンの後押しもあり、ラフェドの屋敷で使用人として働くことになる。

過ごしていくうちにルディの家庭事情を知り、ラフェド自身も調べて酷い仕打ちを受けていたと知る。

ルディのギフトに関して、ラフェドが戦場に赴き死にかけた時、ルディが取れかけた肩章を縫い直した箇所が光り魔法を無効化。
後に教会で調べると、ルディ細工した物に「天使の祝福」という加護がつく（ただしアルファが持った時しか効力を発揮しない）稀なギフト持ちだということが発覚。

オメガということで、ルディは襲われそうになったり、ラフェドに恨みを持っているシルジナ侯爵アグレルに誘拐されたり。陵辱を受けそうになることしばしば。毎回平手打ち喰らったあと、ラフェドが助けにくるけど。

最終的に、ルディはラフェドと結ばれて夫婦になるけど、ルディの叔父叔母は最低な事してきたのに、許して男爵家として戻してあげるし…、うーん。古参のメイド、マリアやその他の使用人達はどうなるの？？大丈夫なの？？クソみたいな叔父叔母の元で使用人としてやってくんだよね？？叔父叔母の粛清も結局無いままヌルッと終わった。モヤモヤ。

あと、ルディを陵辱しようとした子爵や、侯爵のお咎めも大して無いし。モヤモヤ。

ルディがされてきた仕打ちは酷いものなのにザマァ要素は無いに等しい。悲しいよ。ルディ、私が代わりに脳内でボコボコにしとくね。

結ばれて幸せになって子供もできて幸せそうな姿を見れたのは嬉しかった。でも色んな事が片付かないままとっ散らかってる印象があって、ヒーローの魅力もそこまで感じなかった。

でもルディは大変好みな主人公だった！！素敵な作品をありがとうございました。

2024/02/26

オメガバも、捨てられも、辺境伯も、特に関係なかったけど、健気受とスパダリ攻のほのぼの恋愛な感じ。素人の延長のような物語ではあったけど、文章は読みやすくて好印象でしたね。