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ギリシア人の物語(4) 新しき力 新潮文庫
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ギリシア人の物語(4) 新しき力 新潮文庫

塩野七生(著者)

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ギリシア人の物語(4) 新しき力 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2023/10/30
JAN 9784101181158

ギリシア人の物語(4)

¥935

商品レビュー

4.4

10件のお客様レビュー

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2024/11/14

図書館で借りた。 ギリシア人の物語、ようやく最終巻にたどり着いた。4巻はアレクサンドロスの話がメインだ。後世にとても広く伝わる伝説的な話だし、いくつかの諸都市は21世紀の今でもアレキサンドリアと名乗っていたりする。アレクサンドロスの生涯は非常にドラマチックだ。題名『ギリシア人の物...

図書館で借りた。 ギリシア人の物語、ようやく最終巻にたどり着いた。4巻はアレクサンドロスの話がメインだ。後世にとても広く伝わる伝説的な話だし、いくつかの諸都市は21世紀の今でもアレキサンドリアと名乗っていたりする。アレクサンドロスの生涯は非常にドラマチックだ。題名『ギリシア人の物語』ではあるが、アレクサンドロスの話なので、ギリシアをすぐ飛び出し、基本アジアを舞台とした話になっていく。 このシリーズは、歴史書ではないので人物の性格は鵜呑みにしすぎるものではないが、世界観を知る上ではいいスパイスになっていると思う。

Posted by ブクログ

2024/07/28

第1章 アレクサンドロス ●生涯の友「ヘーファイスティオン」と愛馬「ブケファロス(牛の頭I]に恵まれた。 ●父のフィリッポス2世から、身体面ではスパルタ人のレニオダスからスパルタ教育を、精神面では、哲学者の「アリストテレス」から哲学を学んだ。 ●哲学者は知識を得る学問ではなく、知...

第1章 アレクサンドロス ●生涯の友「ヘーファイスティオン」と愛馬「ブケファロス(牛の頭I]に恵まれた。 ●父のフィリッポス2世から、身体面ではスパルタ人のレニオダスからスパルタ教育を、精神面では、哲学者の「アリストテレス」から哲学を学んだ。 ●哲学者は知識を得る学問ではなく、知力を鍛える学問であり、アリストテレスの教育を受けたことは、アレクサンドロスに大きな力になった。当時の哲学者は先人たちがどのように考えて行動したかを知るために歴史を学び、情報を偏見なく冷静に受け止める姿勢を確立し、3つ目は自分の頭で考えて自分の意志で冷徹に判断して行動する能力を得る学問だった。 ●アレクサンドロス曰く「船上では主導権を握った側が勝つ。」 ●アレクサンドロスの戦略・戦術を簡単にまとめると、 ①騎兵の突撃で敵陣にくさびを打ち込み、敵の陣営を分断する。 ②分断した敵陣を、防衛から攻勢に転じた歩兵(ファランクス)と騎兵と連携して包囲殲滅すること ●「ゴルディアオンの結び目」の話は、明快で単純で果断に対処することが最善な方法になるという解釈である。 ●筆者の考えでは、アレクサンドロスが経験した4つの会戦(グラニコス、イッソス、ガウガメラ、ヒダスペス)の中で歴史的に見ても、最も重要なのは、イッソスの戦いである。 ●兵站の重要性を理解しない司令官は、戦場でいかに勇猛果敢でも、最終的な勝利者には絶対になれない。 ●アレクサンドロスが当代きっての名称とされたのは、無敗だっただけでなく、会戦の戦死者数を少なく抑えたことも理由のひとつである。 ●アレクサンドロスは広大な領土の統治には、軍事力だけではなく、地域ごとの特性を配慮が必要であることを、早くから理解していた。 ●「ガウガメラ」での戦いでは、ダリウス3世は、戦象と戦車を投入してきた。どちらも無力化された。戦象はファランクスの槍を嫌がり暴れて殺されて、戦車はかわされて方向転換中に殺された。 ●「ダイヤの切っ先」アレクサンドロスは、騎兵隊が縦長のダイヤ型をなすその先頭に立って、いつも敵陣に突入していた。後世の名称、ハンニバル、スキピオ・アフリカヌス、カエサルさえもそこまでのリスクは負わなかった。それは彼の若さで一度も負けなかったからかもしれない。 ●アケメネス朝ペルシアの中心部のメソポタミアの「スサ」「ペルセポリス」「バビロン」を制圧して、ダリウス3世が殺害されてても、なお、アレクサンドロスが東征を続けたのは、メソポタミアの東側の中央アジアは政情が不安定であり、ダリウス3世をかくまった地方長官がこの地域を拠点としていたため、中央アジアも征服する必要があったため。 ●ヨーロッパを拠点にした国家が、中央アジアを征服したのは、歴史的に「アレクサンドロス」のみである。 ●アレクサンドロスの評伝を書いた古代の歴史家は、若き大王の特質を「速攻」「忍耐」「人間性」を挙げている。彼の後に続く兵士たちも一人の人間として扱った。 ●インドの王「ホロス」との闘いに勝利したアレクサンドロスは、インドの横断行を提案されて、彼の部下の兵士たちがこれ以上の東征への従軍を拒否されたので、アレクサンドロスは、東征をやめて、進軍した道とは別のルートでメソポタミア地方に戻った。 ●ヨーロッパとオリエントの融合を図るため、マケドニア将校とペルシアの女性との合同結婚式を行い、アレクサンドロスは、ダリウス3世の長女と結婚した。 ●アラビア半島を征服して、その後、カルタゴなどの西征を予定していたが、32歳の若さであっても、厳しい戦闘と負傷の積み重ねで過労のため、マラリアに感染してしまい、この世を去った。 ●誰を帝国の統治を任せるのか、瀕死のアレクサンドロスに尋ねた側近に対して、「より優れた者に」と言い残したため、後継者争い(ディアドコイ戦争)になってしまった。瀕死の状態では「誰」にするかを明言する体力がなかったか、彼自身が独断で物事を進めてきたため、「より優れた者」を判断できなかったのかもしれない。

Posted by ブクログ

2024/06/09

塩野先生の最後の歴史長編、最終巻の主人公はメーガス(大王)、アレクサンドロス。 財政難の国家を引き継ぎ、25歳でギリシアを統一、26歳でペルシアを制覇、32才でこの世を去る・・・ この英雄の物語が面白くないわけがなく、読み終わった時には軽い喪失感があり、すぐに再読してしまったほど...

塩野先生の最後の歴史長編、最終巻の主人公はメーガス(大王)、アレクサンドロス。 財政難の国家を引き継ぎ、25歳でギリシアを統一、26歳でペルシアを制覇、32才でこの世を去る・・・ この英雄の物語が面白くないわけがなく、読み終わった時には軽い喪失感があり、すぐに再読してしまったほど。 また、本書には読者への手紙ともいうべきあとがきが収録されている。 「・・・これまで私が書きつづけてこれたのも、あなた方がいてくれてからでした・・・」 読者への感謝を示してくださる先生方は多いが、この一文は特に響いた。 塩野先生の目に触れることはないが、「歴史長編は最後でも、まだまだ新刊を楽しみにしていますからね」と書いておく。

Posted by ブクログ