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関係の世界へ 危機に瀕する私たちが生きのびる方法
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ナカニシヤ出版 |
発売年月日 | 2023/10/16 |
JAN | 9784779517617 |
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関係の世界へ
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
「関係の世界へ」というタイトルが面白そうだったので購入しました。ガーゲン氏の本は初めて買いました。他の本と比べるとボリュームが小さく読みやすそうと思ったのですが、実際ガーゲン氏の主張を学べる入門書ということで、最初に買ってよかったです。 私の理解ですが(間違っているかもしれませ...
「関係の世界へ」というタイトルが面白そうだったので購入しました。ガーゲン氏の本は初めて買いました。他の本と比べるとボリュームが小さく読みやすそうと思ったのですが、実際ガーゲン氏の主張を学べる入門書ということで、最初に買ってよかったです。 私の理解ですが(間違っているかもしれませんが)、個人、集団などの「ノード」を第一に考える価値観が現代社会の主流になっている中、ガーゲンは「リンク」を第一に考える価値観を提唱しているのだと思います。これは西洋-東洋という二元論の克服でもあり、よく言われるような、西洋は個人主義、東洋は集団主義、というものについても、結局は「ノード(s)」について議論をしているというわけです。そうではなく、良いリンク、質の高いリンクをいかに構築していくか、それを第一に考えることこそがこれから必要だと考えているわけです。 本書を読んで、日本人はこのような関係性構築術は昔から得意なのではと思いつつ、ただ「ウチ」と「ソト」意識の強さもあることから、「ソト」との関係性構築は下手かもしれないな、など本書を読みながら考えていました。これを機会にガーゲン氏の他の著作にも挑戦してみようと思います。脳みそを柔軟にする良本だと思います。
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「ガーゲンによる社会構成主義の一番やさしい入門書!」と帯に書いてあるので、読んでみた。「社会構成主義」は一応わかっているつもりだけど、要するになんなのだと聞かれても、人に説明できないので。 読んでみたところ、ガーゲンによる入門書としては、数年前に翻訳がでた「現実はいつも対話から...
「ガーゲンによる社会構成主義の一番やさしい入門書!」と帯に書いてあるので、読んでみた。「社会構成主義」は一応わかっているつもりだけど、要するになんなのだと聞かれても、人に説明できないので。 読んでみたところ、ガーゲンによる入門書としては、数年前に翻訳がでた「現実はいつも対話から生まれる」の方が、分かりやすい気もした。 というわけで、原題を確認すると、"The Relational Imperative: Resources for a World on Edge"で、直訳すると「関係性的な必須事項: 瀬戸際の世界のためのリソース」というもの。 つまり、理論的な入門というより、危機的な状況にある世界の変革に向けてさまざまな分野において活動するための入門という感じの本かな? そういうわけで、いろいろな方法論、活動が紹介されていて、従来だったら、いわゆる「社会構成主義」としては位置付けられなかったようなものも紹介されている。 これって、「社会構成主義」なんだろうか?と思ったりするのだが、実はこの本では、社会構成主義という言葉は出てこない。(と思う) ここで中心に語られているのは、「現実の意味の言語による社会的な構築」ということではなくて、「まずは関係性から考える」という「関係論」である。 ウィトゲンシュタインが言ったように私的言語というものは存在せず、言語というのも相手がいて初めて成立するものと考えれば、言語も「関係から始まる」ものであり、これは「社会構成主義」の発展型としての「関係論」ということになる。 社会的な現実の構成ということについては、言語に限らず、視覚イメージとか、音楽とか、非言語的な記号の果たす役割も重要だと思うし、ガーゲンがよく喩えに出すダンスも非言語的身体的な動的な記号・コミュニケーションと考えれば、この理論的な「発展」は、ある意味、すっきりするものであると思った。 もう一点、最近のガーゲンの変化として、倫理性への配慮というのがあると思う。従来の社会構成主義では、倫理的、道徳的な価値相対主義といったものがあって、価値判断において、どちらかのサイドに立たないというスタンスだったと思うが、近年は、そこから倫理性という領域に足を踏みいれていうところがある。 こうした倫理的な立ち位置というのは、とても大切なところだと思う。一方で、倫理性という議論を入れることで、理論的にすっきりとしないものを引き入れてしまうという面もある。 といって、そんなスッキリしたところに立つということは、現実の世界ではできないわけである。 いろいろ難しい中で、何が正しいのだろう?と悩み続ける、一緒に考え続ける、そこから緩やかにでもなんらかの倫理性が了解可能なものとして立ち上がってくるみたいなことかなと思っていて、ガーゲンも多分、そんなところにいるんだろうと共感した。 というわけで、この本は、活動に向けた入門書であるが、最初の2章は、そうした関係論と倫理性についてのコンパクトな入門にもなっていると思う。 内容的には、数年前にでた「関係からはじまる―社会構成主義がひらく人間観」の内容と重なるところが多いのだが、短い分、ガーゲンの今の立ち位置が明確なので、「関係からはじまる」を読んだ人も読む価値ありと思った。
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