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文豪悶悶日記
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文豪悶悶日記

荒木優太(著者), 住本麻子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 自由国民社
発売年月日 2023/09/19
JAN 9784426129187

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2024/10/11

優れた作品を残した文豪たちの、人間味あふれる日常が見えてくる、日記や手紙から抜粋。 ・やっぱり、太宰の女々しさと悶々ぶりは一番かわいい。誰も敵わない。 ・食べていくために文学を物すことへの批判の文章を読んで、身の縮む思いをする樋口一葉。常にお金に困っていた自分が、お札の顔になる...

優れた作品を残した文豪たちの、人間味あふれる日常が見えてくる、日記や手紙から抜粋。 ・やっぱり、太宰の女々しさと悶々ぶりは一番かわいい。誰も敵わない。 ・食べていくために文学を物すことへの批判の文章を読んで、身の縮む思いをする樋口一葉。常にお金に困っていた自分が、お札の顔になるなんて思いもよらなかっただろう。 ・夫婦で作家であることについて、自身も文筆家夫婦であるところの、宮本百合子が語る。 欧米の有名な女流作家が、自分には部屋がないと発言したことに、幼児も個室を持たされている国で、奥様の部屋がないという事はないだろう。妻でいたり、母でいたりしなくてはならず、個人的時間が持てないということを言っているのではないか?と、推しはかる。多分そうだろう。 ・離れて暮らす息子・岡本太郎への、母・岡本かの子のラブが爆発する手紙が、もうすごい。東京からパリへ。 「巴里の北の停車場でおまえと訣(わか)れてから———」素敵な書き出し。シャンソンが流れてきそう。 ・「エロ・グロ・ナンセンス」と作風を評された江戸川乱歩は意外にも、酒席のエロ話が苦手と書いている。 ・子だくさんで知られる与謝野晶子が十回目のお産をして、二日目でその子を亡くして。児は私の身代わりになってくれたのだろうか。その命を無駄にせず、もらった時間を他の子たちのため、そして自分のために、真摯に生きたい。何人子どもがいても、母の愛は割り算ではなく掛け算である。 ・毎日お客が次々に押しかけるので(会いたくない人も多し)会いたいと思っている人に自分から会いに出かけていく時間がないと嘆く、森鴎外。また、人気が出てしまってお客がぞろぞろ詰めかけている人の所にも顔を出しにくい、とも。鴎外はなかなか細やかな「気にしい」であった。 大切な友人がこの前いつ来てくれたのか、日記のどこをひっくり返しても書いていないので、「私の日記は私の信用を失ったのである」というくだりが面白かった。 ・ちょっと死んでみたら、墓の中から見る娑婆は、生き残った人たちはこんな感じかしら?と書いてみる正岡子規。亡くなる三年前。自分の死さえ、カラッとしたユーモアで語ってしまう人。 この本のような場合、「どこを切り取るか」が非常に重要で、面白さの鍵になる事はもちろん、そこに編者の「作家観」が出る。 「作家の文章」のあとに、「編者の作家紹介、解説と所感」という作り。 似顔絵イラストもシンプルな線ながら、そっくりです! あとがきには、こういった作家たちの素顔に触れると、やはり、AIではなく人間が書いた小説が読みたいとあった。

Posted by ブクログ

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