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日本の台湾人 故郷を失ったタイワニーズの物語 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/08/09 |
JAN | 9784480439000 |
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
一番近い国である台湾を、知っている様で知らず。 この本を読む前に、一青妙「私の箱子」を読んで台湾への関心が増したところで読み始めた。 たくさんの積読や他に読んでいる本と並行して、時には放置してやっとこ読み終えたそんな本。 とは言え、内容はとても濃く読んで良かったと思えるそんなもの...
一番近い国である台湾を、知っている様で知らず。 この本を読む前に、一青妙「私の箱子」を読んで台湾への関心が増したところで読み始めた。 たくさんの積読や他に読んでいる本と並行して、時には放置してやっとこ読み終えたそんな本。 とは言え、内容はとても濃く読んで良かったと思えるそんなものだった。 ある先輩は、「この本は後書きだけでもいいから読んでごらん」とか「巻末の解説から読んだらいい」そう言うのだけど、私は本は最初のページから最後のページに向かって読むものだという姿勢で終わりらへんのものから読むなんて気がしれない、そう思ってきた。 この本もまたその様に初めから終わりに向かって読み読了したが、最後の最後でその先輩の仰った意味がなんとなく理解できた。 この本こそ、巻末にある終章やあとがき、年表を読んでから読み始めたら一味も二味も入ってくるものがあると思えた。 さて、この本で特に心に残った部分 宮古島の島民が流れ着いた台湾で先住民に殺されたので出兵し懲罰に行った1874年 魚問という詩集に「魚が言いました、わたしは水の中で暮らしているのだから、あなたにはわたしの涙が見えません」王璇(ワン・シュエン)は、東山彰良の父王孝廉(ワン・シャオリエン)のペンネーム ジュディ・オングの人生を一言で表現してみてくださいと父の翁炳栄にインタビューしたところ「悦己悦人」 ユエ・ジー・ユエ・レン 人が喜ぶことを自分の喜びとすると答えたと… 親が子をそんな一言で表すなんて素敵な家族だとジュディさんにもお父様にも関心を持ちました。 また何かの縁で台湾に触れる書と出会えることを願って読了とします
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日本の政界、経済界、学界、芸能界、文芸界で活躍する、台湾のルーツを持つ著名人たちのファミリーの歴史を通して、故郷喪失者の物語が描かれる。 紹介されたのは蓮舫、辜寬敏、東山彰良、温又柔、ジュディ・オング、余貴美子、羅邦強、安藤百福、陳舜臣、邱永漢ら。彼ら自身及び先祖の物語を通して...
日本の政界、経済界、学界、芸能界、文芸界で活躍する、台湾のルーツを持つ著名人たちのファミリーの歴史を通して、故郷喪失者の物語が描かれる。 紹介されたのは蓮舫、辜寬敏、東山彰良、温又柔、ジュディ・オング、余貴美子、羅邦強、安藤百福、陳舜臣、邱永漢ら。彼ら自身及び先祖の物語を通して、戦前は日本、戦後に中華民国になった台湾の歴史の複雑さがよく伝わる。
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陳舜臣の文体が好きだ。生まれた台湾の亜熱帯の様な粘着質な感じでも、育った神戸の港町の様な陽気な感じでもない、大陸シルクロードに吹く風の様などこか乾いた文体。 本書にも陳は取り上げられ、陳は「戦前の日本や戦後の台湾、あるいは中国の激動のなかで味わった喪失感を、さらなる作品の原動力...
陳舜臣の文体が好きだ。生まれた台湾の亜熱帯の様な粘着質な感じでも、育った神戸の港町の様な陽気な感じでもない、大陸シルクロードに吹く風の様などこか乾いた文体。 本書にも陳は取り上げられ、陳は「戦前の日本や戦後の台湾、あるいは中国の激動のなかで味わった喪失感を、さらなる作品の原動力に変えてきた」とある。喪失感の代わりに得たマイノリティとしての視点から一歩退いて物事を見つめ、乾いた文体によって表現したのだろうか、と思ったりした。 「秘本三国志」5巻の最後に呂蒙、関羽、関平、孫皎が死んだ後に孫権が「なんだ。…みんな死んだか。…」と呟く。この一言が胸を打つ。 喜久屋書店阿倍野店にて購入。
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