- 中古
- 書籍
- 新書
諜報国家ロシア ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで 中公新書
定価 ¥1,078
605円 定価より473円(43%)おトク
獲得ポイント5P
残り1点 ご注文はお早めに
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/06/01 |
JAN | 9784121027603 |
- 書籍
- 新書
諜報国家ロシア
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
諜報国家ロシア
¥605
残り1点
ご注文はお早めに
商品レビュー
4.5
7件のお客様レビュー
去年『ロシア語られない戦争』『プーチンの正体』『独ソ戦』と読んだのである程度理解したつもりだったが、諜報手段をさらに具体的に知りたく、この本も読んでみた。 FSB(その前身となるKGB)の方法論が網羅的に描かれていてとても参考になった。また、プロパガンダやアクティブメジャーズの...
去年『ロシア語られない戦争』『プーチンの正体』『独ソ戦』と読んだのである程度理解したつもりだったが、諜報手段をさらに具体的に知りたく、この本も読んでみた。 FSB(その前身となるKGB)の方法論が網羅的に描かれていてとても参考になった。また、プロパガンダやアクティブメジャーズのアプローチのみならず、組織体制の全貌や、ソ連成立時に遡っての歴史的経緯、特にはその思想や、もはや「文化」とさえ呼べる基盤的価値観も理解できてとても良かった。 プーチンロシアについても立体的に理解でき、『プーチンの正体』で描かれていた非道な独裁者のバックグラウンドがよくわかったというか、なぜプーチンがプーチンなのか、腑に落ちた。特にサンクトペテルブルク時代の市長の片腕からのし上がったところに違和感があったが(市長はそこまで力のある人物だったのか?など)、プーチンはむしろ市長を監視する立場であり、そこで資金源・権力源となる「システマ」を作り上げたこともわかり腑に落ちた。 警察国家・諜報国家としての体制は一連のプーチン時代に固められているように見え、プーチンがいなくなっても(権力闘争は熾烈になりそうだが)ロシアが変わることはなさそうに思えた。 一方で、プーチンや習近平亡き後の「権力闘争の時代」がいかなるものになるかは想像がつかず、世界がどうなっていくのか不安がある。そのとき、西側が、リベラル的な性善説的融和を行って失敗した前例があることはありがたいかもしれず、必要な態度がとられたい。
Posted by
ロシアにかぶれたからこそ書ける著者によるロシアを知る為に必見な書。ウクライナとの戦争が注目されるが遡って解説してくれるので読みやすい。 同国におけるKGBとFSBがそのままロシアの歴史であり現在でもある。権力者達の猜疑心が具象化した様な組織で情報戦の巧みさは道徳的にはともかく勉強...
ロシアにかぶれたからこそ書ける著者によるロシアを知る為に必見な書。ウクライナとの戦争が注目されるが遡って解説してくれるので読みやすい。 同国におけるKGBとFSBがそのままロシアの歴史であり現在でもある。権力者達の猜疑心が具象化した様な組織で情報戦の巧みさは道徳的にはともかく勉強になる。 『ゴルゴ13』シリーズの『マンモスの牙』という作品にソ連崩壊後のKGB高官が「国の仕組みが変わってもKGBは滅びず」みたいな台詞を言っていた(記憶は正確でないので悪しからず)が本書を読むとその通りで共産主義より上に在ることが分かる。 佐藤優先生にも言及されており色々とパラダイムシフトされそうだが手元に置いておきたい本。巻末に人名録があるのも親切。
Posted by
世界有数の諜報機関を持つロシアの原理をひも解く。KGBの前身は、1917年に誕生した反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会、通称「チェーカー」である。これは富裕層(ブルジョワジー)との闘争のために、臨時的かつ超法規的に設けられた組織であり、もし革命によって敵を倒して権力を掌...
世界有数の諜報機関を持つロシアの原理をひも解く。KGBの前身は、1917年に誕生した反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会、通称「チェーカー」である。これは富裕層(ブルジョワジー)との闘争のために、臨時的かつ超法規的に設けられた組織であり、もし革命によって敵を倒して権力を掌握したら、解散するとされていた。しかし、公式に発表したのは1922年で、実態は謎に包まれた。 KGBは、政府に対する報告義務はなく、ソ連共産党の最高意思決定機関である政治局の指示に従う政治機関であった。ソ連崩壊後、KGBの防諜はFSBに、対外諜報はSVRに引き継がれたが、諜報の手法は依然として変わらない。前者は主に国内のスパイ活動を取り締まるが、CISに対しても活動する。後者は西側諸国に向けて活動して、その際に協力者(エージェント)をリクルートする。本書で言及されているが、ロシア随一の保養地ソチは、FSBのスパイ活動(KGBの時代でも)の拠点とされており、偶然を装って観光者と接触して協力者へと仕立てる。このように、一見安心できそうな場所でも、秘密裡に活動しているので、身の安全を守るという観点から、ロシアのスパイの手法は知っておいたほうがいい、と著者は警告する。ロシア人と信頼関係を築いたつもりが、ロシアの協力者として貢献してしまう場合もある。 ゴルバチョフ時代、ペレストロイカやグラスノスチとソ連の改革に着手した。その際、党内の古参や軍の保守派を更迭させた。その一方で、KGB内部には手を付けなかった。その理由は、ゴルバチョフは元KGB議長アンドロポフの庇護を受けて、党のトップに就任したとき、KGB議長チェブリコフの政治的支援を受けたためである。このように、ソ連の体制が変化しつつある時代ですら、諜報機関の根本的なところは覆ることなく、依然として根づいている。 最後には、今後のロシア、ポスト・プーチンに関して考察する。これまでの指導者や体制をふまえると、プーチンの次の指導者は保安機関出身が就任する可能性がある。また、西側諸国のウクライナ支援疲れを口実に、全面侵攻に一旦区切りをつけて、制裁解除を求めるかもしれない。そのとき、表面上リベラルな人物を置くと考えられる。さらに、プーチンが倒れた後のロシアの崩壊や分裂に関して言えば、プーチンの側近が権力闘争、粛清が起きる可能性があり、場合によっては地方を巻き込むかもしれない。しかしプーチンの体制は盤石であるため、当面は倒れないだろう。
Posted by