特捜部Q カールの罪状 ハヤカワ・ミステリ1992

ユッシ・エーズラ・オールスン(著者), 吉田奈保子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 2023/06/06
• JAN: 9784150019921

商品レビュー

2025/11/23

前作までは事件解決とともに捜査メンバーの心の痛みを露わにし、そこから立ち上がる予想で終わるのだが、今作は違う。
毎度犯人は狂った妄想を実現させる人物ばかりだが、今作も負けず劣らずだった。
今回はゴードンに焦点が当たったけど、過去作でも成長してるところを書かれているので最終作で覚醒するのかも。
それよりカールどうなるんだろう…そしてステーブル釘打ち機事件の真犯人と詳細が気になる。

2025/10/07

60歳の誕生日に自殺した一人の女性の過去を調べるうちに恐ろしい事件の存在を知る特捜部Qメンバー。
一方過去の仲間の荷物から思いもよらぬ事件を突きつけたれたカールだが……シリーズ9作目。

帯を読むとステープル釘打ち事件が主軸なのかと思ったけど、今作は今作できちんと事件があり解決する展開だった。
1作目を彷彿とさせる展開もあり、かなりドキドキしながら読み進めた。
今作もしっかり面白い。北欧ミステリらしい暗さと痛さと、その先にある救い……じゃないか？がきちんと→

描かれている。

シリーズ的にはかなり衝撃のラストだけどね！！
あああー！次作が翻訳されてから読むつもりやったのに、我慢できなかったぁぁぁ！
原書は出ているらしいが、当然読めないので翻訳……翻訳はいつですか？？？今やってたりします？？来年には出ます？？？早川書房さーん！！！

2025/10/02

ずっと考えてたことがありましてね
「感情移入型読書」に対する我々の読書方にうまい表現はないかと
そもそも「感情移入型読書」って一般的な表現か？とか言うのやめてね

例えばです
本作『特捜部Q』シリーズは主に主人公カールの目線で物語は進むわけです

「感情移入型読書」の一派は部下のゴードンが思わぬ活躍をして、カールが「よくやった！」とうれしく思うと、カールの気持ちになってうれしくなるんでしょうか？

ふーん

わいたちは違います
わいはわいとして「ゴードンよくやった！」とうれしくなるのです
だって最初の頃はひどかったもの
ぜんぜん使えないし、上司に告げ口するし、基本仕事よりローセにモテたいしか思ってないし

でも今は違います
まだまだちょっといやだいぶ頼りないですが、カールの考えを先読みして自分で動けるようになってきたし、地味な仕事も根気強くこなすしね
元々持ってた正義感みたいなのは、より強まってるし

何より、カール、アサド、ローセ、わいとの信頼関係がめちゃくちゃに強いのよ
そしてほんとにカールを尊敬しているのが分かる
先輩としてこんなに嬉しいことはないです
あ、ゴードンが特捜部Qに加わったのはけっこう後なんで（5巻かな）、わいの方が先輩です

うん、ということで「本人転送型読書」と名付けよう
あ、でもなんか語呂悪いなw