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空海論/仏教論
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空海論/仏教論

清水高志(著者)

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空海論/仏教論

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 以文社
発売年月日 2023/04/20
JAN 9784753103744

空海論/仏教論

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2025/05/16

・「空と君のあいだに」二項対立の詩学 この本を読んだ衝撃をどう言い表したらいいだろう。ここ数日、悶々とそれを考えていた。 そしたら、シャワーを浴びている時、子供の頃に父の車でよく流れていた「空と君のあいだに」のフレーズが浮かんだ >>> 君と空とのあいだ...

・「空と君のあいだに」二項対立の詩学 この本を読んだ衝撃をどう言い表したらいいだろう。ここ数日、悶々とそれを考えていた。 そしたら、シャワーを浴びている時、子供の頃に父の車でよく流れていた「空と君のあいだに」のフレーズが浮かんだ >>> 君と空とのあいだには 今日も冷たい雨が降る 君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる >>> 君と空の対比、多分本書の「空海」の名から連想されたんだろう。でも、本書の核心に迫るのにこれ以上ないヒントなのかもしれないと思った。 空と君。この自然の二元性はつまるところ人間が認識する二項の対立だ。君と空は違うという当たり前が引き起こす問題を本書は探究している。 この二項対立から人間は逃れられない。君と空との間に今日も冷たい雨が降るように、人間は自己と他者、内側と外側、一と多などなど、無数の二項に世界を分断することで世界を認識している。 そうやって分けないと、世界を認識することができない。この人間の性自体、分割基準自体が世界なのかもしれない。でも、自己と他者の格差を生み、競争を生み、破壊をもたらす源泉にもなるのが二項対立だ。 人間である以上、この二項対立がもたらす悪は避けられないのだろうか?そうではない、と新しい道を示すのが本書。 そして空海が示した、仏教の極北。 真言密教の悟りである。 >>> 十二支縁起などの思想からは、情念と煩悩の増殖する局面を詳しく洞察したアビダルマ仏教のように「原因がある」「ものが有る」といった考えが導かれやすい。またそれらをただ逆に寂滅させるという発想にも至りやすいが、そうした縁起を成立させるとされる要素(項)を実体化して、その存在を肯定したり否定したりするのではなく、旋陀羅尼のようにそれらを構造的に捉えるのでなければならない。ーそしてその上でそれを順観、逆観の両側、つまり増益と損減の両辺が同時に起こるものとして眺めねばならないのである。こうした関係が、仏教以外の思想と仏教の諸宗派においてはいまだバランスよく捉えられてはいなかった。空海からすると、縁起と離二辺の中道をそのように調停しなおしたものが密教なのだ。 >>>本書p235 肯定するでも、否定するでもなく、構造的に調停すること。これが空海が、いや密教が生んだ二項対立を越える可能性の核心だ。 著者の清水さんは、それをレヴィ=ストロースら西洋の思想を縦横無尽に組み合わせつつ読解してゆく。 それは本書の核心である「縮約」という閉じた最短距離の円環を形作る。まるでメビウスの輪のように、始まりも終わりも裏表すらないのがこの構造なのだ。いや、構造がそれそのものなんだ。 君と空の二項対立はあり続ける。でも、その前に「ここにいるよ 愛はまだ」と歌われるのは、シンガーソングライターとしての中島みゆきの直観だろう。憎み憎まれる世界の裏面に、構造として愛はある。歌やアートは、それを指し示し続けている。

Posted by ブクログ

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