ウィッピング・ガール トランスの女性はなぜ叩かれるのか

ジュリア・セラーノ(著者), 矢部文(訳者)

• 販売会社／発売会社: サウザンブックス社
• 発売年月日: 2023/05/16
• JAN: 9784909125408

商品レビュー

2024/04/26

2024年3月9日の朝日新聞書評「ひもとく」は
「インターセクシャル・フェミニズムと
題して『セックスする権利』（アミア・スリニヴァサン）
と共に本書が紹介されていた。
インターセクシャルとは
「様々に交差する権力関係を分析する概念」。
文筆家の水上文は言う
「暴力と抑圧をもたらす構造を分析し、
見定め批判し、社会を変えるために、
私たちにはぜひともフェミニズムが必要なのだ」
だが
「フェミニズムは加害者を処罰し、被害者を
保護する思想ではない」とも言う。
「被害と加害を生み出す構造に焦点をあて、
構造をこそ変える試み」なのだと。
「構造をこそ変える試み」というのが
素敵だ。
「近年、一部のフェミニストによるトランス
ジェンダーの女性に対する差別が横行している」
という。
確かに個人的にもトランス女性への抑圧的な
態度に疑問を持っていた。
「女性嫌悪がトランスの女性への抑圧において
いかに作用しているか」
「トランスの女性がとりわけ攻撃されるのは、
彼女たちがトランス差別と女性嫌悪という、
まさに複数の抑圧の交差点に位置しているから」
それを知りたくて本書にアプローチした。