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保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである コロナ禍の「名店再訪」から、「保守再起動」へ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2023/04/18 |
JAN | 9784309031033 |
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保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである
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商品レビュー
3
6件のお客様レビュー
タイトルに興味を持って手にしたが、普通にグルメ本でちょっと肩透かしを食らった感じ。 なにより著者の激ヤセ変貌振りに驚いた。
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面白かった。 この人が活躍していたころを知っている身からすると、まず現在の写真だけでびっくりする。 かつては「言葉はどんどんやってきた」「それを交通整理するだけでよかった」という。それが「探しても見つからず」「言葉が出てこないことさえある」(p13)のだという。 そんな著者が...
面白かった。 この人が活躍していたころを知っている身からすると、まず現在の写真だけでびっくりする。 かつては「言葉はどんどんやってきた」「それを交通整理するだけでよかった」という。それが「探しても見つからず」「言葉が出てこないことさえある」(p13)のだという。 そんな著者が巡る名店のなんとおいしそうなこと。とくに神保町のキッチン南海!まさに食は文化だ。これを守ることが「保守」なんだと。 保守とは政治というより文化、日常を守ことだ。そのとおり。
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これは完全にタイトルで選んだ笑 コロナ禍で閉店の危機に悩まされた名店を訪ね歩くという企画で、「サンデー毎日」にて不定期連載されたコラムを加筆・再構成している。些かハードボイルドな文体ながらも、著者ゆかりの名店(飲食店がメインだが他に理髪店や書店も取り上げられている)にかける慈しみ...
これは完全にタイトルで選んだ笑 コロナ禍で閉店の危機に悩まされた名店を訪ね歩くという企画で、「サンデー毎日」にて不定期連載されたコラムを加筆・再構成している。些かハードボイルドな文体ながらも、著者ゆかりの名店(飲食店がメインだが他に理髪店や書店も取り上げられている)にかける慈しみが節々で伝わってきた。 また食とは関係ないが、故角川春樹氏・石原慎太郎氏との懐旧談も収められている。 本を開くまで、著者のことはお顔どころかお名前すら知らなかった。 「批評家」「健啖家だった頃とは見違えるほどに痩せて老いて見える」 読後他の方のレビューやネットの情報を確認しても、イマイチ分かった気がしない。ただ言葉の端々に棘があるのは、さすが批評家だと思った。文中で時の政治家に物申す書き手なんて初めてお目にかかる。こんなの、呼ばれた本人じゃなくてもドギマギするではないか…。 中学生から飲酒を始め、高校時代は遊ぶ金欲しさに父親の蔵書を古本屋に売却。健啖家時代から30キロ以上痩せてしまったのも、長年の不摂生な生活のツケが回ってきたから。 戦後の若者特有の(と言うべきか?)ギラギラした経歴。文体も含め苦手なタイプだと直感しながらも、彼が人生をかけて選び「取り替えの効かない」とまで言わしめた名店はどれも興味深かったし、どれか一店舗でも訪れてみたいと思わせた。 それに「食レポ中」は、心なしか文体も頬も緩んでいる感じがした。良い店の前では人間素直になるもんだな。 「靖国神社よりもキッチン南海(東京都 神保町の洋食屋)を守る」 またもやオーバーな文言だが、お気持ちはまぁ分からなくもない。 「日本がこれまで続いてきたのは、普通の街や村に住んでいる人たちの、その普通の暮らしが文化であったということにある。しかしコロナ禍によって、古来日本人が守り続けてきた日常を大切にし、それを文化とする心を現代の我々が失っていることを露呈させた」 著者は冒頭でそう語っている。著者にとって本書の名店は「文化」と結びついており、それは飲食を提供するだけの存在ではない。 タイトルは劇作家 福田恆存(つねあり)の受け売りだが、ここでの「保守」とは日常を守ること、生活に関する文化に対して敏感でいることを指す。「保守」という言葉のせいで堅固な印象が滲み出てしまうけど、日常生活やその中で見つけた良いお店が変わらず在って欲しいと願うのは自分も同じだ。 本書の名店においても、誰ひとり解雇せずに営業を続けたお店があった。それもまた店側にとっての「保守」なのかもしれない。 ロックダウンやら酒類提供禁止やらの非常事態は切り抜けたものの、未だ疫病禍は終息していない。 日常を守るために日常を見つめ直す。あの頃に抱いた意識を久々に思い出した。
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