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タイポグラフィ・ブギー・バック ぼくらの書体クロニクル
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2023/03/24 |
JAN | 9784582839197 |
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
おもしろいところに注目するなぁ。 漫画や雑誌に使われている書体について 昭和から平成、写植からデジタルへの変遷期 どのようなものがあったのか 具体例をあげて語ってくれる本。 漫画でも、長期連載するうちに 「ふきだし」の字体が変わっていたり。 佐々木倫子さんのアナログ活字体…...
おもしろいところに注目するなぁ。 漫画や雑誌に使われている書体について 昭和から平成、写植からデジタルへの変遷期 どのようなものがあったのか 具体例をあげて語ってくれる本。 漫画でも、長期連載するうちに 「ふきだし」の字体が変わっていたり。 佐々木倫子さんのアナログ活字体… あの独特の字はどの活字を参考にしているか? 普通に漫画読んでいたら気にならないけど この著者はそこに目がいっちゃうんだね(^_^)
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平成とは、書体の主戦場が写植からDTPへと移行する文字にとって激動の時代だった。CDのジャケットや歌詞カード、マンガ、雑誌などのフォントに着目し、独自の切り口で平成を捉えるポップカルチャー論。 軽い感じの本だけどかなり面白かった。いまは使われなくなってしまった書体の話はもちろ...
平成とは、書体の主戦場が写植からDTPへと移行する文字にとって激動の時代だった。CDのジャケットや歌詞カード、マンガ、雑誌などのフォントに着目し、独自の切り口で平成を捉えるポップカルチャー論。 軽い感じの本だけどかなり面白かった。いまは使われなくなってしまった書体の話はもちろんのこと、写植で人気だった新しい書体といち早くDTP対応した古い書体の入り混じる平成初期らしさだとか、テキストの書体を変えて客が離れた雑誌だとか、椎名林檎の歌詞カード書体の擬古典主義だとか、デザインの分野で語られることはありそうだけど書体の分析だけでここまで"読んで"しまうのはすごい。 一番面白いのはやっぱりマンガ論。まず一つの作品内でマンガほどコロコロ書体を変える読み物は他にないのだけれど、読み慣れた私たちは違和感なく受け入れている。それはどんなフォントがどんな感情や声のニュアンスに対応しているかという知識が脳に蓄積されているからだ。 なかでも少年ジャンプのフォントづかいが与えた影響の大きさは計り知れない。例を見てもジャンプマンガは書体の切り替えが細やかで、キャラクターの声をビジュアライズすることに並々ならぬ意欲を感じる。こうしてマンガ読みたちはかなりハイコンテクストな〈書体リテラシー〉を知らずのうちに身につけることになったのだ。 作品論は『ちびまる子ちゃん』が特に面白かった。大人になった作者視点だったはずのモノローグがアニメの逆輸入で〈ナレーション〉化していき、作者と作品との距離感が変化したという。羽海野チカの縦書きと横書きでニュアンスを重ねる独特なモノローグについても。縦書きの世界に"心のより深いところからの声"が横書きで介入してくる感じ、発明だよなぁ。 平成は雑誌がカルチャーを牽引した最後の時代だった。正木さんは「適切な書体を選べるか否かで表現自体も変化する」という哲学に従って細やかに紙面の文字を目で撫でていく。液晶に映る世界をベースに築かれていく令和の書体リテラシーはどんなふうに変わっていくだろうか。
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実家に放置している自分の本棚を整理してくれ、と言われ、いま手に入れることの出来ない文庫を粗よりしながらパラパラ捲ると,漂ってくる時代の雰囲気、それは古本の紙質の匂いだけではなくて、使われている活字の書体からも感じます。そもそも文庫毎の活字の違いも、それぞれの文庫の作品の選ばれ方の...
実家に放置している自分の本棚を整理してくれ、と言われ、いま手に入れることの出来ない文庫を粗よりしながらパラパラ捲ると,漂ってくる時代の雰囲気、それは古本の紙質の匂いだけではなくて、使われている活字の書体からも感じます。そもそも文庫毎の活字の違いも、それぞれの文庫の作品の選ばれ方の傾向にマッチしている気分も思い出しました。新潮文庫らしさ、角川文庫らしさ、今は亡き旺文社文庫らしさ…。そんな古い話でなくても書体を巡る冒険は、続いているのです。小沢健二とスチャダラパー「今夜はブギー・バック」のシングルのデザイン、歌詞のフォントチョイスから始まる文字の記憶の物語。その曲が1994年なのでかれこれ30年の時代変化なのです。それは出版がDTP化する産業革命が裏地になっているのです。P210のハリーポッターを巡る「リュウミン」を他の書体の比較、知らなかった物語を顕在化してくれました。出版だけでなく音楽、マンガ、雑誌、そしてはテレビのテロップまで文字に関するテクノロジーとコンテンツの相互作用を解き明かしています。とはいっても、そのすべてが著者の個人的記憶の歴史でもあって、書体を語りながら、この30年のサブカルを思い出させるスィート・メモリーズでした。実はこの後「杉浦康平と写植の時代: 光学技術と日本語のデザイン」を読もうと思っていて、その大著の飛び板になったみたいです。
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