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鏖戦/凍月
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鏖戦/凍月

グレッグ・ベア(著者), 酒井昭伸(訳者), 小野田和子(訳者)

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鏖戦/凍月

定価 ¥3,190

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2023/04/25
JAN 9784152102263

鏖戦/凍月

¥1,815

商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2024/01/10

グレッグ・ベア氏の作品を読むのは初めてでしたが あまりに重く濃密で凄まじい、恐ろしい中短編集でした 2作とも、もう30年以上も前の作品だとは信じられない 『鏖戦』は遠い未来の宇宙戦争の話 時折現れる古文調の文体が超絶格好いいし、当て字の漢字による固有名詞が頻発するのにもわくわく...

グレッグ・ベア氏の作品を読むのは初めてでしたが あまりに重く濃密で凄まじい、恐ろしい中短編集でした 2作とも、もう30年以上も前の作品だとは信じられない 『鏖戦』は遠い未来の宇宙戦争の話 時折現れる古文調の文体が超絶格好いいし、当て字の漢字による固有名詞が頻発するのにもわくわくする 過酷な戦争の描写があるのに、どこか美しく儚い情景が浮かぶし、とても女性的な印象をうける物語でもあった 難解だけど流麗な文章、語り手や視点が入れ替わる幻惑されるような物語、そして訪れた結末の無常さ… どこか日本の古典文学に通じる印象を感じました それにしてもほんとに、翻訳の文体がめちゃくちゃ格好いいし難解です これを翻訳された酒井昭伸氏の他の訳書もぜひ読んでみたい 『凍月』は『鏖戦』での世界よりは、現代に近いかもしれない、月に移住して数世代が過ぎた、月生まれの住人の政治や陰謀、科学研究の話 高度な科学実験や、人体の冷凍保存技術、新興宗教とそれに絡む政治、などの様々な要素が絡み合い、どんどん展開するストーリーがずっと先が読めず、斬新でめちゃくちゃ面白い 語り手の主人公と、その姉、その夫の関係性が何とも魅力的でしたし、語り手の前に障害として立ちはだかる人物の描写も、あるいは教え諭し利用もするし、でも導いてもやる師匠役の人も、作中に名前と音声しか出てこないけど重要なキーパーソンとなる新興宗教の教祖の逸話も、どれもキャラ立ちが秀逸で面白い 何よりも、周囲の人物と比べどこか印象が薄めであった語り手が、どんどん打ちのめされて変わってゆくさまの鮮やかさが楽しい作品でした こちらの中編の訳者さんは『火星の人』や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』も手がけている小野田和子氏、さすがです それにしてもこの2作が、同じ著者さんの手による物だとは恐ろしい でっかい引き出しが無数にあるグレッグ・ベア氏なんですね

Posted by ブクログ

2023/11/12

昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみる...

昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみることに。 『鏖戦』は、「これぞハードSF」と言わんばかりの高難度なファンタジーSF。姿形や社会構造が大きく変容した人類が、異星種族<セネクシ>との果てない戦いを繰り広げる世界が舞台。<セネクシ>を抹殺することだけを目的に育てられた、妖精のような姿をした少女・プルーフラックス。<セネクシ>の研究者で、人類のことを知ろうとする阿頼厨(アライズ)。両者の視点を中心に描かれるSFファンタジー。 設定や用語がかなり特殊で、誰の視点・会話なのかを把握するのもなかなかに難しいため、整理しながら読み進めないと訳が分からなくなること請け合い。その難解なテキストに酔いしれることが出来れば、内容をしっかりと理解出来なくても楽しめることが出来ると思うが、そうでない人には苦痛で仕方がないかと。間違いなく人を選ぶ作品。 『凍月』は、『鏖戦』とは対称的で、比較的読み進め易い近未来SF。人類が地球から月や火星に植民した世界が舞台で、地球から冷凍保存された人間の頭部410個を月に持ち込み、その記憶を甦らせるプロジェクトを巡る物語。 絶対零度を実現するという研究内容や、ラストの展開をちゃんと説明しろと言われると難しいが、物語の展開と結末を大枠で理解することは、テキストを追っていれば十分可能な内容となっている。 "The Hard SF"な『鏖戦』も嫌いではないが、個人的には読み易さのバランスが取れた『凍月』の方が好みだったかな。

Posted by ブクログ

2023/10/04

中編「鏖戦」「凍月」の二作収録。 どちらも共通しているのは独特な世界観で造語が説明無く飛び交うところ。 「鏖戦」 はるか未来、人類が異星人と戦っているようだけど人類は人体改造してるし文化も戦争に特化した物になっているようでまるで異星人同士の戦争のよう。 でも異星人の方が更に訳分...

中編「鏖戦」「凍月」の二作収録。 どちらも共通しているのは独特な世界観で造語が説明無く飛び交うところ。 「鏖戦」 はるか未来、人類が異星人と戦っているようだけど人類は人体改造してるし文化も戦争に特化した物になっているようでまるで異星人同士の戦争のよう。 でも異星人の方が更に訳分からない価値観だからまだ人類の方が感情移入できるな、という感じで。 その表現が古語というか当て字や文体などで行われている所が面白い。あと途中からある事情(だと思ったけど読み違い?)で文体が変わって行くのも面白かったです。 大変難解でしたが、その奥にある幻想的な風景が良かったです。 「凍月」 未来の月に住む科学者がある経緯で四百数十人分の冷凍頭部を手に入れる事から始まる物語。 こちらは月に入植した家族が世代を経るうちに大型化し、「家系」と呼ばれるまとまり同士で軽い政治闘争が起きている中、新興宗教を母体とした集団が権力を持ち始め、その集団が主人公たち所属「家系」にちょっかい出してきたけど何で?というのが軸になってます。 こちらはミステリー的な要素もあれば政治に関わる人の哲学と成長と変容をも描いていて、硬軟取り混ぜて描ける人なのだなと感服しました。 どちらもP.K.ディック作品の様な題材なのに人が違うとこういった味付けになるんや…みたいな感じです。そういう風味が好きな方にお勧めします。

Posted by ブクログ

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