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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 水鈴社/文藝春秋 |
発売年月日 | 2023/04/27 |
JAN | 9784164010051 |
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商品レビュー
4.3
28件のお客様レビュー
ああ〜ユーモアと知性があふれる文章、久しぶりに読んだ〜!すっごく面白くて、一気読みしてしまった!子どもに恵まれるということ、産むということ、育てるということ、手に取るようにわかり、共感できるのはさおりさんの文章が上手いからだ。 p.157 あなたは私が子どもを一人で見て、キツ...
ああ〜ユーモアと知性があふれる文章、久しぶりに読んだ〜!すっごく面白くて、一気読みしてしまった!子どもに恵まれるということ、産むということ、育てるということ、手に取るようにわかり、共感できるのはさおりさんの文章が上手いからだ。 p.157 あなたは私が子どもを一人で見て、キツイもう無理って泣けば満足するの?やっと俺の大変さがわかったかって思う訳?」 「産後の傷も癒えないまま働きに出た私を、更に子どもをひとりで見ることで疲労困憊させたいってこと?それで満足するってどういう感覚?」 「じゃあ私だって、働きながら妊娠出産して、育児もしながら一家の大黒柱になるプレッシャーを感じてみてほしいよ!」 さーーーー! 夫を見ると、涙の膜が目にかかっていた。喉仏が何度か上下して、出そうとした言葉を飲み込んでいる。もう限界だったことくらい、誰が見てもわかる。 そんなギリギリの状態の夫を、ホルちゃん(むかむかモード)が迎え撃ってしまった。 暗い部屋で疲労困憊していた人間に向かって、マシンガンを連射。 腕の中で「あう」という子どもの声が聞こえる。ごめんねごめんねと思いながら、ぎゅっと抱きしめる。 夫は本当に、私に疲労困憊して、キツイもう無理と泣いてほしかったのだろうか。そうかもしれない。 私だって、夫に妊娠出産しながら働いてみてほしいと思うことがある。ホルちゃんに乗つ取られてイライラとむかむかに揺れながら、育児も仕事も同時並行でやってみてほしい、と思う。 同じ目にあわなければこの気持ちはわかる訳がない!と思うくらい大変で、疲れているからだ。夫も、そんな気持ちで言ったのだろう。 もしもあの場で、 「そうだね、ひとりで大変なことを頑張ってくれてありがとう」とか、「疲れてるね、大丈夫?」と言うことが出来たら。 「わかった、ひとりで見てみるよ。でもあなたがもう少し休めるように、私も頑張るね」とでも言えたら。 今頃小さなアパートのリビングで、新婚夫婦らしく夫と愛を囁きあっていたかもしれない。両手いっぱいの花束を抱えるみたいに、家族ができた喜びを抱きしめられたかもしれない。 無理だった。 愛を囁くどころか、同意してあげることも、共感して慰めてあげることも出来なかった。 これがもし男女が逆で、育児で疲労困憊している女性に仕事から帰ってきた男性がこんな言い方をしたとしたら、きっと許されないだろう。 男性がメインで育児をするというマイノリティの環境の中、真っ暗な部屋で肩を落としていた夫を、もっと暗い場所へと突き落としてしまった。 ホルちゃんのむかむかモードが出るのは、決まって仕事が忙しく、プレッシャーに押しつぶされそうなとき。もっと子どもと一緒にいたいのに、それが叶わなくて、気持ちのバランスが取れていないとき。 p.195 私は子育てをして、少しずつ変わってきていると思う。朝起きて夜眠るようになった。 定期的に運動をするようになり、精神的な揺らぎが少なくなった。 だからもうこれからは、「子どもができても変わらないね」と言われることを目指さなくていい、と思う。 子どもを妊娠出産したら、変わって当然なのだから。 デビュー前からずっとバンドに流れていた『結果を出すまで走り抜こう』という空気は、新型コロナウィルスの蔓延と子どもたちの出現によって、「長く走れる方法を考えよう』「楽しくやれる方法を考えよう』という風に変わってきている。 もっと育児をしたかった時期やもっと仕事をしたいと思う時期を経て、段々と、自分がどんなお母さんになりたいのかがわかってきた。 私は思いっきり働く姿を子どもに見せながら、一緒に成長していきたいのだ。 p.199 こんなに幸せなのに、幸せだと気づくのはなんて大変なのだろう。私も夫も、息子は可愛いけれど、ずっと育児だけをするのは向いていない。 夫婦は助け合わなくてはいけないけれど、ただ平等を追い求めても幸せにはなれない。 そんなことがわかるまで、どれだけ傷つき、傷つけ合ってきただろう、と思い返すけれど、この先も長と夫と家族でいる限り、そんな日々を繰り返すような気がする。 傷つけ合わないことは難しいので、せめてその後に癒し合い、労い合えるところを目指したい。 窓を開けたら、頬を撫でるような風が流れてきた。 夫と二人で、暫く隊長の寝顔を眺めていた。
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彩織ちゃんの文章は大好きです。 感情の表現がわかりやすく、すんなり心に入ってきます。関西出身だから、ところどころに関西弁が混じっていて、クスッとしてしまうこともありました。ステージではあんなにキラキラしているのに、その裏ではたくさんのつらいことや悲しいことがあって、私たちと同じよ...
彩織ちゃんの文章は大好きです。 感情の表現がわかりやすく、すんなり心に入ってきます。関西出身だから、ところどころに関西弁が混じっていて、クスッとしてしまうこともありました。ステージではあんなにキラキラしているのに、その裏ではたくさんのつらいことや悲しいことがあって、私たちと同じように育児や夫婦関係や仕事との両立に悩んでいるんだと思うと、親近感を感じられました。「私は思いっきり働く姿を子どもに見せながら、一緒に成長していきたいのだ」とても共感できるし、これからも応援したいです。
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このエッセイ好きだ 本音を包み隠さず偽らず、幸せも不幸も、期待も不安も、良いも悪いも全て書くエッセイが大好きなんだけど、このエッセイがそれでした すんごい大変だった日々なのに文体があっけからんとしてて、まースイスイ読める。見出しにも遊び心があって、私に子供が出来たら一緒に読みた...
このエッセイ好きだ 本音を包み隠さず偽らず、幸せも不幸も、期待も不安も、良いも悪いも全て書くエッセイが大好きなんだけど、このエッセイがそれでした すんごい大変だった日々なのに文体があっけからんとしてて、まースイスイ読める。見出しにも遊び心があって、私に子供が出来たら一緒に読みたい
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