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開かれた社会とその敵(第1巻) プラトンの呪縛 下 岩波文庫
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開かれた社会とその敵(第1巻) プラトンの呪縛 下 岩波文庫

カール・ポパー(著者), 小河原誠(訳者)

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開かれた社会とその敵(第1巻) プラトンの呪縛 下 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2023/04/18
JAN 9784003860267

開かれた社会とその敵(第1巻)

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2023/11/12
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優秀な指導者が国を導くべし 一番賢い人が国を統治すべし 民族の英雄が国を率いるべし 今なお人気なフレーズですが、とんでもないワナが隠されてます。そして、国が詰んでしまう。 自由と民主主義って大事なんだなって気付かせてくれる。 しかし、自由と民主主義は大事なんだよ!と言っても、具体的にどう大事なのか説明できる人ってあんまりいないじゃないですか。 で、そこを開かれた社会の敵につけこまれる。 「ほらみろ、自由の賛美者も自由が何か分かってない」 「個人主義者は周りの人間のことを考えられないエゴイスト」 「国が発展するなら独裁者率いる全体主義だっていいじゃないか」 「私達は自由という放埓と無秩序から国の統一が乱れないように制御してるだけだ」 本書を読めば自由と民主主義の何が大事なのか分かるし、ちゃんと説明できる人になれると思います。 というか政治家は必読かもしれない(特に第9章と397ページ) 実現するのにすごい時間がかかりそうな、遠大な大規模構想を計画してる政治家は特に要注意(このような人物は往々にして、自分の価値観を押し付ける目的で政治的手段を使う。困ってる人を助けるのは義務だが、「全員を幸せにする」というのは、他人の私的な領域を侵している。これは私達に拒否権がある場合にのみ行使できる権利である)(第2分冊113ページ、第4分冊161ページ) 民主主義の重要性として一つ例をあげると プラトンとマルクスが陥った落とし穴「誰が支配すべきか」という問い。 「生まれつき優秀な者」「最善の者」「主人たる人種」または「労働者」「人民」これらに違いない。どちらも絶対的な真理や道徳的正しさの基準を獲得できる最終的な参照フレーム(権威ある情報源)を持った偉大な人物や集団とされる。ポパーこれを指導者原理・無拘束主権論と呼ぶが、この論理には権力者の抑制と均衡がとれないという欠点がある。 ポパーは「民主主義とは何か」とは問わず「民主主義は私達の自由と安全を守るためにどんな役に立つのか」と問う。 こう問うと「悪辣な支配者が登場しても、暴力を使わず合法的に被支配者が悪しき支配者を排除できる」と答えることができる。 ポパーは民主主義のこういう制度を評価してるわけです。 独裁体制だとこれができないんですよね。 ただしこの制度は、被支配者が支配者を選んでそれでお終い、あとは一番優秀な人に全部お任せします、と知力を使う権利を放棄しては成り立たない。 これだと独裁体制と何も変わらない。 優秀者におまかせするのではなく、私達が責任を持って制度を判断しなくてはいけない。 ここは、プラトンの絶対的な知の所有を誇る神のごとき哲学王と、ソクラテスの自分はなんて知らないことが多いのだろうという知の探究者(お互いの理性を尊重し合い、お互いの間違いを正していこう)との対比です。 神のごとき王者が自分の間違いを認めるわけがなく(そもそも批判を弾圧してる)、結果尊大な態度になり暴走を誰も止めることができなくなる(現在の私達の時代に権威主義的だと言われてる国の指導者や、報道官などを見てると分かりやすいと思います)

Posted by ブクログ

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