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歴史の定説を破る あの戦争は「勝ち」だった 朝日新書903
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2023/04/13 |
JAN | 9784022952134 |
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●=引用 ●戦後は左翼的な物言いををしていると、インテリと思われたりするから安心だった。逆に右翼的とレッテルを貼られたら大変なことになった。私でさえ、軍人たちを取材していると言うと「お前、右翼か」と責められた。こういう左翼か右翼かでしか物事を見られない人は、日本の歴史や社会を正...
●=引用 ●戦後は左翼的な物言いををしていると、インテリと思われたりするから安心だった。逆に右翼的とレッテルを貼られたら大変なことになった。私でさえ、軍人たちを取材していると言うと「お前、右翼か」と責められた。こういう左翼か右翼かでしか物事を見られない人は、日本の歴史や社会を正確に見ることができない。(略)日本の侵略や残虐行為について中国政府は日本政府に「謝罪」を求めているし、中日友好協会の人も私から何か謝罪的な言葉を聞きたかったはずだ。しかし、一市民の私が「ごめんなさい」と言っても気休めでしかないし、日本の軍国主義は誤ってすむ問題でもない。私たち市民にできることは、政治思想的なイデオロギーではなく、あくまでも人間として戦争の歴史を語り継ぐこと、そして反省し、教訓を生かしていくことだ。つまり、歴史的な反省と政治的な謝罪とは別次元にある。(略)あえて宿命という言葉を借りるなら、私たちが持っている宿命は、記憶を父とし、記録を母とし、教訓という子どもを生むことだ。歴史の中から得られる教訓を永く語り継いでいく。それが歴史や社会を正確に見るうえで必須の構えなのだ。政治的解釈や行動は、そのあとなのである。 ●私と同年代の西ドイツ出身の人に話を聞いたことがある。彼は戦後、小学生のうちにヒトラーが何をやったか、学校で徹底的に習ったそうだ。だからヒトラーに対して強い憎悪を持っている。その所業について「本当に恥ずかしい思いがする」と言っていた。私も日本の軍事指導者の所業を恥ずかしいと感じる。ただそれと同時に、そうせざるを得ない状況やそういう教育を受けた影響があったのだから、同情と言わないまでも、個人よりも状況や教育のほうを批判しなければならないだろうとも思う。(略)歴史上の国家の罪について、「すみません」と今を生きる私たちが謝る必要性をどう考えるべきか。謝ったところで何の解決にもならない。ただし、徹底的に自分の考えを説明する必要がある。それで相手が納得するかどうかは別の問題で、説明し続けることに意義がある。そのためにも戦争の歴史をきちんと継承しなければいけないのだ。 ●中国人から第二次世界大戦について意見を求められた時、どんなふうに説明したらいいのか。個々人の歴史観からくる選択の問題ではあるが、受けてきた教育や政府を含めて社会の中にある考え、自分自身の考えなど、様々なものから選択して説明するべきだ。そのことを自覚する必要がある。しかし、戦争の歴史を継承する姿勢において日本は甘いところがある。たとえば、ドイツ人に比べて日本人は「加害の歴史」をぼんやり見ているのではないか。(略)歴史の継承に関する甘い姿勢は、大きなつけとして将来的に払わさられるものだ。その意味ではドイツも心配だが、日本の場合、現実にもう悪い影響が出てきている。これはやはり大きな問題である。
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黒船来航で、江戸幕府が倒れて大政奉還し、明治政府が樹立されるも外国からの不平等条約で経済困窮に喘ぐ日本。戊辰戦争や西南戦争などの内戦を克服し、欧米列強並みに振る舞おうとして背伸びするが限度がある。歴史では、日清・日露の両戦役に勝利したとされるが、著者の分析では必ずしも日本に有利...
黒船来航で、江戸幕府が倒れて大政奉還し、明治政府が樹立されるも外国からの不平等条約で経済困窮に喘ぐ日本。戊辰戦争や西南戦争などの内戦を克服し、欧米列強並みに振る舞おうとして背伸びするが限度がある。歴史では、日清・日露の両戦役に勝利したとされるが、著者の分析では必ずしも日本に有利な条件は引き出せておらず、本当に勝利と言えるか。明治以降、ほぼ10年に1回の戦役を続け、ついにアジア・太平洋戦争で大敗を喫した日本。敗戦の反省の上に平和憲法を樹立し、78年間他国と戦争していない国は珍しい日本。敗戦の反省と被爆という悪夢こそ、戦後日本の復興と勝利があったのではないかと投げかける。 戦争と言えばクラウゼビィッツの戦争論から始まる。戦争は、①生存手段の確保、②安心できる空間の確保、③支配欲、の3つが絡み合って始まる。また、局地戦闘に勝利しているにもかかわらず戦争に負けた日中戦争やベトナム戦争など枚挙に暇がない。昨今のウクライナ戦争は、クラウゼビィッツのテーゼと異なっているのではないか。また、従来の戦争を変え、プーチン大統領が核の使用をちらつかせ、第2次世界大戦以上に機械化部隊が全面に立ち、ドローンを使った新たな戦術も生まれ、戦争企業が参戦して戦争の営業行為に転じている。一方で、サイバー戦争で戦争の一部が不可視になっている部分も否めない。 あらためて、本書は「戦争は敗者の選択なのだ」とし、それを逆説的に検証しようと試みた意図がある。近代日本史は戦闘に勝ったと喜び、自省や自己点検を怠り、そしてやっと最後の太平洋戦争で「勝った」のだとする。新たなテーゼの獲得に成功したのだとするが、どう判断するか著者らしく問題提起を投げかける。「負けるが勝ち」を日本は体現しているのか。新たな戦前にならぬよう更なる平和を希求する声を重ねることが必要だ。
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保阪さんが、朝日新聞出版からこの題名の書籍が出たので手に取ってみた。 まえがきはじっくり読んだ。 第一章を読んで終わりまで行かずに読む気力が萎えた。 後は斜め読み。 先の大戦では、日本に限らず多くの方々が亡くなった。 で、日本は勝った。良かった。となるの? ウクライナ戦争の...
保阪さんが、朝日新聞出版からこの題名の書籍が出たので手に取ってみた。 まえがきはじっくり読んだ。 第一章を読んで終わりまで行かずに読む気力が萎えた。 後は斜め読み。 先の大戦では、日本に限らず多くの方々が亡くなった。 で、日本は勝った。良かった。となるの? ウクライナ戦争の掘り下げは不十分でしょう。 今、時間を割いて読む本ではなさそう。 他にも読みたい本はいっぱいある。
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